サーフ ブンガク カマクラ の曲の歌詞に沿って物語を書いてみる①
藤沢ルーザー
人生においてルーザー、すなわち敗者とは何だろうか。たとえ成功せずとも、自分の夢を追い求めもがくことは敗者なのか。はたまた、やりたくは無いが安定した仕事で自分の気持ちを押し殺すことはどうだろう。
そんなことを考えながら、今日も電車に揺られるAM8:05。JRは3番線のホームに滑り込み、社会人、ライナー、それぞれがごちゃ混ぜになって風景になっていく。こんな朝を繰り返してもう3年が経つ。街並みが好きだからという理由と、割と安定した収入が得られるという理由で鎌倉にある不動産に就職した僕は、「仕事にやりがいを感じますか?」という健康診断のアンケートに毎回、「どちらとも言えない」とチェックし、そこそこ稼いで、休日は湘南で釣りをしている。自分がなりたかった大人って何だろう。昨日の昼休み、屋上で上司たちが交わしていた猥談を思い出して少し頭が痛くなった。
そうだ、高いリールでも買おうかな。江ノ電へと足を運ぶ最中に、そんなことがふと頭をよぎった。
すると、何だかいつもの重いリュックサックが軽くなった様な気がして嬉しくなった。今日はほら、天気がいいから。
さっきすり抜けてきた3番線のホームで、誰かに手を振る誰かの姿が見えた。何故か何にもない自分に向けて振られているような気がした。
4両編成の緑の列車は、ゆっくりと駅から発車した。
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