最大の含み損金額について
FXで自動売買(EA)について紹介しているwingです。今回のお題は「含み損の金額」について考えてみたいと思います。
EAを稼動する上で、考える必要がある項目として「含み損の計算」があります。FXを行うなら含み損は必ず発生します。
それをどこまで許容し、どのタイミングで撤退するか。これが明確な人はおそらくFXで稼げています。裁量トレードであればなおさらです。
EAの運用でも同様なのですが、裁量トレードと少し異なる部分があります。それは、一回の負けが大きい。ということに尽きます。
EAの運用では、複数ポジションを持つのが普通なので、最大含み損を考えるときには、おのずと複数ポジションを持っていることになります。
言い換えれば、最大に許容できる価格まで逆行したときにどれくらいの複数ポジションを持っているかを考えることになります。
ここで、取り上げられるのが「バルサラの破産係数」と2%ルールです。つまり、一回の負けは2%以内にすること。です。
しかし、EAの運用において2%ルールを採用した場合、ほとんど稼ぐことはできません。
10万円の資金で投資したときに、2%は2000円です。1ポジションもしくは裁量トレードであれば、あるエントリーのタイミングで、そこから2000円逆行したら撤退する。というルールになります。そして、利確は倍の4000円と設定します。
これでリスクリワードが1:2となります。このときに勝率が70%もあれば、相当稼げるはずです。
しかし、EAの場合、エントリーもエグジットも自動で行います。また、エントリーする判断も条件が揃ったらすぐに発動するので、裁量トレードのように様々な条件を考慮し狙いすましてエントリーすることはできません。
そこで、ある程度の幅を持たせることになります。
そうした場合の戦略としては、分割トレード、もしくはナンピントレードが現実的となります。
仮に分割トレードするのであれば2000円稼ぐために、複数ポジションを持っていると目標の価格に到達しやすく、1ポジションでは届きにくいというジレンマが発生します。
そのため、いくつかのポジションを持つことを前提に設計するのが妥当と考えます。これが分割ポジションの考え方です。
そのうえで、最大含み損金額も考える必要があります。
たとえば、勝率が90%のEAであれば、10回に一度しか損失を出さない確率であるため、一回のマイナスは18000円でトントンになります。
ナンピンの複数ポジションを持つ仕様であれば、損失の確率は更に下がります。
勝率99%のEAであれば、一回のマイナスは180000円でもトントンということになります。
では、勝率を99%まで引き上げるにはどうすればよいか?それはズバリ、ナンピンの段数と幅を広げることです。
無限ナンピンであれば、事実上勝率は100%です。ただ証拠金との兼ね合いでロスカットとなるでしょうから、現実的な線引きをします。
さて、ここからは推論の領域となりますが、98%のEAつまり50回に一度は損失を出す仕様として計算してましょう。
そうすると1回のマイナスが90000円となります。
この数字を出しておいて、EAの設定を考えるのもアリだと思います。
仮に10段のナンピンをする設定であるなら、一回の利確を1800円〜2200円の幅に収めて、勝率98%以上に設定できれば、90000円の損失を出す一度の機会が発生するまでに90000円以上を稼ぎだせる可能性が高まります。
EAの設定をこのように考えれば、勝率が高く、しかも、もしもの損失が、利益よりも少ない仕組みを作れるのではないでしょうか。
こんな感じに最大含み損金額を決めておくのは如何でしょうか。
参考になれば幸いです。