円城塔『決定論的自由意志利用改変攻撃について』（所収『異常論文』）要約

『異常論文』掲載の拙作については一文での要約が可能で、「それを見ることにより、二度目醒めることのできる夢が存在するが、自力で叶うものではない」となるわけですが、詳細については向こう１０年くらいの課題としたいと思います。　9:18 PM · Oct 21, 2021

　円城塔がこうまで言明しているので、自分用に要約を作成しました。
　（※メモ）とあるのは、編者の勝手な備忘録です。
　宇宙と自由意志の話は、同アンソロジー所収の草野原々『世界の真理を表す五枚のスライドとその解説、および注釈』にも通じます。

・決定論的自由意志系Ⅲc：人類が帰属。
・テクノミュティス相同体
・O型自由意志行使可能体：テクノミュティス相同体に帰属。
・ウーバー・オーバー・スープラ（UOS）相同体

・オブジェクトA：テクノミュティス相同体に帰属。決定論的自由意志系O型に帰属。
・オブジェクトB：決定論的自由意志系O型に帰属。

・X(t)：時刻tに関するX
・X^(Y(s))(t)：時刻sに関するYを予測したX(t)
・自由意志演算子F…F(Y(s))：X(t)→X^(Y(s))(t)
・現実生成演算子G…G(X^(Y(s)))：X^(Y(s))(t)→Y(s)
（決定論的自由意志系O型に帰属するため、予測はそのまま現実として実現）

・
X^(Y(s))(t)=F(Y(s))[X(t)],
G[X^(Y(s))(t)]=Y(s),

・時間推進演算子T…X(s)=T(s-t)[X(t)].
（決定論的時間発展）

以上、定義。

・時間演算子T…T(0)○T(t)=T(t)、T(s)○T(t)=T(t)○T(s)=T(s+t)、T(t)○T(-t)=T(0)

・
F(B)[A]=A^(B),
F(C)○F(B)[A]:=F(C)(F(B)[A])=(A^(B))^(C)=:A^(B^(C)).
（※メモ　Bについて自由意志関数F(A)、つまりAがBを予測。自由意志関数F(C)とそれとの合成…定義：Cについて自由意志関数F(F(B)[A])、つまりAがBを予測し、そのBがCを予測）

・G[A^(T(s-t)[B(t)])(t)]=G[A^(B(s))(t)]=B(s)=T(s-t)[B(t)],
（決定論的自由意志系O型に帰属するため、予測はそのまま現実として実現）
（※メモ　時刻tにおけるBについて、時刻tから時刻sにおける時間推進関数Tを予測する、時刻tにおけるAについて、現実生成関数G…即ち、時刻sにおけるBを予測する、時刻tにおけるAについて、現実生成関数G…即ち、時刻tにおけるBについて、時刻tから時刻sにおける時間推進関数T）

・G○G[A^(B)]=G[B]=1,　☆
・X^(1)=X
（X^(1)=Xとして1を定められることが、自分自身であること）
（※メモ　X^(1)とXは全単射）

以上、演算。

・
予測、A^(B(s))(s)、B(s)でBが敗北。
Bが自由意志によって想像、X。B^(X)(s)。
Aも変化。A'(t)=A^(B^(X)(s))(t)。

・すなわち、
A'(t):=A^(B^(X)(s))(t),
G[A'(t)]=B^(X)(s),
G○G[A'(t)]=X,

・なお、
F(X)[A^B(s)(t)]=(A^B(s))^(X)≠A^(B^(X)(s))(t)

・
X=G○G[A'(t)],
X(1):=G○G[A(a)],
（オブジェクトAを任意の時間aへ移動）
X(2):=G○G[B(a)],
（オブジェクトAをオブジェクトBに変更）
（様々な想像）

以上、決定論的自由意志利用改変攻撃。

以下、議論。

・Xはテクノミュティス相同体にとって予測可能でなければならない。

・
X(1)=G○G[A(a)]
（自分がされた予測を実行することで、予測した相手を過去に送ることになる）
G○G[A(a)]=G[1],
（☆から式変形）
（それを想像することが自分自身であることと一致する）

・同等な2つの決定論的過程：①テクノミュティス相同体の予測　②UOSの想像
・想像は決定論的過程に従いつつ、未来や過去の出来事を変化させる。想像による状態は予測では構築できない。

・階層型解決：決定論的自由意志系O型にも基底が存在する。つまり、宇宙の法則は自らの存在で断ち切られる。しかし、自らの存在も何者かに予測されている。
…A^B^C^D^E…
連鎖、または環状構造。
（(A^(B))^(C)とA^(B^(C))を区別できない。提案：ドット対によるリスト等）

・分割型解決：Aの状態をBとCの組み合わせに分割する。
A(a)=B^(C(c))(b),
（B(b)がC(c)を思い浮かべることで、A(a)でありうる）