『あいうえバトル』必勝法

 オモコロチャンネルの『あいうえバトル』の試遊がかなり面白かった。
 『あいうえバトル』ですぐ浮かぶ疑問は1. 文字数は短くあるべきか 2. 文字は重複すべきでないか の2点だ。
 『あいうえバトル』でデスゲームをやらされたときに困るため、考察した。

 使用する文字は長音を含め、47文字だ。
 第n回のターンでw文字を全て当てる確率は「p[1]=[n]C[w]/[47]C[n]」。
 逆に、当てられない確率は「1-p[1]=1-([n]C[w]/[47]C[n])」。
 自明に文字数は多いほど有利だ。

 次に、第n回のターンでw文字のうち1文字を当てる確率は「p[2]=1-([47-w]C[n]/[47]C[n])」。
 逆に、当てられない確率は「1-p[2]=[47-w]C[n]/[47]C[n]」。
 自明に文字数は少ないほど有利だ。
 ここで、7マスのうちの空欄の理解が得られる。
 つまり実際には、使用する文字は空白を含め、47+1文字。そして、初回の時点ですでに空白が指定されていて、ターンは第n+1回だということだ。そしてまた、空白は当たりでも開示されない特権を持つ文字ということだ。
 使用できる文字数に従い、当たる確率は指数関数的に減少するため、これによって当てられる側が有利になる。
 1つ以上の空白を含んでいるほうが(字数について、6字以下のほうが)、つねに当たる確率は低いと分かる。

 このことは、最低2文字のルールを検討すれば分かる。
 1文字を許せば、例えば「マンガのタイトル」というお題では、全員が『チ。』を選択し、ただ50音を総当りしていくだけのクソゲーになるだろう(マンガもクソ)。

 だから、1-p[1]>1-p[2]となる最小の文字数が最適だろう(「1-[n]C[w]/[47]C[n]>[47-w]C[n]/[47]C[n], 2≦w≦7, w≦n」となる解「w」)。
 正確には、n回の試行のうち、当たった回数を「n[w]」、1文字当たるごとに増す当たる確率を「α」として、「1-[n-n[w]]C[w-n[w]]/[47]C[n]>[47-(w-n[w])]C[n-n[w]]/[47]C[n]*e^(α*n[w])」だが、3変数で関係が複雑すぎ、しかも、定数αが任意だから解に意味がない。

(謝罪と弁解:近似式log n!≒n log n - n を使い、2≦w≦7 {w∈N} を代入すれば、この最小値問題は解ける。だが、計算が多すぎ、エレガントな解法も思いつかなかったため、解の導出は諦めた。すべて私の頭が悪いためだ。解に代えて、謝罪と弁解を述べる)

(参考:確率密度関数F(x)=∫[-∞][x] f(x)dxは、確率が一様分布の仮定でf(x)={0 (0≦x≦1), 1 (otherwise)}, F(x)={x (0≦x≦1), 0 (x<0), 1 (x>1)}(ルベーグ積分)。
 条件付き確率で、F*[x[1]|x[2]]=1/F(x[2]) ∫[0][x[2]] F(x[1])dx=2 ∫[0][x[2]] F(x[1])dx=2 ∫[0][1] ∫[0][x[2]] x[1]dx x[2]dx)

 だから、当てるときは、つねに最短の単語を想定すべきだ。

 次に、重複についてだ。
 重要なのは文字数のため、字数は問題ではないように思える。
 だが、当てられた場合、文字の重複は字数という手がかりを与えることになる。
 例えば、『ダンダダン』だ(「た◯たた◯」で致命的だ)。
 よって、同じ文字数について、重複は不利だ。

 もちろん、ここでは文字の出現頻度が等しい確率だと仮定し、かつ、条件付き確率を無視している。
 ブリルアンの『科学と情報理論』によれば、シャノンの研究で、英語は1文字当たり平均1.4ビット、1語当たり平均4.76ビットと、約1/3の冗長性を持つそうだ。
 『あいうえバトル』では、情報量は少ないほど有利だ。
 情報理論では、1. 結合事象 2. 条件付き確率 で情報量は減少する。
 ここから、複合語は不利(『君に届け』は「きみ◯◯◯◯」でかなり危険)、当然だが、特徴的な語は不利(『ちはやふる』は「ちは◯◯◯」で致命的)と言える。
 そして、両者は相反する。だから、当てるときはまず(特徴的でない)複合語を想定すべきだろう(「◯◯◯◯こん」は「◯◯」+「◯◯こん」と見なせば、すぐ『ルリドラゴン』を推定できる)。


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