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サカナクションのオンラインライブのエンタメ体験がすごかった話
一般向けに今日公開されたサカナクションのオンラインライブ「SAKANAQUARIUM光ONLINE」を観て、そのエンタメ体験やマーケティング的な面に感動したので、そのすごさをまとめておこうと思う。(ただの愛情が溢れた結果の走り書きです)
Togetterでもまとめたので気になった方はこちらも。
先に結論からまとめるとこんな感じ。
1. 圧倒的なクオリティ
2. オンラインだからこそな楽しみ方ができる
3. 超大規模な配信にも耐えるプラットフォーム
4. しかも黒字(らしい)
圧倒的なクオリティ
まず最初に感じたのは圧倒的な音楽体験だった。多分これは彼ら自身が『音楽』に立脚しているからだと勝手に思っている。
以前からライブなどでの音響に対するこだわりは度々語られている。
録画して配信しているライブ動画が世の中に多い中で、今回のライブは一線を画していたように感じる。
専門的な知識は持ち合わせていないが、迫力のある音響に加えて、目を奪う光の演出やカメラワーク、一回しにも関わらずミュージックビデオを思わせるような構成、まさに「ライブ」と言えるような要素に加え、それを超える「エンターテインメント」と言うべきものだったように思う。
オンラインだからこそな楽しみ方ができる
今回僕は自宅からPC映像をテレビに出力する形で視聴した。外付けスピーカーを付け、酒や肴を用意してゆったり観るようなスタイルだ。(部屋が汚いのは勘弁して欲しい)
むしろライブまでの過ごし方も全く異質な体験になった。
当日ライブがあるのは知っていたが、チケット購入が必要であることに気がついたのは買い物を終えて帰ってきた開始30分前。
アワアワしながらサイトにアクセスすると、きちんと環境や決済手段に応じて4つのプラットフォームが用意されていた。
LINEでのクレカ登録があったことから今回はLINE LIVE-VIEWINGで視聴することにしたが、登録から購入まで10分、実際に観覧の画面を開いたのは調べ始めてから合計で15分ほど。
普通のライブであればそもそもチケットは事前販売なので、当然行くこともできないのだが、いつもの生活から15分でライブという非日常な空間に行くことができるのは衝撃だった。
また、今までのライブはよっぽど好きでない限りは同行するメンバーは呼びづらいものだ。往復の移動の混雑、体力の問題、特にこの季節ならば気温によるしんどさもあって誘いづらいのだ。
それがオンラインライブであれば、一緒にお菓子や飲み物を買いつつ、帰ってきてすぐにその世界に没入することができる。
いわゆる従来の音楽コンテンツではアーティストの「音楽を聴く」ところから「ライブに行く」までのハードルは異常に高い。
その中で、いわゆる熱狂的なファンがライブに連れていくわけなのだが、そのハードルを「家で映画見ようよ」なノリで実現できる。
そしてそのクオリティに触れた人はファンになる。メインコンテンツである音楽に圧倒的な裏付けがあるからこそできることだと思う。
さらに、観覧中でもその体験は今までとは違うものになる。
観覧中にふとスマートフォンを見る。するとTwitterやInstagramでは同じコンテンツを共有している仲間が投稿しているのだ。そして彼らとはSNSの中で、フラットに繋がることができる。
今まではライブ中にはスマートフォンなど見ることはマナー違反(のように感じる)だし、その共有範囲は同行している友人知人に限定される。
つまり、単純に距離を超えて地方のファンに届けられるようになっただけでなく、ライブ特有のデメリットを埋め、メリットを強化する形に作用しているのだ。
僕は今回のライブが音楽に対する接し方の多様性を受け容れるような形になっていると感じ、とても心地よかった。
超大規模な配信にも耐えるプラットフォーム
先程言及したように、今回ライブ配信のプラットフォームは4つ用意されていた。
僕が使ったLINE LIVE-VIEWINGでは観覧者数を見ることができたのだが、開始時点で5万人を超えたように見えた。(もしかすると全プラットフォームの合計かもしれない)
こんな中でライブという音声と映像という大容量コンテンツを配信しているというのに、映像欠けや音飛びは片手で数えられるものだった。
そしてそれはTwitterでの投稿を見る限りはプラットフォームというより、ココの通信環境に依存した問題だったように見える。
つまり、5万人規模のライブ配信をストレス無く配信するような基盤は既に世の中に登場しているのだ。
しかも黒字(らしい)
とあるテレビ番組のインタビューでボーカルの山口さんは当初3,000万程度の予算で考えていたのが、結果的に1億数千万円規模になってしまった、と語っていた。
今回の参加者数が仮に5万人だったとして、税諸々を差し引いて4,000円のチケットであったとするならば、単純に2億円の興行だったことになる。
それだけでも驚きなのだが、考えてみるとその影響はもっと大きい。
あくまでもチケットを購入した人が5万人超いるのであって、実際に観覧した人はもっといるのだ。
これまた単純に1枚チケットを購入した人が1人連れて観覧したならば、純粋にライブに行くことまで考えていなかった人にライブを体験するというハードルを超えさせたことになる。
SNS等では投稿の拡散力を「バイラル係数」という言葉で語られるが、もしライブを体験した人のうち2割が次もライブを見たいと思ったならば、次のオンラインライブは6万人超を動員することになる。さらに言えば、その人達は追加で別の6万人をオンラインライブを体験させることになるのだ。
またSNSでライブ名のハッシュタグを見ればものすごい量の投稿がなされている。それはまた別のバイラル係数が働き、サカナクションの認知を高め、ライブ参加への後押しになるだろう。
最後に
今回のライブはユーザーとしての体験はもとより、マーケティング的にも実は超すごいことなのでは?と思い、興奮気味に書いてみた。
実際そのくらいの波及効果はあるかは定かではないが、今後もサカナクションおよび関わっている皆様のますますのご活躍を祈念しております。
そして本当にいいライブでした、ありがとうございました!!!!