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第二次世界大戦を学ぶポーランド
マッサージだけでなく、数多くの歴史的建造物から当時の歴史を学ぶ目的もありポーランドを訪れました。特に「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」は一生に内に必ず訪れたかった場所です。
ベルリンとワルシャワを結ぶ「ベルリンワルシャワエクスプレス」に乗り、揺られること5時間半。距離にして570km。
車内での無料でパンと紅茶のサービスが嬉しい
ポーランドの首都「ワルシャワ」に到着
時刻は22時半。辺りはもう真っ暗で治安も心配だったので、急いで宿に向かって歩き出したのですが、危険な雰囲気はまるでなし。夜の公園でも女性が1人で散歩していたり、観光客もたくさん出歩いていました。
そんな治安のいいポーランドでは、首都「ワルシャワ」に1泊、以前の首都「クラクフ」に3泊
ポーランドオススメスポットベスト3
多くの日本人にとって、ポーランドという国は馴染みの薄い国かもしれません。ショパンやキュリー夫人は有名ですね。
あまり知られていないポーランドでも魅力はたくさん!
一部しか周れていませんが、その中から自信をもってオススメできる場所をご紹介します。
①アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所
ポーランドを訪れるなら旅程に入れることを強くオススメします。詳細は以下で説明。
この場に足を踏み入れないと分からないことが多々あります。
人類史上最大ともいえる過ちから学び、考えることはあるはず。
近くの都市「クラクフ」からバスで一時間半程。
②クラクフオールドタウン
クラクフの旧市街。レストランやホテル、お土産屋さんなどが立ち並ぶ観光地です。1978年に世界遺産に登録。
南北1.4㎞、東西1㎞程しかない小さい地区は歩いて全て周れます。
広場の中央には長屋の市場の様な「織物会館」があり、伝統工芸品が売られ、常に観光客で大盛況。
オールドタウンのはずれには、歴代王の居城「ヴァヴェル城」が聳え立ちます。
時間があれば見学エリアを周ることをオススメしますが、外観だけでも満足できるはずです。
隣を流れる「ビスワ川」のほとりから、しばし優雅な時間を楽しんでも良いでしょう。
③ワルシャワオールドタウン
首都ワルシャワにある旧市街地
第二次世界大戦後に再建された歴史地区で世界遺産にも登録
聖ヨハネ大聖堂をはじめ、城楼や上壁、多くのカフェやレストランが立ち並ぶ。
13世紀当時の街並みを再現した中で、ゆっくりと休んだり食事をするのにおススメです。ワルシャワ中央駅からバスやトラムで10分程とアクセスも良好!
どちらのオールドタウンもただ歩いているだけでも飽きません。
・アトリエ
・路上パフォーマー
中にはこんな小さい子も
・絵描き
いたるところに楽しめるスポットがあります。
街全体が美術館のような雰囲気で、気になったところにフラッと立ち寄ってみても面白いかもしれません。
今回訪れていませんが、「ヴィエリチカ岩塩鉱」も見所の一つ。
クラクフからほど近い場所にあり、列車かバスでアクセスできます。
世界遺産登録第一号の内の1つで、世界に12個しかないうちの1つなので次は必ず行きます!
「アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所」から学ぶこと
※ドイツ語で「働けば自由になる」と書かれたゲート
今回の行程にポーランドを含めた最大の理由は『アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所』を訪れたかったからです。
そもそも「アウシュヴィッツ」とは、ポーランドの「オシフィエンチム」という地名をドイツ人が聞き間違えたものだそうです。なのでドイツ語や英語では「Auschwitz」「Oświęcim」となります。
ホロコースト
※収容所の外観
ご存知の方も多いと思いますが、多くのユダヤ人たちが虐殺されたと言われています。そのほとんどが列車で運ばれてきてそのまま「ガス室」行き。その為、詳細な死者数は現在まで解明されていませんが、現地にある石碑には150万人との記載がありました。この先も詳細が明らかになることはないそうです。
そんな歴史を持っているためか、「ガス室」に一歩足を踏み入れると重くのしかかる空気。言葉を発することもままならないような感覚は初めてでした。
実際、その場にいる様々な国の人達誰もが口を閉ざしていました。
あの感覚は今でも忘れることができません。どんな言葉で表現しようにもできません。実際に足を踏み入れないとわからない感覚でした。まさに「百聞は一見に如かず」
※数千人のユダヤ人が銃殺された「死の壁」
日本語ツアーで理解が深まる
※当時収容されていた知識層のユダヤ人
なんとここには、外国人唯一の公式ガイド「中谷 剛」さんがいらっしゃいます。
日本語で施設内のツアーをしてくださるため、理解度がかなり高い。
中谷さんは、「アウシュヴィッツで起きた惨劇と、現在の世界で起こっている問題は切り離せない」と言います。
・難民問題
・徴用工問題
・LGBT
現在の世界において、人権にかかわる問題は山積み。これらを解決するために「自分自身でしっかり考え」が大切だと仰っていました。
※収容されたユダヤ人から取り上げられた靴
『周りに流さればっかりいると、犯した過ちに気付かない。それは周りの人間も同じ考えでいる為に、正しいことなんだと錯覚してしまうから。常に自分自身で考え行動していると、過ちを犯した時には気づいたらそこで正せる。ホロ・コーストはこの大衆迎合い拍車をかけられた結果、ドイツの敵国も見て見ぬふりをした。』
つまり、この責任はヒトラー一人だけに押し付けられないという事。
ヨーロッパ各国ともユダヤ人を毛嫌いしており、通報した事実もあります。
※使用されていたベッド
日本は唯一の被爆国です。その事実をどう捉えるのか、そこから何を考え行動するのか、そして如何に発信するか、私たち日本人に課せられた使命です。今後、日本にもアジアからたくさんの労働者が来ることが考えられます。彼らを意識的にはもちろん、無意識にも差別することが無いよう、行動には十分気をつけたいところです。
少しでも興味のある方は是非一度
※隠ぺいのため爆破されたガス室
アウシュヴィッツを訪れる人の中で最も多いのが、ヨーロッパ各国の小中学生だそうです。
若いうちからこの事実を学び、考え、話し合うことでこれからの世界のリーダーとなれる人材を、国レベルで育成する目的があるそうです。
※使用されていたトイレ
日本にも「原爆ドーム」という負の遺産が存在しますが、訪れただけで終わってしまっていることが多いのが実情です。
後にどう行動するかで初めて訪問が意味を成すと思います。
国の発展が停滞している今、子ども達の教育から見直して、未来の日本の発展を促せることが良いのかなと考えす。
※ユダヤ教の国「イスラエル」の人達は国旗を掲げ、国歌を歌う
この「アウシュヴィッツ」と「ビルケナウ」は湿地帯の上に存在しています。そのため、建物の劣化などを補修するための工事が困難で、保存することが難しくなっているそうです。
もしかすると近い将来、中に入れなくなってしまうかもしれません。
少しでも興味がある方は、今のうちに訪れることをお勧めします。
日本語ツアーを申し込みたい方は「中谷 剛」と検索すればメールアドレスが出てきます。そのアドレスに直接連絡を取り、予約する形です。
バックパッカーの味方!物価の安さに歓喜!
まず、宿を予約する時に驚いたのがその値段でした。
ワルシャワ 1泊2日 朝食無し 約1000円
クラクフ 3泊4日 朝食付き 約2500円
「booking.com」で評価の高い宿でこの値段!
ドイツなクラクフと同じ条件で8000円はくだらないので、ここはまさにてんご
・水:1.5ℓ 約40円
・ソフトドリンク:1ℓ 約100円
・パン:1個 約10円
・チルドサラダ:1パック 約100円
・ビール:500ml 約75円
・インスタント麺:一袋 約50円
・お土産類:アクセサリーボックス 約500円
木のお皿 約300円
革のキーホルダー 約700円
・simカード:7GB 約530円
やはりお土産類は観光地価格ですが、スーパーや市場で食材を買って自炊をするならばものすごく安いです。
生鮮食品類も野菜や肉類は格安でした。
個人的にうれしかったのは通信料が激安だったこと。
ポーランドの「PLAY」というキャリアで購入。普通のショッピングセンターに入っているお店で、外国人でも簡単に購入出来ました。
利用開始手続きも行なってくれるので楽チン!
ただ、若い店員さんでないと英語が通じない可能性があるので注意です。
若い人だと、たまにものすごく愛想の悪い人もいます...
レストラン「ヤレマ」には必ず行くべき!
クラクフのオールドタウンのはずれにあるポーランドの郷土料理を頂けるお店。
なんとミシュラン獲得店です。
しかも日本語メニューもあり注文に困らない!
「Japanese please」と言えば出してくれます。
私のオススメは「ゴウォンギ」というポーランドのロールキャベツです。
マッシュソースとトマトソースの2種類がありますが、ダントツでマッシュソースがオススメ!マッシュルームの濃厚な香りとダシが効いていて絶品です。
1人でも入りやすく、満足いくまで食べ飲みしても日本円で約4000円と激安。ミシュラン獲得店なのにこの安さはポーランドの物価の安さを物語っています。
都市間の移動は列車がオススメ!そこから目的地まではバスで!
「ユーレイルグローバルパス」を持っていた私は、ワルシャワークラクフ間は列車で移動しました。
ポーランドの列車は他国よりも空いているので、比較的予約は必要ないと思います。
街の中での移動は徒歩で十分だと思います。
ワルシャワもクラクフも最大の駅から徒歩圏内に「オールドタウン」やショッピングセンター、ホテルがありました。
歩くのが辛いと言う方は「トラム」がオススメ。
1日乗車券が約400円とこれまた激安!
注意点はZone1とZone2があり、料金が異なる点。
Zone1 1日乗車券:約400円
Zone2 1日乗車券:約530円
路線図をみて、目的地がどちらにあるのか確認してから購入してください。
ちなみにクラクフからアウシュヴィッツへ行くにはバスがオススメです。
クラクフ中央駅のバスターミナルで「オシフィエンチム行」のチケットを購入してください。
価格:約320円~約400円
時間:約1時間半
名前:「Lajkonik(ライコニック)」号など
事前に調べてライコニック号の認識があったのですが、希望の時間を伝えたら別の個人タクシーのようなバスのチケットになりました。
問題なく目的地までは着きますが、運転手も運転も荒かったので苦手な人は「ライコニック」伝えた方が良いでしょう。
中谷さんのツアーは、14時からだったので12時発くらいのバスを予約しました。
海外で、何があるか分からないので時間の余裕は大目にみましょう。
まとめ
この旅の大きな目標にである「アウシュヴィッツ強制収容所」訪問。ここでのお話や感じたこと、考えたことは今後忘れることはないでしょう。
今後人生を歩んでいくうえで、この訪問が考え方や生き方を大きく変えるきっかけとなりました。
少しづつではありますが、気になるニュースが国際関係になったり、日本で働く外国人への目線が変わったりしています。
彼らと共存できるか、私にでもできることがあれば実践していきます。
実はポーランドはヨーロッパでも屈指の親日国
20世紀初頭、シベリアに流刑囚として数十万人ものポーランド人が流され、強制労働を強いられていました。そのポーランド人たちを助け、日本へ送り届けたのが『日本赤十字』と『帝国陸軍』でした。
日本で手厚く手当を受けた子供たちがポーランドへ帰り、無事生き残り成長。その人たちが『日本人を見かけたら親切にしてくれ』と子どもや孫に伝えていたと言われています。
多くの人が今でも日本人には感謝をしていて、ポーランドのどの街にいても、現地の人はみんな優しかったです。クラクフで泊まった宿に、ニューヨークと一緒に東京の時計もあったのが何よりもの証拠じゃないかと思っています。
そんなポーランドでの滞在は海外に慣れていない人でも過ごしやすい場所になることは間違いありません。
・学び
・観光
・グルメ
・物価
・治安
これだけあってポーランドを訪れない理由があるでしょうか?
是非一度足を運んでみてください。
私ももう一度戻ってきたいです。