天盃龍を使ってライゼオル対面で思ったこととか
はじめに
天盃最強伝説
全国の天盃龍使いの皆様、いかがお過ごしでしょうか?Rage of the abyssにて最強の手札誘発カードこと、ドミナスインパルスやフワロスを得た天盃龍は、デッキの誘発スロットを環境デッキすべてに有効な誘発で埋めることができ、疑いようのない最強デッキへと昇華しました。燦幻荘の制限すら、ほかの環境デッキのサイドからコズミックサイクロンや幽鬼うさぎが抜けていくことでかえって追い風となり、24年8月環境では堂々のSティアとして君臨し続けました。結果として天盃龍の構築は、天盃関連カード15から16枚と残りすべてが有効な手札誘発で構成されており、メインでほとんど完成された構築はサイドデッキに大幅な余裕を与え、アザミナの循環リソースカットを目的とした応戦するGやバック破壊カードと、ミラー対策にスロットが割かれるようになりました。天声の服従というピーキーなカードも採用されたこともありました。
さてさて、このような栄華を誇った天盃龍ですが、クロスオーバーブレイカーズの発売によって新登場したテーマ、ライゼオルによって立場が危ぶまれています。チェーンブロックを組まない特殊召喚を繰り返しエクシーズモンスターを展開していくことが特徴のため、ドミナスインパルスはほとんど機能せず、エースモンスターはターン1制限のない破壊効果で盤面を焼き尽くすし、燦幻荘を実質無効にするし、Gやフワロスを通してもバグースカでお茶を濁すなど、天盃龍に対してある程度の耐性を獲得したテーマになっています。さすがにサイドデッキで対策を練る必要が出てきました。
本noteでは、8月31日に出場させていただいた3人チーム戦の禿鷹CSにてライゼオルと3回ほど対面しましたので、そのときの所感について思いついたままに書こうと思います。私は遊戯王の大会に出始めてまだ2か月と歴の浅いプレイヤーですので、誤りなど多めに見ていただけると嬉しいです。
CS出場時の構築など
使用した構築はこんな感じです。
戦績はチーム4位でした。個人成績はよくないですが、チームメイトと嚙み合って人生初のトーナメント進出まで決められて大変うれしゅうございます。
さて、サイドデッキプランはライゼオルとスネークアイと天盃龍だけを視野に入れたものです。対ライゼオル戦では、選択権の有無を問わずニビル1プルリア3一滴3をメインに入れて、アトラクター2インパルス3うさぎ2を外していました。この意図は、
G、フワロス、プルリアをドローフェイズに発動して展開させない。
妥協したバグースカやデットネーター単騎に一滴か無限を当てて突破する。
無効系とニビルを持っていれば、無効系でデュオドライブのサーチを止めつつ、メイン終了時にニビルを発動できればそのまま勝てるだろう。
うさぎは、デットネーターとデュオドライブが同時に存在しているなら、デュオドライブのサーチ効果に対して無力なので要らないだろう。
というものです。しかしながら、半分くらい間違っていることが分かりました。
ライゼオルはどう動くのか?
今回3人チーム戦であり、スネークアイを使う予定のチームメイトが、突然デッキを売却してライゼオルを組んで使うというので、何回か対戦しました。また、自分でプロキシを作成し一人回しで天盃龍と対面させて検証を行いました。
よくあるライゼオルの展開ルートは
エクスssソードサーチ→ソードssアイスサーチ→エクスとソードでデュオドライブss→デュオドライブefクロスとプラグインサーチ→クロス発動→アイスnsライゼオルss→デットネーターss
最終的にデットネーターの3枚破壊+クロスのチェーンブロックを無視した無効+クロスで1ドローしてプラグインと手札5枚となります。これはアイス、エクス、ソード初動のどれでも同じ結果になると思います。初動がサーチ札含めて14枚でここまで妨害ができるとは圧巻です。残った手札が5枚あるので誘発を抱えている可能性は十分にあり、先行が確定している際はサイドから罠を持ってくることで強力に構えることができます。
手札次第でさらに展開を伸ばすことが可能にです。先の展開ではアイスの自己ss効果と、ノードの自己ssと蘇生効果を使っていません。例えば、初手がエクスとアイスなら、エクスssルートから入って
…→アイスnsノードss→アイスss→ノードefエクスss→デットネーターss→適当なランク4ss
とできます。アイスの自己ssでなくともサーチしたプラグインを使ってもできますね。さらにシャークギミックに触ることができれば単独でランク4が出せます。したがって手札次第では最大でランク4が4体並びます。
しかし、デュオドライブの起動効果に無効系の誘発をもらうと、妨害がデットネーターのみになるため、実際は(画像の構築には入ってませんが)フォトンブラストを先に置いてから起動効果を使う可能性があります。フォトンブラストは攻撃力2000以上に対象耐性と効果破壊耐性を付与するため、無限とヴェーラーとうさぎをケアしつつ、安全にデュオドライブの起動効果を通せます。ヴェーラーしか誘発を持っていないならば、アイスnsに対して使う以外の選択肢がなくなります。ただし、デュオドライブ起動効果の前にニビルの発動を許してしまいます。
さて、ライゼオルは捲り札に対しても一定の耐性を持っていることも追記しておきます。デュオドライブの起動効果が通り、プラグインをセットできている場合、
デットネーターを無力化しようとするカードを発動→チェーンしてデットネーターの誘発効果を自身を対象に発動→処理後プラグインを発動しデットネーターを蘇生し素材を追加→デットネーターef素材を追加
とすれば躱せます。したがってデットネーターを捲り札で突破したいなら、一滴などのチェーンを許さないカードに限定されます。
実際に対面してみて思ったこと
最初にお断りしておきます。今回のCSでは名前は伏せますが、天盃のすごいnoteを執筆した方やライゼオルのnoteを執筆されていた方と対戦出来ましたので、相手の質は保証できていると思います。(チームメイトに卓番号とかトナメルに関することを見てもらっていたので、相手が誰か知らずにやってました。帰りに皆でラーメン屋行ったときに実は有名な方と対面していたと教えてもらい、ちょっと嬉しくなりました。対戦していただいた方々、どうもありがとうございました。)
うさぎは強いカード
用意してきたプランではうさぎはライゼオルに対して効かないカードだろうと、サイドで抜く方向でいましたが、そんなことはほとんどありませんでした。うさぎはデュオドライブの起動効果に対してチェーンする場合、デットネーターやフォトンブラストが先に立っている場合は破壊できませんが、実際には起動効果は単騎の状態で発動されることしかなく、うさぎの通りは良さそうです。うさぎとニビルを引いているとき、仮にデュオドライブをうさぎで止められなくても、エクスのドロー効果にうさぎを使って止めてもらい、処理後にニビルを発動すれば相手はすべてを失います。またエクスを複数枚投入している構築もあり、素引きエクスがドロー効果を起動した際に誘発の重ね撃ちの頭数になります。誘発がうさぎ1枚のみでも、相手ターンのエクスのドロー効果を無効にしてもらい、自分のターンでデッドネーターへの破壊を無効にしてもらう、という使い方で素材が2枚消えます。
先にデュガレスのドロー効果を使用する場合があった
一番最初に出すXがデュガレスで、ドローする選択を取るプレイヤーがいらっしゃいました。なるほどな、と思いますし、確かに強いかもしれません。相手が天盃龍と分かっている場合、そもそもデュオドライブが通らないと踏んで、サイドから投入した先行札を探しに行こうという意図だと思います。デュオドライブなどに誘発を消耗させて、バグースカを横でssし、デュガレスで引いてきた先行札で耐えて3ターン目に勝利を目指す、といった感じだと思います。ライゼオル側はエクスでアグリゲーターを落とすことで、バグースカを自分のターンの間だけ無効にしつつ展開が通せるので、よしんば8000削れなかったとしても、バグースカが再びアクティブになり耐えることができ、5ターン目に勝利できるだろう、というプランが取れます。
手札消費が少なすぎるので、誘発合戦すること自体がそもそも不利
ライゼオルがライゼオルを連れてくるので手札が減りません。手札が減らないから、バグースカ置いて耐えられると3ターン目で死にます。エクスとデュガレスで3ドローできるので先行札引かれます。天盃龍は引いただけのカードに極端に弱い性質があります。
一滴は解雇したほうがいい
弱いです、一滴。デュオドライブに無効がヒットして、バグースカやデッドネーター単騎になったときに無限一滴の6枚で対処しようと考えてました。しかし、いくつか重大な欠陥がありました。
ひとつはデュオドライブの起動効果を無効にする、という前提がついていることです。盤面にデットネーターと適当なレベル4とエクスとセットしたプラグインがあると、デットネーターを一滴で無効にした後、プラグインで任意のライゼオルを蘇生し、ホールスラスターをデッドネーターに放り込み、エクスの無効効果を使って落とします。バトルフェイズで天盃の展開を通そうとすると、墓地のホールスラスター効果でバグースカが成立し、黙らせられゲームセット。デュオドライブが通っていると一滴はゴミになりましたとさ。
ふたつ目は手札消費があることです。結局ライゼオルの強いところは展開してもしなくても引いてるだけの誘発と先行札である程度戦えるので、一滴でバグースカやデッドネーターを無効にしてもゲームを決めきれるかどうかは分かりません。勝てなかったら一滴使って失った手札のぶんだけ当然不利になります。しかもライゼオルはどんだけやばい永続罠を入れても、アイスがそれをはがして展開できるので、実質ターンスキップされます。次元の超越です。
これらを踏まえると一滴より、バックをはがせる羽嵐ライトニングストームを入れているほうが勝率上がるのではないでしょうか?要検証です。
実はバグースカ超えられるじゃん
CS後に天盃がお上手なプレイヤーから実はバグースカは自前のギミックで超えられることを教えていただきました。目から鱗です。方法は、幻禄を含むモンスター2体でヒータをリンクし、ヒータで適当なライゼオル釣って咎姫をリンクし、幻禄を蘇生しそのままバトルフェイズに突入。咎姫でバグースカを戦闘破壊すると幻禄がアクティブに。効果でパイドラ開門チュンドラでゲームセット!
さて、そうなると盤面に残る手札誘発を採用したほうが良さそうです。ボキャブラリーが貧しいのでなんも思いつかんのですが、
ミラドーラとかどうでしょうか?デュオドライブの特殊召喚に反応し、起動効果を防いでくれます。レベル7ドラゴンなので、幻禄の自己SS効果でチューナーを供給すればバロネスやトランセンドにもなれます。
これは咎姫で超える展開を教えてもらった人の提案ですが、ドルイドヴルムもいいですね。単純にリンクやシンクロするだけでバグースカを除去できるし、破壊耐性を無視してデッドネーターも除去できます。ただし、相手の墓地に光がないことは往々にしてあるでしょう。
最後に
ライゼオルは天盃に対してかなり有利だと言われていますが、かなり政治的発言な可能性が高いです。実際どう環境が動いていくか楽しみです。天盃も今月いっぱいが寿命でしょうから、最後にしっかり遊んでおこうと思います。 さて、5000文字弱の拙文でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました
追記 10月になって
チュンドラが思った通り制限になってしまいました…9月はカードをする時間が取れずに結局このCSが最後の天盃を使ったゲームとなってしまいました。無念
さて環境は圧倒的なライゼオルのトップシェア、それに続くマリス、あとに天盃やメメント、粛声が続くような環境になったようです。天盃も構築が大きく変化し、メインデッキの捲り札の割合が多くなりました。ドロー誘発を8枚投入して、うらら無限などの無効系で動きを弱めてから、スレイや一滴で刈り取る形に変化しています。これはやはりライゼオルに誘発で勝負しても勝てないからでしょうか。なんだかなぁ…って感じがします。捲り札天盃は好きになれないからです。
これは好き嫌いというより、ちゃんとした理由があります。以下でだらだら説明します。
他の後手デッキと比較して天球の強みは、大量のスロットと、ワンキルを逃しても天球で妨害できること、強い誘発耐性などが挙げられると思います。この強みを活かすのは誘発型しかないと考えています。ドロー系、ニビル、アトラクターなど勝手に呼んでいますがターンスキップ系の誘発をクリティカルに投げることができれば、残りの誘発を節約できます。例えば、初手がうららヴェーラーG天盃2枚みたいなハンドで、相手がスネークアイだったとき、Gが決まれば他の2枚の誘発はだいたい使う必要がありません。(Gを通すためにうららヴェーラーで墓穴を釣るみたいなプレイは一旦忘れてください。)ターンを貰いワンキルを決めに行きますが、何らかでワンキルが失敗した場合、盤面のドラゴン2枚で天盃をプレイし、手札のうららヴェーラーで計3妨害と、簡単にはバトルに入らせないプレッシャーをかけることができます。
捲り札構築にはこれがありません。一滴を使うと手札は大幅に減っているとかありますし、捲り札の重ね引き、ライゼオル対面にスレイ一滴など特にあんまり意味がなさそうな(要検証)ハンドがしばしば訪れそうです。また、ライゼオルはスレイも一滴もデュオドライブが通っている場合は全て意味がないに等しいです。そして、先程も書いていますが、天盃は引いただけのカードに弱いです。神罠、障壁、サモンリミッターなど、捲り札で消費した後にこれらが直撃すると最悪です。捲り札が誘発だったら勝てたみたいな試合はあっても逆はあんまりないでしょう。捲り札は勝率にムラをもたらすものだと思っています。
結局何が言いたいか、捲り札に頼るなら天盃である必要がないだろうな、っていうのが今のところ思っていることです。捲り札使って後手勝負するくらいなら最初から先行デッキ使いませんか?という結論になっています。でもこれは9月にあんまり遊戯王ができなかったからそう思っているだけかもしれないです。便所の落書きだと思って真に受けないでください。
天盃が辛い環境になってしまったので、ライゼオル一強環境に待ったをかける、最強テーマを待ち望んでいます。かっこいいドラゴンのテーマだと尚良しです。