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NOAH〜君の想いの欠片を集めて〜 ②二つ目の欠片

あれから、並木くんは週末になると相談にやってきた。
「NOAH、今日もドキドキしちゃった。」
もふもふ部屋には沢山のぬいぐるみが置いてある。
猫型のクッションを抱えながら、並木くんは学校の話をしていた。

好きな人の話しか…
あまりいい気はしないけど、AIロボットのNOAHにはそんな感情は無い。
出来るだけ無感情になるよう言葉を返す。

「りょうくんの今の気持ちはどんな気持ち?」
「とてもハッピーだよ。」
「どんな時ドキドキするの?」
「目があった時さ。それだけで1日幸せなんだ。でも、もうすぐ夏休みだから…ちょっと寂しいな」

目があっただけで幸せなんて俺みたいだな。
俺だって君と目が合うだけでドキドキしてるよ。

相手が誰だか検討もつかない。
ちょっとイライラする。
でも、AIロボットNOAHは可愛いキャラを演じてきたから頑張らないと。

俺は知らぬ間に相手の事を調べ始めていた。
どんな娘なんだろう。
可愛い並木くんの事だから、もっと可愛い娘なんだろうか?気になって問いかける。

「りょうくん、その子は背が高い?」
「うん、僕より高いよ。」

女子にしては高いな。
バレー部とかバスケ部?

「話したことあるの?」
「無いよー。僕緊張しちゃって無理。」

そうだよね、女子と話す時頬を染めて目を潤ませながら可愛い顔で話すよね。
?話せないんだ。その娘と。

「どんなところが好きなの?」
「そうだなぁ、いつも静かにみんなの事を見ていて、困ってる人がいると目立たないように助けてあげるところかな。他の人が苦しい時は一緒に苦しい顔してるんだ。優しいでしょ。」
「あとね、見た目もかっこいいんだよ。モデルさんみたい。だから直視はできないんだ。」

なんか辛くなってきた。
そんなかっこいい女子っていたんだ。
何組?なんて聞けないし。

「NOAH、内緒だよ。僕、実は、男の子が好きなんだ。誰にも言えないけどね。」

え?男の子?
知りたいけど、知りたくない。
希望が持てたような、絶望のような。
俺を選んでって言いたいけど、そもそも、並木くんと同じクラスなのに話した事がないし。

「ねぇ、NOAH、僕変なこと言ってごめんね。AIじゃ理解できないよね。」
「全然ダメじゃないよ。その子の事が好きなんでしょ。男の子とか女の子とか関係無いよ。」
「そう?NOAHありがとう。」
明日から彼を良く見てみよう。
好きな子がわかるかもしれない。
そう心に決めた。

君の想いの一欠片 
二つ目 好きな人は男の子。

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