【Historic Brawl】《厚顔の無法者、マグダ》アグロ+パラドックス型
概要
今回もヒストリックブロールのデッキを紹介する。《マグダ》のロード能力を活かした高速地上ビートと、トレジャーからテンポ良く降臨するドラゴン達の中速飛行ビートを軸にライフを狩りに行くのがメインプラン。機体とプレインズウォーカーを絡めて受け切ることを困難にしている。
さらに奥の手の《パラドックス装置》を無理なく搭載。盤面が膠着したら無限コンボで盤面無視の勝利を狙うことも可能となっている。
機体ビートが思ったより強く、対コントロールで勝っているのが最大の誤算。うっかり100戦77勝したので紹介することにした。
《厚顔の無法者、マグダ》
統率者について。
2マナ2/1の標準スペックに「他のドワーフに+1/+0修正」のロード能力と「ドワーフがタップ状態になったら宝物生成」のマナ加速能力。さらには「宝物5つ生贄 : ドラゴン or アーティファクトを山札からサーチして戦場に出す」という強力なサーチ能力を持つ。
EDHなら《前兆の時計》を絡めたとてもイージーな無限ループが知られているが、《前兆の時計》のないヒストリックブロールでは無限ループはかなり難易度が高い。サブプランとして《パラドックス装置》を搭載しているが、ループ達成はかなり珍しい。(後述)
一の矢 - 高速地上ビート
とても弱そうな見た目のドワーフ達だが、《マグダ》のロード能力もあってライフを詰める性能はなかなかのもの。
2ターン目《七人の小人》から
3ターン目《マグダ》を置いてアタック3点、宝物生成
《七人の小人》をおかわりしたら4/3が2体と2/1で早くも10点クロックだ。これは一番打点が高いケースだが、宝物による展開補助とロード能力の合わせ技で序盤から強力なボードを作りやすい。トドメに宝物5個から《マグダ》が《エンバレスの宝剣》を持ってくるのは勝ちパターンの一つ。
序盤をマナ加速に費すランプデッキと低タフネスジェネラルへの依存度が高いデッキには地上ビートプランが通りやすい。前者は序盤に致命的なボード差ができるため、後者は軽量火力でテンポを取りやすいためである。
二の矢 - 多角的ミッドレンジ
地上ビートだけでも侮れないパワーがあるのだが、地上が通らなくなったらドワーフをマナ加速要因としての運用に切り替える。続く攻め手にドラゴンとプレインズウォーカーをたっぷりと用意している。
そして機体。アタックの通らなくなったドワーフから宝物を出せるし、単に効率の良いアタッカーとしても仕事をする。加えて全体除去に耐性が付く。
これらの要素が奏功してコントロールデッキ相手にも勝ち越している。というか他のアーキタイプと変わらず8割前後の勝率を出している。先出しした機体で殴り切る、全体除去の返しにプレインズウォーカーが無傷降臨、《目覚めた猛火、チャンドラ》がカウンターを貫通、などが勝ちパターン。
三の矢 - 《パラドックス装置》
ボードが強いデッキが《エンバレスの宝剣》でも突破できないほどに強固な盤面を作ってきたときの奥の手。
必要なものは《マグダ》と数体のドワーフ、初期資金、そして機体。
まずは《パラドックス装置》をサーチ
適当な呪文を唱えてアンタップ
機体に乗り込んで宝物を出し
何かを唱えてアンタップ
機体に乗り込んで宝物を出し
次のサーチは《黄金架のドラゴン》
同様に何かを唱えてアンタップして乗り込んで宝物を出して
アンタップして宝物を出して
サーチはいつもの《祖先の像》
手札に帰って
唱えてアンタップ
戻って宝物出して
ループして無限宝物
最後に《峰の恐怖》を持ってくれば《祖先の像》の出し入れで無限ダメージ
見ての通り、サーチ回数が多いので手札に呪文が大量にないと成立しない。
ドワーフが5体いると《黄金架のドラゴン》なしでループ成立するので少し楽になる。また、宝物を10個貯めてから開始すると手札への要求は軽くなる。
メインに据えるには欠陥だらけのコンボだが、《パラドックス装置》《祖先の像》《黄金架のドラゴン》《峰の恐怖》のうち後ろ二つは単純にカードが強いのでデッキに負担をかけずに搭載しておけるのは加点要素。ちなみに100戦中コンボ勝ちは6回だった。評価の割れそうな数値だが、個人的には投資2枚のリターンとしては十分だと判断している。
ピックアップ
何枚かに個別コメント。
どう見てもドワーフ。寝るとマナが出るので実質《ラノワールのエルフ》。
7枚採用可能。これのおかげで2マナ以下のドワーフが足りて速攻プランが成立している。ちなみに先手3Tで2枚引いてる確率は12.2%で、大体8ゲームに1回くらい。
殴ると宝物が出るので実質ドワーフ。《マグダ》で宝物を5つから《エンバレスの宝剣》を持ってくると7/2のラネリーが剣を持って16点パンチになるというプチコンボがある。
不意打ちで宝物5つを達成しやすいので見た目よりはかなり強い。3ターン目に2アクションしてドワーフ3体並べてからの4ターン目《ゾーン》は強烈。
《眷者の神童、キナン》《不屈の巡礼者、ゴロス》に効き、雑にマナファクトを奪う仕事もあるのでまあまあ強い。タフネス3がネック。
これも含めてパワー4飛行を意識して多目に取っている。2ターン目《マグダ》から3、4ターンに飛行を連打する動きがそこそこ強く、地上だけ固いデッキを速やかに狩ることができる。地上ビートだと相性の悪いトークンばら撒きデッキへの勝ち筋。
カウンターデッキ破壊ドラゴン。単にデカいので宝物5個から呼び出すことも結構ある。《峰の恐怖》が品切れのとき、パラドックスループの〆にインクの染みの20点を入れたり無限パワー宝剣パンチも一応できる。
カウンターデッキ破壊するウーマン。マナクリデッキ相手にドワーフフルパンから無理矢理降臨して生き残り諸共-3で吹き飛ばすパターンは良くやる。
器用な一枚。《祖先の像》ループが簡単になるオマケが結構大きい。
ケア不能のためかなり勝ちに貢献している1枚。5マナで《ゴロス》とゾンビを退かして詰めるのが頻出パターン。
山32なのにかなりタップインしてイラっとするけれど、トークン出たときのバリューが凄いため採用している。
どう見てもドワーフ。《マグダ》が居るとき、生物化が解ける前にマナ出して寝かせると宝物が出るのは結構大事。
結び
ヒストリック・ブロールには少し珍しいアグロデッキを紹介した。宝物を使う関係で選択肢が多く、なかなか飽きが来ない。2ターン目《マグダ》と他のドワーフと機体のどれから入るのか、3ターン目に2アクションするのか4マナアクションを叩きつけるのか、4ターン目に宝物を使ってビッグアクションを取るのか宝物5個を目指すのかなど無限に悩める。
火力の効く軽量クリーチャーを軸とするデッキと初動の遅いランプデッキを得意としているので、それらが人気なうちはいいポジションについていると評価できそうだ。構造的には不利なはずのコントロールデッキにも十分な勝率を出せているので、攻めデッキが好きなら是非とも試してみてほしい。
デッキリスト
統率者
1 厚顔の無法者、マグダ (KHM) 142
デッキ
32 冠雪の山 (KHM) 283
1 アクスガルドの騎兵 (KHM) 121
1 リムロックの騎士 (ELD) 137
7 七人の小人 (ELD) 141
1 ブラス・ドラゴンのドワーフ (AFR) 134
1 玄室荒らし (KHM) 158
1 略取するバーバリアン (AFR) 158
1 ウルザの後継、カーン (DAR) 1
1 栄光をもたらすもの (AKR) 157
1 朱地洞の族長、トーブラン (ELD) 147
1 発明博覧会 (KLR) 284
1 自在自動機械 (MH1) 235
1 ミーティア・スウォーム (AFR) 155
1 顔なしの工作員 (J21) 1
1 不詳の安息地 (KHM) 255
1 金属ミミック (KLR) 251
1 恐れなき解放者 (KHM) 135
1 首折りの狂戦士 (KHM) 124
1 ドワーフの援軍 (KHM) 134
1 黄金架のドラゴン (KHM) 139
1 苦悩火 (M19) 130
1 峰の恐怖 (M21) 164
1 星山脈の業火 (AFR) 151
1 耕作者の荷馬車 (KLR) 230
1 移動駐屯所 (KLR) 253
1 領事の旗艦、スカイソブリン (KLR) 272
1 葬送の長艇 (KHM) 238
1 航空艇 (KLR) 271
1 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
1 オラーズカの拱門 (RIX) 185
1 パラドックス装置 (KLR) 259
1 金の突撃車 (KHM) 390
1 祖先の像 (JMP) 458
1 反逆の先導者、チャンドラ (KLR) 117
1 目覚めた猛火、チャンドラ (M20) 127
1 バグベアの居住地 (AFR) 254
1 エンバレス城 (ELD) 239
1 ドワーフの鉱山 (ELD) 243
1 ゾーン (AFR) 167
1 埋没した廃墟 (JMP) 491
1 稲妻 (STA) 42
1 火柱 (JMP) 355
1 再燃するフェニックス (RIX) 111
1 ヴァラクートの覚醒 (ZNR) 174
1 ショック (STA) 44
1 棘平原の危険 (ZNR) 166
1 削剥 (AKR) 136
1 ゴブリンのクレーター掘り (GRN) 103
1 稲妻の一撃 (XLN) 149
1 マグマの噴流 (JMP) 346
1 幽霊街 (ISD) 240
1 風雲船長ラネリー (XLN) 136
1 ミジウムの戦車 (WAR) 138
1 エンバレスの宝剣 (ELD) 120
1 人知を超えるもの、ウギン (WAR) 2
1 精霊龍、ウギン (M21) 1
1 雷破の執政 (J21) 89
1 日和見ドラゴン (ELD) 133
1 永遠羽のフェニックス (IKO) 114
1 砕骨の巨人 (ELD) 115
1 キランの真意号 (KLR) 242
1 霊気圏の収集艇 (KLR) 218
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?