SHDWって何?
こんにちは。SHDW fan boy のraaです。
Solana Advent Calendar 2023で枠が空いていたので書かせていただきます。
$SHDWはたまに噴いてるトークンですし、solanaを触っている方はご存知の方も多いかと思いますが、なんなのかよくわからん、って人を結構見ますのでこんなプロジェクトですよ!っていうのを書いてみます。参考になれば幸いです。
これだけは!
まず最初にどうしても伝えたいことがあります。このプロジェクトが発行しているNFT「Shadowy Super Coder DAO(SSC)」は買っちゃダメです。時間がない人はコレだけ覚えて帰ってください。SSCは買わないこと!買うなら$SHDW。理由は後述します。
(23.1/9 事情が変わりそうな気配がしています)
どんなプロジェクト?
AWS(AmazonWebService)のようなクラウドプロバイダーを作っているプロジェクトです。AWSといえば、ブラウザからポチるだけでインターネット上に仮想マシンを起動したり(EC2)、超大容量ストレージ(S3)を利用したりすることができるAmazonのドル箱事業です。(AWSとは)
プロジェクトが主力として提供しているShdwDriveはAWSでいうS3にあたります。ShdwDriveは現在v1.5でGenesysGoがホストするクラスタにデータを置くことが出来るサービスなのですが、v2になると誰でも無許可で参加できるD.A.G.G.E.R.というネットワークの上にストレージサービスを展開する予定です。我々は自分のマシン(コンピューターリソース)を提供することでクラウドの向こう側、クラスタの一部になり、ストレージサービスの利用者から支払われる収益の一部を、リソース提供者として受け取ることができるようになる予定です。
類似プロトコルは?
fileCoinやArweaveが近いです。fileCoinやArweaveとの違いは日本語ならSoftgateさんのこちらの記事が詳しいです。
雑に要約すると「solanaの速さについていけるように高速化して、いいとこ取りしたよ」って感じです。
ShdwDriveは仮想ストレージとして振る舞い、Filのようにリソースマッチングではありません。この振る舞いのメリットはリソース側が途中で提供をやめても、他のネットワーク内の他リソースが補完してくれるため、利用側は継続的にサービスを享受できる。というところです。
ARは仮想なんですが、一度UPしたファイルは変更できません。
ShdwDriveはそれぞれのいいとこ取りをした感じです。
また、FilやARはストレージのみに限定されていますがD.A.G.G.E.R.はストレージはもちろん、AWSのEC2にあたる仮想マシンの起動を視野に入れた開発が進んでいます(日本語訳)。
これが実現したら、世界最大のクラウドベンダーがweb3上に発生という事になりかねず、個人的には革命レベルです。VPSが主流だった世の中にAWSが出てきたときのような衝撃を感じており、そこが自分がSHDWに注目している理由となります。
fileCoinとのもっと詳しい違いについて、23.12/05にBlog記事が公開されましたので、技術に興味がある人は是非。
D.A.G.G.E.R. Versus Filecoin(日本語訳)
実際に動いているものはある?
現在実際に使えるストレージ(ShdwDrive v1.5)のオフィシャルフロントがこちらです
SHDW、もしくはUSDCを支払い、容量を確保することで、適当なファイルをアップロードできます。(テストしてみました。HTMLをアップロードすればホスティングも出来ます)
ストレージの販売価格は?
可変 0.05USD/GB/年
不変 0.25SHDW/GB
です。(コミュニティで計算機を作ってくれた人がいます)可変は普通のストレージのように何度も上書きできます。なのでスペースを借りてる感じですね。不変は一度アップロードしたらそれ以上お金がかからないのですが、変更もできません。NFTの画像データやトランザクションデータの保存などを想定してるようです。ARと同じですね。
SDKとかないの?
公式ドキュメントには開発者向け情報があり、JS, Rust, Python でSDKが提供されています。 (日本語約しました)
また、S3互換のゲートウェイがあるので、通常のShdwDrive CLIに加え、aws cli の s3コマンドも利用できます。web2系の開発をされている方は是非利用を検討してみては?s3よりだいぶ安く使えます(約1/6程度)
なお、ShdwDriveは現在v1.5で、高速ですが分散化がまだまだです。v2になってD.A.G.G.E.R.上に載ると誰でもリソースを提供できるようになるので、分散化が超加速する予定です。
D.A.G.G.E.R.って何?
「クラウドに自分のマシンを参加させる」というコンセプトの裏では、様々なデバイスがネットワークに頻繁に出入りする事になります。そのようなノードのIn/Outや、ファイルのI/Oなどを管理するのにも相当数のノード間通信が発生します。
その管理はブロックチェーンよりもHederaやKaspaに代表されるハッシュグラフ系アルゴリズム(DAG系)の方がオーバーヘッドの少なく適しているため、新たに専用に作ったネットワークがD.A.G.G.E.R.です。ストレージを始めとした「コンピューターリソースを提供するための承認ネットワーク」と言って差し支えなさそうです。最初のテストネットでは40万tpsの速度が出たそうです。はやい。
基本的にD.A.G.G.E.R.はストレージや仮想マシンを載せるためのネットワークなので送金機能はありませんが、事実上L1と言えそうです。送金やトークン・NFT発行やらも載せようと思えば出来るんでしょうが、そのような発表はありません。まぁそんな機能は誰も望んでないです。ブロックチェーンで出来ることはブロックチェーンでやれば良いと思います。solanaは優秀。
ストレージ機能を活用すると、他のコインのログを記録することも理論上可能です(そもそもsolanaのログをgoogleCloudやARから移したいという思いから開発されてきたという経緯があります)。よって、マルチチェーンスワップ的な機能もD.A.G.G.E.R.上に構築することができるようになる、とのことで、そちらには開発意欲を感じる発言が多々見うけられます。
(技術の妥当性についてはライトペーパー、公式ブログを参照の上、DYORでお願いします)
どんなトークン?
ステークとBarnとバイバックがあるデフレトークンというよくばりセットで、既に90%以上まで希釈されています。
一番最初、GenesysGoは2億枚を下記のような内訳で発行しました。
「NFT Holders」+「 Bonus Emissions for Long Term Holders」の1.3億はSSCのNFTをステークすることで1年かけて排出される仕組みで、1枚につき13,000SHDWを排出するNFTが1万枚発行されました。NFT発行から2年近く経ち、未排出は残り600万程度となりました。
「Shadow Operator Emissions 10%」のうち半分と「Strategic Reserve 10%」は破棄されましたので3000万はbarn済です。(barn1, barn2)
「IDO Pool 15%」は実施済みです。1SHDW1.73$で、チームの開発資金として、フィアットの銀行に保管されているとのことです。
残りは「Shadow Operator Emissions 10%」の半分1000万(うち700万はFTXに貸与)と未排出の600万、となります。
なお上記の通り、SHDWにはチームの保有割合というものがありません。チームも市場から個人資産で買っているとの事です。VCプライベートセールも無いのでVCロック解除的なものもありません。
トークンのユーティリティは?
ShdwDriveの利用料(そのままbarn)
コンピューターリソースを提供する際にステーク(今作ってます)
があります。ShdwDriveのネットワークには複数の役割があり、よりクリティカルな部分に参加するには大量のSHDWのステークが必要になるように設計されています。(下の「ネットワークに参加するには?」に詳しく書きました)
なお、ネットワークへの参加報酬はUSDCでリソース提供者、ステークした人(solのバリデーターのステークみたいな仕組みがあります)に支払われる事になると思われますが、報酬の一部(3-4割程度)がバイバックに自動的に割り振られ、買い圧を常にかける事になるようです。詳しくはこちら。(日本語訳)
NFTもあるの?
上にも書いた通り、13,000SHDWを排出するNFT「SSC」が1万枚発行されています。が、ここで最初の警告について伏線回収します。SSCは今は買っちゃダメです。
市場に出回っているNFTは9割がSHDWが排出されきっています。排出がおわったNFTにはDiscordのアクセス権の付加価値しかありません。
開発チームはNFTの価格を一切気にしていないし「NFTで何かをする気は今のところない」と明言しています。残SHDWが残ってないNFTの値段が上がることはまずないです。(たまに謎pumpしてますが)
SSCではなく、SHDWをjupiterで買いましょう。
もし興味本位でstakeからSHDWを排出してみたい、という場合はこちらでNFTに残っているSHDWを確認してからNFTを買いましょう。なお、唯一のユーティリティ「discordのメンバー専用チャンネルにアクセス出来る」ですが、10,000SHDW 500SHDW(に変更されました)でもアクセスできます。
SSCに新たな使い道が出来るかもしれない?
23.1/9 現時点で公式発表では無く、またSSCのフロア価格を上げるつもりも無いようですが、新たな使い道が出来る可能性が出てきました。公式発表があり次第追記します。
誰が作ってるの?
solanaのRPCを提供していたGenesysGoです。DiscordにいるFrankがファウンダーです(twitter)。多分Stevenも。開発神のTracy(twitter)はsolanaのNFTのMintによく使われているキャンディマシンを作った人です。
開発資金は?
資金調達はNFTのMintとIDOからで、プライベートな資金調達でVCを入れてたりはしません。(なお、IDOでは一般と並んで香港のCMCCが入ったようです)
調達した資金はフィアットで銀行(SVBではないとこ)に預けたとのことで、FTXショックには巻き込まれず「今後20年は開発を続けられる」との事です。
SHDWトークンの大口保持者にFTXいるけど?
いますね。
NFTのMintとIPOで一般に混ざって結構な数を買ったようです。
FTXが保有しているSHDWのうち、700万枚はまだFTXが生きていた時に流動性として貸与していた分だそうです。返ってくる事は決定しているとのこと。それ以外はNFTのMint時にFTXが買ったものだそうなので、売られる可能性があります。
FTX Cold #2 に行ってるのは322万程度で、他はDEX(Orca, Raydium, Atrix あたり)に行ってるっぽいですね。なので、実質900〜1000万ってとこでしょうか。
今のフェーズは?
D.A.G.G.E.R.のテストネットが稼働して、Tx送りまくれるテストツールとTxエクスプローラーが23.10月に公開されました。
そしてD.A.G.G.E.R.に参加するためのバイナリが23.11/10に配布されました。
それ以外はロードマップを確認してください。
BUIDLの最中なので、開発チームはマーケティングを一切しておらず、トークン価格もあまり気にしていないようです「マーケティングは然るべきフェーズでするつもり」だそうで。ちなみに22年はブレイクポイントのスポンサーだったのですが、23年は何もせずでした(開発者は一人参加していた模様ですが登壇等はなし)
2023.1/4追記
SSCv2とか言ってなかった?
言ってました。止まってます。まぁ遊び程度だと言ってたし、D.A.G.G.E.R.の開発に専念してもらう方がみんな幸せになると思われます。
ネットワークに参加するには?
将来的に3つの参加方法がありそうです。
WieldNode
今発表されているノードです。ファイルを保存したりネットワークへのIOをDAGに記録したりするD.A.G.G.E.R.の中核にあたる役割を持ちます。
Wieldノードでテストネットに参加するには
・CPU16core
・RAM32GB
・SSD250GB
程度のスペックが推奨されており、レンタルだとcontaboで45USD〜月程度かかりそうです。ちなみに同程度のスペックは10万〜程度で自作できそう。メインネットで運用する場合どの程度のステークが必要になるのかは未発表です。
MetadataNode
詳細は未発表ですが、ユーザーからのデータを分割し、WieldNodeに渡す役割を持ちます。全てのファイルアップロードがここを通るため、高負荷が予想されます。
AuditorNode
モバイル端末で参加できるデータ検証用ノードです。WieldNodeに保存されているデータ(シェード)が適切か否かを検証する役割です。
報酬や参加手順などは順次公開されていくと思われます。が、一番手軽に参加できるようになるのではないでしょうか。
今のところSAGA Phoneに最初にアプリを出し、その後androidやiOS版も出す予定だそうです。
ちなみに、WieldNodeで参加できるテストネットは現在完全にボランティアで、インセンティブの話は出ていません。ので、報酬を期待してテストネットに参加するのは微妙かもしれませんが、ノードを建てるとDiscordのオペレーターロールが貰えます。インセンティブ付きテストネットが始まります。
ネットワークに参加したらどのくらい儲かりそう?
ほぼ無根拠の個人勝手予想なので当然NFAなんですが、以前ファウンダーのFrankは
800USD/月使って2000USD/月稼げたら、それは価値がある
オペレーターが1500人を超えたら私は大喜びするだろう
16,900人のShdwオペレーターがいるって事は1億USD/年の売上を上げているということ
とか言ってたので、WieldNodeについてはその辺の価格帯を狙ってるんでしょうか。いい感じに価格が合うと良いですね。
尚、報酬対象があるのは
WieldNode(PCで参加)
ストレージ報酬(おそらくSSDサイズに合わせて可変?)
+Emission報酬AuditorNode(スマホで参加)
検証報酬(ステークするSHDW次第で、おそらく検証回数によって可変?)
+Emission報酬
になりそうです。
EmissionPoolにはFTXに貸している700万含め1000万SHDWがあり、ここからEmission報酬を出すようですが、報酬は2年に1回半減期のアルゴリズムがあるとのことです。仮想通貨してますね。なお、スラッシングで徴収されるSHDWはEmissionPoolに回るようです。
スラッシング!?なにそれこわい。
怖いですね。でもデータを預かるってそうゆうことですよね。
「WieldNodeでレスポンスが遅い」とか、監査に「保有データが間違っている」とネットワークにチクられて合意されたら、WieldNodeにステークしているSHDWの5%をスラッシングで取られてしまいます。
ノードを落とさずに運用できる事が重要になりそうなので、WieldNodeを運用する人は気合が要りそうですね。なお、AuditorNodeも性質上、適当な検証をするとステークしているSHDWをいくらか取られる事になるかもです。詳細はこれから発表されると思います。
CEXに上場しないの?
したければ市場でSHDWを買って勝手にどうぞ。というスタンスでやっていたところ、CoinExに上場しました。spotはこちら。
おそらく取引所が自力で市場で調達したんだと思われます。プロジェクトからCEXに上場手数料を払うつもりは一切ないそうです。硬派。
なお、CoinExは急激な価格変動時にはちょいちょいJUPと価格s..(中略)というか出金いけるんですかね?私は使ったこと無いので知りませんけど。
開発チームは技術面でCoinBaseとやりとりはあるみたいですがCB上場のアナウンスは今のところありません。はよ。はよ。はよーっ!
まとめ(いいところ
世間一般的に、データは増え続けており、ストレージ需要は毎年上昇傾向
「分散クラウド」というコンセプトは需要がありそう
実需に基づくユーティリティを利用してバイバック
ネットワーク参加のためにステークが必要
総発行量が決まっているデフレトークン
既存の他のプロダクトより優位な性能があり、時価総額的にも伸び代がある
スマホでネットワークに参加できるようになったら、小銭稼ぎ目的で一気に広がる可能性がある
CEXにはほぼ上場しておらず、現物を扱うなら市場からトークンを入手せざるを得ない
トークンは90%以上希釈済み。VCロック解除やチームによる投げ売りは無い
開発者が優秀で、ファウンダーも余計なリスクはちゃんと避けてる
インフラなのでweb3, web2全てが顧客対象となりうる
D.A.G.G.E.R.はブロックチェーンではなく、ノード参加者が増えるほど高速になる設計
懸念点
「分散クラウド」というコンセプトは面白いが実際の需要は未知数
違法、好ましくない利用、などの線引が未定
(例えば児童ポルノなどは排除するとの事だけど、世界が不安定になると倫理も不安定になるし、排除のアルゴリズムは詳細未発表)価格(必要ステーキング枚数、収益、販売単価など)の詳細がまだ未発表
仮想マシンでは参加できそうにない(当たり前ですが、awsより安い値段で売るなら、awsでノードを立てても赤字です)
約一ヶ月前、ShdwDriveを利用したフロントエンド製品(SDrive)を開発していたエンジニアをコミュニティからBANしたため、アンチがいる
FTX保持の1000万トークンの売り懸念
VCがいないのでホルダーは個人レベルのサポートしか出来ない
(大手のCEXには自然上場しかないけど果たして?)
さいごに
2023後半の仮想通貨の市場はとてもいい感じですね。solanaのエアドロも凄いことになりそうです。私皆儲祈ョ。
参考資料
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