まさかのインフルエンザ脳症
前回は、熱性けいれんを起こした当時1歳2ヶ月の子供が、救急搬送からの経過観察の為に一泊だけ入院をした話だった。
今回は、その後まもなく、子供がインフルエンザ脳症と診断され緊急入院になった時の話。
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インフルエンザによる熱性けいれんと診断され退院したのは月曜日。
自宅療養しながら、我が子はゆっくり回復に向かっているようだった。
だが、木曜日の夜、お風呂上がりに異変が起きた。
タオルで体を拭いてあげている時、一点を見つめたまま、呼びかけに全く応答しない我が子。時間としては、数十秒ほど。
熱性けいれんの時の様子に似ていたので、まさか!?と思い、すぐに熱を計った。でも、熱はなかった。
近くの内科がまだ空いている時間帯だったので、急いで受診した。
だが、そこの内科医は「ボーッとしてるように見えただけなんだよね?子供はそんなもんだよ。熱もないし、おかしく見えたのはお母さんの気のせいじゃないかな〜」と。
目の前に熱もなく元気そうな様子の子供がいたら、そう思われても仕方ない。私も心配しすぎた自分の思い過ごしかと気弱になって、そのまま帰宅。
今となって思うこと。小さな子供を育ててる全てのお母さんたちと共有したいこと。
いつも子供をみている母親だからこそわかることがある。
「母親の勘」を信じて行動することに間違いはない。
その後、断続的に子供の意識がはっきりしないことが何度も起きた。
朝イチで別の小児科を受診し、診察室でこれまでの経緯を説明していた時にも、また子供のけいれんが始まった。
すぐ大きな病院で脳波等の検査をしてもらうようにと紹介状もらい、急いで最寄りの大学病院へ向かった。
大病院ならではなのか、診察を待つこと1時間。
普段なら騒がしく動き回る子が、大人しく夫の腕の中に抱っこされていることが逆に怖く感じた。
ようやく問診を終え、精密検査をする前の準備処置として子供だけ別室に連れて行かれた。もちろん、親から引き離されて子供は大泣き。
でも、処置室へ行ってまもなく静かになったので、不思議に思っていた。
それからしばらくして、先生が戻ってきた。
静かになっていた理由がわかった。
再び処置室でけいれんを起こしていたからだ。
処置室に案内されると腕に点滴、口に酸素マスクをつけて眠る子供。
1歳児にはとても痛々しい光景だった。
我が子だから余計に・・・涙
すぐに緊急入院が必要なことなど、色々な説明があった。
薬で眠らされた子供はMRI、脳波の検査を次々と受けた。
検査の結果、インフルエンザ脳症だと確定した。
そして、ドラマみたいに「今日が山場です」と言われた。
つまり、これから24時間以内にけいれんが再発したら、命に関わるか、高い確率で後遺症が残るとのこと。
重症化を防ぐ為にインフルエンザの予防接種を受けさせていたのに、なんで?という思いが強かった。
でも逆に予防接種を受けていなければ、本当に命が危なかったのだ。
一刻も早く治療を開始することを勧められ、パルス療法で大量のステロイドを点滴投与することになった。
結果的に2週間ほどの入院となったが、幸いにして、入院中けいれんの再発はなかった。
その後、経過観察として3年近く、3ヶ月〜半年おきに通院した。
脳の萎縮が進行していないか確認する為の検査入院が何度もあった。
でも、うちの子の場合、本当にラッキーだったのだろう。
後遺症として、知的な発達の遅れなども心配されたが、今に至るまで全くごく普通に成長し、生活することができている。
3歳くらいまで限定的な単語しか話せなかったから、もしかして後遺症??と心配しすぎて発達検査を受けさせたこともあったけど、4歳を過ぎた今ではもう日本語ペラペラ(?!)うるさいくらい。笑
当たり前に思っている日常が脅かされて初めて気づく日常という有り難み。
持病があっても「健康」に生きられることに感謝し、日々の小さな幸せを見つけながら人生を歩んでいきたいと改めて思う。
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あとがき
待ちに待った子供の退院日。ようやく帰宅できたとホッとしたのもの束の間。その晩、子供が激しく嘔吐・下痢をした。
まだインフルエンザ感染の何かを引きずっているのかと不安に思った。
しかし、その翌日、夫にも嘔吐・下痢症状が出てきた。
後を追うようにして私も同じ症状が・・・。
どうやら胃腸風邪に感染したようだ。
その週は一家全滅。
子供の長期入院に付き添って体力落ちていたこともあったのか、先にも後にもないと思えるくらいなかなか辛い胃腸風邪だった。
インフルエンザや胃腸風邪が流行るこの時期になると、いつもその時のことを思い出す懐かしい思い出・・・笑