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「中心ずらし」系スクリプトの比較【AviUtl】

中心座標をずらす


AviUtlにおいて、オブジェクトの中心座標を変える「中心ずらし」系のスクリプトは複数存在します。
まずは名前のみ列挙してみます。

  • 中心ずらし

  • 中心ずらしPlus

  • coord

  • 上下左右揃え

  • 回転中心

また、このような機能を持つ要素はスクリプト以外にもあります。

  • 拡張描画の「中心X~Z」

  • 上下左右揃え(.eef)

  • 回転中心(.eef)

「.eef」とは「拡張編集フィルタプラグイン」のことで、
「色調補正」や「ぼかし」などのようなフィルタ効果をスクリプトのように外部から追加できるというもの。

フィルタ効果欄に追加できる「拡張編集フィルタプラグイン」。

また、拡張編集フィルタプラグインを導入するにはpatch.aulのr43_ss_58以降のバージョンが必要になります。


このように、「中心座標をずらす」という目的は同じでも多くの選択肢があります。
私の中での結論を言うと、それぞれに固有の需要があるため「これを使おう」と言い切ることはできません。

では、結局どれを使うのがいいのか? という疑問についてこの記事ではそれぞれを比較してみることにします。

比較

最初に挙げた計8つの中から、.eefなどを除く5つを抜粋して比較していきます。

  1. 拡張描画「中心X~Z」

  2. 中心ずらし

  3. 中心ずらしPlus

  4. coord

  5. 上下左右揃え


1. 拡張描画「中心X~Z」

これはAviUtlに標準で備わっている機能。
設定ダイアログの右上のボタンから「拡張描画」を選択すると出てくるやつです。

XYZの3つの項目がある。

【長所】
 ・スクリプトが不要
 ・視覚的に分かりやすい
【短所】
 
・設定ダイアログが大きくなり邪魔
 ・オブジェクトが動く

中心座標の位置に「+」のマークがあるため、どこが中心なのか一目で分かります。この特徴は他のスクリプト等にはありません。

デメリットについてはかなり個人差があるでしょう。
上の動画のように、画面上で「中心点」ではなく「オブジェクト」が動きます。
オブジェクトの位置を動かしたくない場合は面倒です。




2. 中心ずらし

「中心ずらし」はかなり有名なスクリプトだと思います。

【長所】
 
・オブジェクトは動かない
【短所】
 ・中心座標の位置が分かりにくい
 
・「中心ずらしPlus」の下位互換

オブジェクトではなく中心点のほうが動いてくれるのが魅力的です。
ただ、マークなどがないため見ただけでは中心座標の位置が分かりません。

ちなみに序盤で挙がった「回転中心」というスクリプトとできることは基本同じです。


3. 中心ずらしPlus

結論から言うと「中心ずらし」の上位互換です。(主観)

【長所】
 
・「位置補正」により、中心点とオブジェクトのどちらが動くかを指定できる
【短所】
 ・中心座標の位置が分かりにくい

個人的に「位置補正」の機能が神ですね。
このような機能は中心ずらしPlusの他には「coord」だけなので需要が高いです。

完全上位互換と言えるはずであるため、「中心ずらし」スクリプトの需要は断たれます。
(シンプルで使いやすいと感じる場合は中心ずらしのほうが人によってはいいかもしれません。)


4. coord

個人的に1番好きなやつ。
中心座標を「端に寄せる」
という目的があり、中心ずらし等と差別化されています。

【長所】
 
・設定がシンプルで使いやすい
 ・「オブジェクト移動」の項目がある (位置補正と同じ機能)
【短所】
 
・中心点は特定の9か所以外には移動できず、汎用性は低い

中心ずらし系統をよく使う人は中心座標を端に寄せたいケースが多いのではないでしょうか? 私はそうです。
これまで紹介したものだと「端」の位置へ調整しないといけませんがcoordでは一発です。

ただ、「端に寄せる」だけなので中心座標を細かく調整したいときは他のスクリプトを使うことになります。


5. 上下左右揃え

目的はcoordとほぼ同じで、coordより自由度が高いです。

【長所】
 
・中心点をかんたんに端へ寄せられる
【短所】
 
・「位置補正」と同等の機能がない

上下左右揃えはcoordとかなり似ています。が、人によって好みは分かれるでしょう。

coordより自由度は高い」が、「位置補正の機能がない」。
つまり「自由度」と「位置補正」の両方を求める人にとっては、複数のスクリプトを場合によって使い分ける必要があるのです。

この記事で最も主張したい点はここにあります。



.eefについて

序盤に説明した.eef(拡張編集フィルタプラグイン) についてです。

中心ずらし系のeefは
・上下左右揃え
・回転中心

の2つ。

上下左右揃え(.eef)」は、先ほど5つ目に紹介したものと同じです。
(Xずれ/Yずれの項目はない)
回転中心(.eef)」は、1つ目に紹介した「拡張描画の『中心X~Z』」と同じ機能です。

「同じ機能が複数あって意味あるの?」
と思うかもしれません。
.eefに関しては、アニメーション効果の一覧からスクリプトを呼び出すのが面倒な人にとってのメリットがあると思っていて、例えば2種ある「上下左右揃え」の場合はその点での好みで選ぶことができます。

先ほど比較した「機能面」だけでなく、eefとの間で「利便性/快適さ」にも違いがあるのです。
選択肢が多い反面、やはり「ややこしい」「どれを使えばいいか分からない」というのは否めない。そう私は思います。


結論

何が言いたいのかをまとめます。

つまり長所のみを集めたものがほしいです。あればいいなとただ思っています。

同じ中心座標をずらすという目的でも、たくさんある選択肢から場合によってどれを使うかを選ぶというのは、
私はほぼcoordしか使わないのでいいですが、客観的に考えると少し効率が悪くややこしい状態な気がしませんか。

現存するスクリプト等はこのままでいいと思いますが、それとは別にそれらの長所を集約した.eefが製作されればこの問題はきれいに解決するかなと考えています。
スクリプトやプラグインを作れない立場で勝手なことを言っていますが。

機能をすべて詰め込んでも新規ユーザーにとっては逆に分かりにくい、というのなら多い選択肢の中から別のスクリプトを選べば問題ないでしょう。




以上です。
後半は私の持論を吐くだけのようになりましたが、今回は「中心ずらし」系スクリプトの比較をしてみました。いかがでしたでしょうか。

唐突に宣伝を挟みますが、本記事の内容は私が運営する「AviUtl知識共有」というDiscordサーバーにて発足しました。
こちらではAviUtlに関するあらゆる話題や、なんでも質問できる環境などがありますので気になった方はどなたでもご利用いただけると嬉しいです。
https://discord.gg/9ByUm29Pw9

最後まで読んでいただきありがとうございました!



各スクリプトのDL先


中心ずらし
https://ux.getuploader.com/Jin7/download/147/centerz.zip

・中心ずらしPlus@anm-P (DLサイトの「anm-P」の部分)
https://purinka.work/download/download_script.html

coord
https://onedrive.live.com/?id=8773C096D20D5190!107&cid=8773C096D20D5190&parId=root&parQt=sharedby&parCid=92DF9E3279E70608&o=OneUp

上下左右揃え@単純変形σ
https://github.com/sigma-axis/sigma_aviutl_scripts/releases


上下左右揃え / 回転中心(.eef)
https://github.com/sigma-axis/aviutl_rot_center/releases/tag/v1.02


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