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【ゴジラが襲来する街】北品川の絶品醤油ラーメンを食す

僕は2016年に上映された映画「シン・ゴジラ」が好きでAmazon Prime Videoで何度も観た。劇中、大田区・蒲田駅付近から地を這って北上するゴジラ(ネットでは第二形態や蒲田くんと呼ばれる姿)は北品川で咆吼して第三形態(二足歩行になり巨大化)に進化。そのまま尻尾の一振りで京急線・北品川駅を停車していた京急800形車両もろとも破壊した。

そんなシン・ゴジラであるが、1954年上映の初代「ゴジラ」へのリスペクトで多くの設定、シーンを踏襲したりオマージュしている。その中の一つは品川へのゴジラ上陸だろう。(正確にはシン・ゴジラの本土上陸は大田区・呑川近辺だが北品川で第三形態への進化、印象的な破壊シーンがあるので上陸と同等の扱いとさせていただく)
毎度のことながらAmazon Prime Videoで試しに初代ゴジラを観てみると、たしかに北品川付近に上陸し、京急本線の八ツ山橋跨線橋を破壊している。八ツ山橋跨線橋は北品川駅の目と鼻の先なのでゴジラ、シン・ゴジラ共にまったく同じ場所にいたということになる。これに関して「ゴジラはなぜ品川に上陸するのかー主として江戸時代の資料によって品川の境界性を論ず」という論文を見つけた。

ゴジラが品川に現れる必要性を簡単にまとめると、品川の東京編入が明治の東京成立よりもはるか後の昭和7年(1932年)であったこと、品川が江戸時代より陸海の東京への入り口であったことから、品川突破=首都侵入との認識を戦後間もない日本人が持っていたからではないかと推測されている。以前ラーメン二郎品川店の投稿でも記した通り、品川宿は東海道五十三次にて日本橋を出た最初の宿場であることからも品川が江戸に至る最後の関門だったことは窺い知れる。

ちなみに品川が海における東京の玄関口だった理由は、江戸湾(東京湾)は品川沖より以北については水深が浅く、大きな船は品川沖に停泊していたからだそう。品川沖以北は水深が浅い=ゴジラの姿が水中に隠れるのが品川沖までなので初代ゴジラは品川で姿を現したともされる。現在でも品川区に残る地名「天王洲」や「鮫洲」の「洲」は浅瀬を意味する。

話をシン・ゴジラに戻すと、北品川駅を粉砕したゴジラの一撃により停車していた京急800形の赤い車両も吹き飛び、隣接する第一京浜(国道15号線)に落下して北品川歩道橋の下を火花を散らせて滑ってゆく。そのシーンの画面奥に見えるシェルのガソリンスタンドの脇道をJRの線路方面に進み、十字路を右折した小路の突き当たり左手にある建物の2階にあるのが中華そば和渦TOKYOである。

実は以前大井町にあった中華そば和渦が2019年4月に移転したお店だそう。つまりシン・ゴジラ上映時は北品川になかったので中華そば和渦TOKYOさんは被害を免れたわけだ。大井町に元々あった店舗は一昨年に一度だけ行ったことがある。北品川の店舗は初めてなので事前に口コミを見ると評価が高くいつも混んでいるらしいが、コロナウイルスの影響で週末の外出自粛令が出た金曜日の夜ということもあり来客はまばら。ウェイティング無しで即入店。

着丼した醤油そばは綺麗な琥珀色。鶏の出汁が食欲を掻き立てる。スープ、麺、メンマ 、チャーシュー、そしてネギと全てにおいてこだわり抜いた職人の味。最近流行っている清楚形あっさり醤油ラーメンのお手本のような存在だ。北品川駅を出てすぐ、品川駅からも徒歩圏内とアクセスも良好なので、シン・ゴジラゆかりの地を巡るついでに是非訪れてみてはいかがだろうか。


参考文献
橋本章彦「ゴジラはなぜ品川に上陸するのかー主として江戸時代の資料によって品川の境界性を論ず」京都精華大学

中華そば和渦TOKYO
東京都品川区北品川3-2-1
MTM STUDIO 2F
京急本線北品川駅 徒歩1分
月~金 11:00~14:30,18:00~21:00
土・祝 11:00~14:30
日曜定休日

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