見出し画像

証券取引所とは?種類と企業の上場についてわかりやすく解説

経済ニュースなので東京証券取引所、ニューヨーク証券取引所などの言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

これらの「証券取引所」とは何を行う場所なのでしょうか。この記事では証券取引所の役割と日本の証券取引所について解説します。

証券取引所とは

証券取引所とはその名の通り証券、つまり株を取引する場所です。金融商品取引法に基づいて運営され、投資家たちは証券会社を通じて、証券取引所で証券の取引を行います。

証券取引所は投資家が安心して取引でき、また企業が安定した資金調達ができるように、

・証券会社からの注文の監視
・売買が適正に行われているかどうかのチェック
・企業の上場に関する審査

などを行っています。

2020年、日本には株式会社が218万社程度あります。しかし、株式会社の株式すべてが証券取引所で売買されているわけではありません。証券取引所で株式を取引できるのは。そのうち市場に株式を上場している企業だけです。

株式を上場するには、それぞれの証券取引所で決められた審査基準をクリアする必要があります。現在、東京証券取引所に株式を上場しているのは、約3,700社です。

証券取引所はいくつあるのか

日本の経済ニュースで一番よく聞くのは東京証券取引所(東証)ではないでしょうか。

その他にJASDAQ(ジャスダック)マザーズという名前も聞くことが多いと思いますが、実はこれらも東京証券取引所が運営する株式市場です。

証券取引所には他にも、名古屋証券取引所(名証)、福岡証券取引所(福証)、札幌証券取引所(札証)の計4つの証券取引所があります。

大阪はないのかな?と思いそうですが、大阪証券取引所は2011年に東京証券取引所と経営統合し、株式会社日本取引所グループとなりました。

またニュースで聞く世界の主な証券取引所としては、ニューヨーク証券取引所、ナスダック(ニューヨーク)、ロンドン証券取引所、フランクフルト証券取引所、ユーロネクストなどがあります。

証券取引所には種類がある

一般市場(本則市場)

各証券取引所にあるメインの市場です。東京証券取引所と名古屋証券取引所は、市場が一部、二部の2つに分かれており、主に一部には大企業、二部にはそれより規模の小さい中小企業が上場しています。

一般的に企業は最初に二部に上場して、その後一部への上場を目指すケースが多いです。

新興市場

本則市場に対して、新興市場は上場の審査基準が緩和されている市場です。
そのため、起業してから間もなく歴史は浅いが急成長している企業なども上場が可能です。

新興市場では株価の変動が本則市場より大きくなりやすく、株価が10倍以上に上がる「テンバガー」と呼ばれる株式も誕生しています。このように短期間で急激な株価の高騰も期待できますが、反面、安定性には欠けます。

主にベンチャー企業や新興企業が上場しており、東証のジャスダックやマザーズが有名です。

私設取引所

取引所で取引できる時間は限られますが、それ以外の時間に株式を取引できる私設取引所もあります。

証券会社が開いている取引所であり、夜間など、証券取引所が閉まってしまう時間帯にも取引が可能です。

上場審査基準とは

このように証券取引を行うためにはさまざまな市場がありますが、それぞれ何が違うかというと上場するための審査基準が違います。

上場のためにはそれぞれの市場における審査基準をクリアして、取引所から承認を受ける必要があります。

例えば東京証券取引所の本則市場の場合

・上場株式数は400万株以上
・時価総額20億円以上
・事業継続年数が3年以上
・連結純資産額は10億円以上

などの規定をクリアする必要があります。

企業は市場からの直接資金調達が可能に

企業はこれらの条件をクリアして上場を果たすことで、株式を発行して市場から直接資金を調達することができます。

また証券取引所の基準をクリアして上場を果たすということで、

・企業の信用度や知名度が向上
・銀行から融資を受けるなど資金調達しやすくなる
・人材の確保や営業活動に良い影響がある
・など幅広いメリットがあります。


ただし株式を発行するということは企業の経営権を分割して販売することなので、投資家への情報開示や業績や経営状態への外部の発言権が強くなるというデメリットもあります。

証券取引所の役割を理解しておこう

このように証券取引所は、投資家にとって安全な取引の場所を提供し、企業にとっては直接資金調達の方法を提供しています。

また証券取引所で行われる取引によって、株価が上下すると、日本や世界の景気にも大きな影響を与えます。

証券取引所の役割を理解することは、経済や株価の動きなどについて理解を深めることにつながります。ビジネスパーソンとして、経済ニュースで報じられる内容にも意識を向けていきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?