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留年をしたあなたへ① 就活編


はじめに


 2留と聞いてどんなイメージを抱きますか?5年前、日本武道館で行われた入学式に期待を胸に臨んでいた当時の私なら、そんな大学生に軽蔑の目を向けていたでしょう。しかし、私は現在、大学6年生という世間でも非常に珍しく、情けない立場にいます。そんな私の就活について、簡単に紹介します。誰もが一度は名前を聞いたことのある企業からベンチャー企業まで、幅広く選考を受けた私が、多留就活のリアルを語ります。   
 そして留年したあなたへ。今この文章を読んでいるあなたも、もしかしたら同じような立場にいるかもしれません。しかし、留年は終わりではなく、新たな挑戦の始まりです。私の経験を交えながら、留年した人が就活にどう挑むべきか、その道筋を示したいと思います。

自己紹介


年齢 24
学歴 MARCH
ガクチカ サークル アルバイト 中高のサッカー部
志望業界 保険 証券
志望職種 営業職
留年理由 怠惰による単位不足

自分で書いてみて思ったのですが、留年以外は世の中にごまんと存在する平凡な大学生ですね。大学で手に入れた(と思い込んでいた)自由を謳歌し、何も努力を積み重ねなかった、いわゆるフツーの大学生です。就活で少しだけアドバンテージとなり得る現役でのMARCH入学という経歴も、留年で大きく汚れてしまいました。

多留就活のリアル 

 まず最初に断っておきますが、これは完全に私の経験則に基づきます。留年と一口に言っても、学歴も経験も能力も人それぞれ異なりますので、参考程度にしてください。それを前提に、結論から申し上げます。
 留年生の就活に奇跡もなければ、大逆転もない。しかし、挑戦は絶対にやめるな。
 留年生、特に多留の学生が最大手やそれに近いトップ企業の内定を獲得することは非常に難しいでしょう。面接官に詰められます。ESは通過しません。淡々と落ちます。私自身、業界の巨大大手企業からは内定を頂いておりません。考えてみると当たり前ですが、丸ノ内の巨大なビルにオフィスを構える企業の人事担当者は、怠惰な学生に目を向けるほど暇ではないのです。留年なんて無縁で能力の高い学生達が御社への熱い想いを連日叫ぶんですから。ただ、私も何人か、多留MARCH、早慶を経てトップ企業への内定を勝ち取った事例を耳にしたことがありますので、能力や適性次第では不可能ではないはずです。
 よって、厳しい現実を痛いほど理解しながらも、自分の心に後悔がないように挑むことが大切です。私は大学のキャリアセンターのメンターから「無理だから、エントリーするな。他の企業に時間を割きなさい。」と口酸っぱく言われました。しかし、挑戦しない就活では、勝ち取れるものも勝ち取れなくなってしまうと考え、行きたい企業を軸にエントリーしました。そして、様々な企業からお祈りメールを頂く中で、メンタルや会話力が自然と就活用にアジャストされていく実感がありました。(鍛えられたとは違う)志望度の高い企業に落ちることや、面接官の詰めに対しても動じない鈍感さが身についていきました。結果的にメンターの受からないという発言は正しかったのですが、落ちる経験も決して無駄にはならないのです。
 現実を客観視しながら、それでも自分の挑戦に妥協しない—「意志を強く持ち、過度に楽観視せず」という姿勢が大切です。もっと詳細なアドバイスはまた後ほど。

戦績

続いてそんな私の就活戦績をご紹介します。

🌸内定🌸
某準大手証券会社①
某準大手証券会社②
某中堅証券会社
某先物取引系証券会社
某IFA系ベンチャー企業

企業名は伏せさせてください。ただ証券業界志望の方はだいたい察しがつくかもしれません。

😢不合格😢
⑴面談落ち

四大生命保険①
四大生命保険②
四大生命保険③

多くの生命保険会社は面談、OB訪問という名で面接を行います。そして急に連絡が途絶えます。恐怖。某業界No. 1生保に関しては先輩に時間をいただいて、入念に準備をしていたつもりだったのでかなりショックでした。

⑵面接落ち

某銀行系五大証券🟥 一次面接
某銀行系五大証券🟩 二次面接
某ハウスメーカー 二次面接
某アセットマネジメント/IFA 三次面接
某コンサルティングファーム 一次面接

🟥と🟩に関しては留年について徹底的に深ぼられました。落ちた当時は落ち込みましたが、二留学生の話を直接聞いてくださる機会を設けて下さっただけでもありがたいですね。某ハウスメーカーでは志望動機の際に浦和レッズ愛を語るという大失態を犯しました。これからは2013年以前のユニフォームを着用し、愛するレッズを応援しようと思います。1番ひどかったのはコンサルです。事前準備なしで就活の軸などについて聞かれ、まさしくケチョンケチョンでした。zoomに写っていた他の学生もコイツ何しにきたん?という表情をうかべていました。

⑶ES落ち

某ガリバー系五大證券
某2番手独立系五大証券
某銀行系五大証券🟦
某IT系メガベンチャー
某人材系ネットマーケティング企業

説明不要の証券業界の絶対王者と二番手。銀行系証券より独立大手は採用枠が多いからワンチャンあるかも…?という淡い期待を込めた渾身のエントリーシートは、おそらく即シュレッダー行きだったのでしょう。その他の企業もサラッと書類で落ちました。

多留(留年)就活のアドバイス

MARCH文系二留が就活中にやってよかったこと、あるいはした方が良かったと考えたことです。

①留年はするな。

 留年をした身として、やはり留年は避けるべきです。もし留年しそうな人は、全力で勉強しましょう。留年の中にも就活危険度ランキングがあります。
まず、1度の留年で残り単位数が少ない場合は、あまり、ディスアドバンテージがないかもしれません。そこに留年からの挽回行動があれば、むしろプラス評価にできます。
 しかし、私の経験から言うと、1度の留年でも残り単位数が多い場合や、多留には大きなリスクを伴います。ESと面接の通過率に明らかな差が生まれます。これ以上の留年は、絶対に回避しましょう。
 その一方で、現役入学の方なら、就職留年を考えるのも一つの選択肢かもしれません。特に、残りの単位数が多い場合、就職留年をすることで、むしろ良い結果を得られることもあります。大学の友人で、現役就活で内定を得られなかった後に就職留年し、大手生命保険会社に内定した方がいました。

②留年した瞬間に将来への投資、勉強を始める。

 残念ながら留年が決まってしまった方へ。辛いですよね。しかし、すぐに切り替えて、1秒でも早く将来への投資や勉強、就活に有利になりそうなことを始めましょう。大手企業は必ずあなたの留年について質問します。留年の反省点とそこからの学びについて語る時に、あなたならではの取り組みを披露することで、その話の説得力が格段に増します。
私は、特に資格もスキルも無く就活に挑んでしまったのでこれをやっておいたらだいぶ変わっただろうなと考えています。

③留年理由とそこからの学び/反省はセットで話す。

 もう一度言いますが、留年理由は必ず質問されます。その回答として、「〇〇だからです。」だけでは少し足りません。面接では「結論ファーストで、ダラダラ話すな」とよく言われますが、留年理由の質問に関しては学びや反省、さらに②で述べた現在の取り組みまで語れるようにしましょう。
具体的には、「〇〇だからです。原因は××であると考え、現在は△△をしています。」くらいまで詳しく語ることが大切です。どちらにせよ、面接官は鋭い質問をしてくるので、深い反省の態度を示すことが重要です。

④エピソードを多少脚色する。

 特に多留の方は、自己PR、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)、留年理由のすべてを多少盛る必要があると考えます。ここで「盛る」とは、単に「売上を1.5倍にしました」とか「大会で優勝しました」といった結果を誇張することだけでなく、そのストーリー構成を完璧に仕上げることを意味します。その中にあなたの人間性が表れ、企業の求めるものとマッチすることに全神経を注ぐべきです。私は営業職を志望していたため、サッカー部での経験や、結果にコミットする姿勢を前面に押し出し、「私はグズじゃない、働けるんだ」と示すようにしました。また、留年理由についても「ただの怠惰」や「精神を病んでいた」と言ってはいけません。深掘りされた際には、「正直に言うと、将来への希望的観測がありました。私自身の慢心とだらしなさが招いた結果です。」と答えてもよいですが、他に熱中していたことや行っていたことがあるならば、それを先に述べる、あるいはセットで答えるのが良いでしょう。私は面接を何社も受けていた中で同じ事柄でも伝え方によって面接官の捉え方が全く異なると痛感しました。

⑤面接を怖がらない。

 あなたは留年したことについて、おそらく色々と質問されるでしょう。場合によっては、圧迫面接のように感じることを言われるかもしれません。不真面目な留年は全て自己責任であり、マイナスな影響があることは避けられません。しかし、それでも面接から逃げるという選択は絶対にしないでください。留年に関する質問はすぐに慣れます。逆に面接から逃げると、ますます面接が嫌になってしまうのではないでしょうか。
 私は、「もう二度と会わない面接官に何を言われたって構わない」というスタンスで臨んでいました。また、企業が学生を採用するコストとして、留年生と現役生に差があるわけではありません。あなたにキラリと光るものがあれば、面接官は必ずそれを見つけてくれるはずです。面接の上達のコツは蓄積された面接経験だけなんです。頑張りましょう。

まとめ

 いかがだったでしょうか。私は第一志望であった最大手と呼ばれる企業群への就活は悉く失敗しました。一方で、準大手、中堅、ベンチャー企業からはありがたく内定を頂きました。もちろん、私自身の素質や企業との相性など、複数の要因が考えられますが、二留が響いたということは、就活を進めていく中で痛感しました。あの時、もっと勉強していれば、授業に真剣に取り組んでいれば、サークル活動にのめり込まなければ…そんな傲慢な後悔は数えきれないほどしました。
 しかし、あなたが就活をするのなら、現実を受け入れ、手持ちのカードを有効に使い、挑んでいくしかないのです。私の場合、トップ企業に落ちまくったことで、業界理解や面接慣れをして、その結果、複数の内定を獲得できたとも言えます。少しばかり強引な見方ですが。ただ、今は内定を頂いた企業で必ず結果を出す、というモチベーションで大学生活の延長戦を過ごしています。
 ここまで偉そうに書いた私ですが、本当は決してあなたに上からアドバイスなんてできません。私も現状を変えたいと、もがいている最中なのですから。こんなグズな私ですが、友人や大学の同期達は非常に優秀で、有名企業で輝かしいキャリアを歩んでいる人たちが何人もいます。留年しなければ自分も今頃は…とついつい考えてしまいます。その思いがあるからこそ、現実を直視しつつも、未来を少しでも素敵にできるように挑戦しなければならないと考えています。確かに、留年生の就活は困難で、孤独で、何度も「お祈り」されるでしょう。その辛さが、私には痛いほど理解できます。それでも、自分自身の可能性を信じて、挑み続けてください。これを読んだあなたが、納得できる道を見つけられたのなら私はとても嬉しいです。
 私のつまらなく情けない留年が少しでもあなたの参考になれば幸いです。一緒に頑張りましょう。

次回は留年生のやるべきこと、心構えについてまとめようと思います。





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