<Vol.18>セラピストは施術中にコミュニケーションを取るべき?取らないべき?

もし今、これを読んでいるあなたがセラピストだとしたら「施術中のコミュニケーション」についてどう考えているでしょうか。

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先日、自宅近くのリラクゼーションサロンに行ってきました。

60分の施術中、会話はほぼゼロ

施術前に

「どこが疲れていますか?」
「左の腰回りですかね」
「わかりました」

のやり取りの後、声かけや確認すらも含めて何1つもありませんでした。

うーん。。これはどうなんだろう…と。

考えることが多々ありましたので、今回は「施術中のコミュニケーション」について書き留めてみたいと思います。


<誰も幸せになっていない>

*これはあくまで個人の主観のお話です。

この60分の施術を通した感想を一言で言うと、少し「寂しい」感情がありました。

最後までセラピストの方の名前はわからなかったですし(名乗られなかった&名札もなかった)、

今となっては顔もよく覚えていません(すぐにうつ伏せにさせられてしまったので)。

これはきっと相手側も同じだろうと思います。

おそらく僕の名前もわからなかったでしょうし、きっと顔すら覚えていないと思います(だから次に行っても同じような対応を取るでしょう)。

あのセラピストは僕を施術している間、どんなことを考えていたのでしょうか。

少なくとも、目の前に横たわっている僕のことは何も考えていなかったように思います。

60分の施術を行うことは「仕事における作業の1つ」であり、めんどくさいなとか早く終わればいいのになとか、ネガティブな感情も(少しは)抱いていたことでしょう。

そう考えてしまうと、なんとなく寂しく感じますし、また行こうと思うはずがありません。

こうしてまたあのセラピストはリピーターの芽を摘む結果となり、僕もまたサロン難民が続く結果となりました。

誰も幸せになっていません。


<コミュニケーションの本質>

*ここから先は一顧客の立場というより、セラピスト業界に携わる立場の人間として意見を言いたいです。

施術中のコミュニケーションを何のために行うか、ここを履き違えているセラピストが多い気がしています。

コミュニケーションの本質は「相手への興味・関心」です。

決して商品を売りつけることや、再来店を促すための営業行為ではありません。

・「決して安くはない金額と決して短くはない時間を投資してまで、どうしてこの人はうちのお店に来てくれたんだろう?」
・「この人が求めていることは何だろう?」
・「そして私にできることは何だろう?」

この思いが結果として、コミュニケーションを作り出します。

・「どこがお疲れですか」
・「何をしている時が一番つらいですか」
・「それが少しでもラクになるようにほぐしていきますね」
・「この辺りもだいぶ硬いですよ」
・「できたらまた継続的にほぐしに来てくださいね」

興味関心から生まれたコミュニケーションの先にある「また来てね」は、客側としては意外と嬉しいものです。

自分のことを受け入れてもらえた。

自分に合った施術をしてくれた。

今後体の疲れに困ったらこの人に身を委ねよう。

そう思うことができれば、そのお客様はもうそのお店のリピーターにならざるを得ません。

それはなぜか…?

お客様は高い金額を払ってまで「ハズレを引く可能性」を持ちたくないからです。

一度でもアタリのセラピストに出会うことができれば、わざわざハズレを引く可能性のある他店舗に浮気することなどありません。

だからこそ、人気セラピストは人気になり続け、そうでないセラピストはいつまでたっても集客に困り続ける…という現実があります。


<何をすべきか>

それがわかれば、何をすればいいかが見えてくると思います。

大切なのは「目の前のお客様への興味・関心」です。

特に

「どうしてつらいのか」「何をしている時がつらいのか」

という「来店動機のヒアリング」と、

「どんなケアをすればその悩みが解消できるのか」

という「解決策の提示」ができれば、リピーターはついてきます。

これらは全て施術中のコミュニケーションを通じて得られるものです。

施術スキルが一定のレベルを超えたら、その先にあるのは「コミュニケーション力(人間としての魅力)」での勝負です。

ぜひコミュニケーションスキルに磨きをかけていきましょう。

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セラピスト特化型の人気コラムです。普段セラピストを教育する立場にある筆者が、セラピストとして大切なことをギュギュッとまとめてお届けします。

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