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272/365 2010年『私をはなさないで』 そもそも置かれた状況に疑問を抱けない。 マーク・ロマネク監督

舞台は1978年から1994年のイギリス。

ある時、自分たちが臓器提供のために育てられていた事を知る。

逃れられない運命に縛られ、定められた生をなぞっていく、自分たちの生が100%「誰かのため」であり、臓器提供後は死ぬだけだと知った若者たちの青春を描いた物語。

この映画の良さは「余白」が多いし、生まれた定が違いすぎて共感は出来ないけど、理解できないもどかしさからくる涙といい複雑な気持ちになるところ。

そうすると、共感と感動はイコールじゃないなと思うし、リテラシーの高さだけでは理解出来ない映画って人種差別もそうだけど、置かれた状況に疑問を抱けないことが前提にあるなと。

人種差別だけでなく普通に日本で生きていても同じ事と思う。

根上の人に抗えないことが原因の一つだと思うし、答えを提示される事によって能動的に問題解決する能力が低下するからこそ、共感出来ない作品に触れる事が大切だと思った。

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