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パニック障害Ⅳ救急病院へ

症状が出始めてから約半年。
コロナの影響で減少していた仕事が、自身の体調の変化と重なったことで一切の仕事も出来なくなった。
当然収入は無くなり、僅かな貯蓄を崩しながらの生活をしていた。
症状による精神的不安とは別の不安も抱えながらの毎日に心が崩壊してしまいそうだった。


生理による貧血でめまいと吐き気がひどく、
部屋で1人、何も口にすること無くただ症状が治まるのを耐えていた。
“このまま倒れて意識が無くなったらどうしよう”
“もし死ぬようなことになったら自宅が大変なことになる”
そんな事が脳裏に浮かんだ瞬間、激しい恐怖感に襲われた。
意識を逸らす為に、何かをしようと思うけれど身体が動かない。
やばい、怖い、ダメかも知れない。

“今日、仕事何時に終わる?”
“病院連れてってくれないかな”
独身の友人にLINEした。
『ちょうど今から帰るところだから向かうよ』
『30分くらいで行けるから』
“お願いだから、このまま電話繋げててくれる?”
“不安が強いの、怖いから、このままにしてて”
会話は無いけれど、電話が繋がってる安心感で意識を保とうとした。

時間は夜9時くらいだったと思う。
時間外診療可能な二次救急の病院に行くことにした。
着替えることも出来ずに家着のまま、経血の量が多くナプキンでは漏れてしまう可能性を考えておむつをして、髪はボサボサのまま友人を待った。
高速を飛ばして20分程で来てくれた友人の顔を見た瞬間、緊張がほぐれて泣けて来た。
病院まで10分程の距離。
“あと少し我慢すれば今より楽になれるはず“
そう思って助手席に座って呼吸を整えていたけれど、途中で急激にパニック発作が出て恐怖感を抑えられなくなった。
“大丈夫って言って”
“手繋いでて”
『もう着くから大丈夫だよ』
“怖い、怖い、怖い”
『大丈夫、大丈夫』

駐車場から50m程の距離を2~3歩進んでは止まり、恐怖感と立ちくらみと息苦しさと戦いながら数分掛けて時間外窓口に辿り着いた。
診察を担当したのは研修医1人だった。
症状と最近の身体の具合をか細い声で伝えた。

“立ちくらみがあるなら脳のCT検査をした方がいいと思います“
え?
貧血だと思うんですけど脳のCT?
しかもいきなり?
うそでしょ。
『あの、血液検査とか点滴とかの処置はしてくれないんですか?』
“そうですね、、、まずはCTを、、、”
何故CTを撮るかの説明もなく、身体の具合を診ることもなく、目を合わせて話すこともしない研修医に呆れて絶句した。
『CT検査はしないです、せめて血圧だけでも測定して下さい』
“はい、わかりました”
と、言ってデスクに置いてある血圧計を私の腕に装着しようとすると、どこかのパーツが外れて床に転がり、それを友人が拾い上げ渡すと、震える手で私の腕に巻こうとした。
その行為を見た瞬間、無駄な時間とストレスを感じ、診察を拒否することを決めた。
この医師に自分を預ける勇気は無い。

窓口で5000円程の料金を支払い病院を出た。
付き添ってくれた友人が“あんな診察はあり得ない”と、別の救急に連れて行くと言ってくれたけれど、疲労と精神力の限界で諦めることにした。
病院を、医師を、責めはしないけれど、当たり外れは必ずある。
高い勉強代を支払うことになったけど、
病院のレベルが知れて良かったと思ってる。


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