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チバユウスケの声
時差投稿
私は、2023年にもなって、28歳にもなって、早くミッシェルガンエレファントになりたいよ〜とジタバタしていた。そんな時に、チバが死んだ。
ミッシェル・ガン・エレファントの世界の終わりは、私がここ4年間で一番聴いた曲だ。就職して、出勤するようになった時にこの曲がなくては耐えられなかった。目を閉じて、「世界の終わりはそこで待ってるよ」というフレーズを一度染み込ませないと仕事ができなかった。就職したての頃、本当に本当に孤独感が強く、辛くて、毎日それがなきゃうまく自分を保つことができなかった。
(そして、私が仕事中に紅茶を飲んでいるのは「待ち焦がれている」を意識したおまじないが習慣化したもの。)
数年前の冬、恋人と別れて痛々しい気持ちで過ごしていた頃、ベタなチョイスだが、ROSSOのシャロンを毎日聴いていた。苦手な寒さを物語にしたかった。高校生の頃、心療内科を卒業した帰り道に自転車を漕ぎながら「なぜか今日は」を聴いた。
ざらざらしたあの声をイヤホンから聴くことは、私だけの特別な世界を持つことだった。
「苦しみに酔う」ことを可能にした。
……「苦しみに酔う」ことって、恥ずかしいし、つらつらとこんなところで語るのもクサいとも思う。
それでも、私はあの声が私をそんな風に仕立てたことがとても嬉しい。肯定されてるような、誇りに思うような、なんだかそんな気持ちになる。
チバは死んだ。
けれど、チバユウスケの声はずっと私に作用してくれるんだろう。