映画『追想ジャーニー リエナクト』感想
「よーい、スタート!」
このひと声で、彼の追想の物語が幕を切って落とす。人生を旅になぞらえた、誰の心にも思い当たることがあるような作品でした。
どうもこんにちは、さがみです。
この度は映画『追想ジャーニーリエナクト』、公開おめでとうございます㊗️8月の完成披露上映会で作品を観た日から、公開されるのを楽しみにしていました🎬それではさっそく感想に……よーい、スタート❗️
⚠️長い
⚠️ネタバレしかないです
□1作目の感想
凌さん主演の今作「追想ジャーニーリエナクト」は2作目に位置づけられる作品らしく、1作目は藤原大祐くん主演のものです。先日の無料配信期間を逃してしまったのでU-NEXTに加入して拝見しました。さがみさんは普段全然ドラマを観ないので、大祐くんはハンサムぶりか⁉️と思ったんですが、青春cm²観てました。初々しく鋭くお芝居してる印象だったのですが、鋭いのはそのままに器用にお芝居しててすっかり大きくなって…👈誰?
そんな懐古厨は置いておくとして、1作目もめちゃくちゃ泣きました…。2作目のリエナクトよりも退行睡眠の概要が掴めます。それはそう。
物語の中盤まで現在の文也が正体を明かさないので、途中までは過去の文也の人生に軌道修正をかけていく展開かと思っていました。正体を明かしてからは、過去の文也の心持ちを改める側面もありつつ、現在の文也が今後の自分の人生と向き合うための物語でもあるなぁと感じました。
多感な10代である過去の文也は母親が日々つまらなさそうなことをなんとなく感じ取っていたり、ひとりの親である現在の文也は離れて暮らしていた娘を前にして何も言えなかったり。過去の文也と現在の文也の会話の節々には、年齢による感性の変化や人生経験の差を感じました。
(先にリエナクトを観てしまったので比較という視点でしか観れず恐縮ですが)リエナクトは現在の雄二が当時30歳の過去の雄二という起点に遡及して一緒に人生をたどっていく形で話が進みます。一方で、1作目は文也がやり直したかった時間を切り取った形で話が進むのが大きな違いかなぁと思いました。あと、1作目の方がまさに睡眠中というか、〝夢の中の出来事〟感が強かったです。
□ストーリーについて
ということで(⁉️)、2作目である追想ジャーニーについて掘り下げていきます。
今までのさがみ自身の人生を追想するとともに、今後の人生について考えさせられました。今作は過去の時間軸に退行し過去を書き換えていきますが、結局今の自分を作るのは過去の自分の積み重ねだと気付かされるような気がしていて。「受け入れよう」と。現在の雄二が退行睡眠から目が覚めたあと、どこか晴れ晴れとした姿をしていたのが印象的でした。
あと、人生って人との関わり方で大きく変わるよなぁって思います。雄二が麻美に声をかけたから、峯井の病室を訪れたから、あの世界線が存在しました。さがみ自身、自分一人の存在では経験しなかったであろうことや感じ得なかったことがたくさんあるので、映画を鑑賞しながらこれまでの自分のことに思いを巡らせていました。
主題歌もとてもいい🥹‼️いつも映画本編は泣きすぎてポケ~~ッとしながらエンディング観てたんですが、渋谷での舞台挨拶で岸さんの生歌聞いて痺れた…こんなに歌詞が心に入って染み渡る経験ありません。
□登場人物について
◎過去(30歳)の横田雄二
やっぱり凌さんのお芝居が大好き~~( ߹𖥦߹ )👈ま~~た言ってるよこの人
気難しくて、今にも殻に閉じこもりそうだけど脚本への熱意を滾らせる過去の雄二。現在の雄二に「自分でも分かってんだろう?」と言われるとき、図星であるかのように黙り込みます。その姿に30歳の等身大のもがきを感じ取りました。
あと、映像だと表情とか手元の芝居が分かりやすいから良いですね。映像でも舞台でもお芝居が細かくて大好き~~( ߹𖥦߹ )1番刺さったのは「めちゃくちゃいい子じゃん俺の彼女‼️」の表情です。表情だけでむず痒い恋心を体現していて、麻美にメロメロなのが伝わります。赤ちゃんの零士とご対面するときのお芝居も捨てがたい…!
◎現在(60歳)の横田雄二
この映画って渡辺いっけいさんがご出演されているんだ…と未だに不思議な気持ちになります(❓)
冴えないキャラクターが板についていて、「俺、お前。」と作品の冒頭で過去の雄二に告げているとおり「俺、お前。」だと分かるような一貫したお芝居がさすがだなぁと思いました。過去の雄二と現在の雄二のテンポよく軽快な会話が心地いいです。凌さんが左利きだからかいっけいさんも左で字を書いていらっしゃるし🥹
峯井の死に目に会う前、「最大の不幸を経験するか」と固い表情をされていたのが印象に残りました。悼みって、何度経験しても辛い感情。「これを30年言いたかった」と峯井を抱きしめるのが現在の雄二なのがグッときました。
◎峯井
樋口くん今まで拝見する機会がなくて初めましてだったのですがと~~ってもいい演者🙂↕️🪄
雄二の大きな原動力は、峯井が抱えている雄二が書く脚本への愛なのかもしれませんね。峯井は雄二が作る世界に目を輝かせて、居酒屋で熱く語り、息を引き取る最後の瞬間まで雄二のことを信じています。あんなに慕われたらそりゃ雄二は自分の書く本を信じたくなるし峯井のことを役者として引っ張り上げたくなるよね。
完成披露やインタビューでも「ゾーンに入ってた」とお話されていた病室のシーン、最後の気力を振り絞って真っ直ぐ想いを伝えてくれる姿にめちゃくちゃ泣きました。
あと、「中村……公演中止だ」の「……」の間のとり方が好きでした。
◎中村
福松くんも初めましてでしたがこれまた良い演者💯舞台挨拶来てくれたふぉろわーさんに「中村、良すぎない⁉️」と同意を求めたくらい。
飲みの席で夢を語る雄二と峯井の傍らに、〝自分は蚊帳の外〟の雰囲気を作り出している中村。中村のおかげで雄二と峯井の関係性の強さが際立って、その2人の間には誰も介入できない溝を生み出しているなぁと思いました。ただし、峯井と中村の間にも強い関係性、あります😏そもそも峯井ってお芝居に貪欲だから半端なやつ劇団に連れてこなさそうそうだし(❓)ここでも約束が交わされています。だから中村が劇団を辞めても、雄二のことを信じ続けていて。雄二が峯井を看取った世界線になったときサラッと約束を果たしに来てくれるのがアツい。
◎麻美
ゆづみんかわいい😻喋り方も大好き😻結局アミューズからは逃げられませんからね…🙂↕️
麻美は雄二のことをファン時代から長く、連絡先を交換してからは誰よりも側で見守っています。デートのシーンでは自分が雄二の「寂しさを埋められないかな」と申し出るけど、脚本で煮詰まった雄二を外に連れ出したり、結婚して零士を育てたり、いつしか雄二の寂しさを埋める以上の存在になっていた気がします。描写はないけど、峯井が亡くなって雄二が引きこもって脚本を書いている間もまた一緒に同じ景色を見られると期待して歩み寄ろうとしていて、でも限界が来てしまってあの行動に出たのかな。あの離婚届、硬そうだった。絶対役所でもらったやつじゃない。👈どういう感想?
◎零士
赤ちゃんのすがたの零士、めちゃくちゃかわいかった~~🥹🎶パパに何か言おうとしてるのもギュッと手を握るのもかわいい🥰名役者👏
大きくなった零士役の高尾弟、キャスト解禁時名前見て普通に声出ました。凌さんとEBiDANが共演する世界線…。
「俺のこと生んだのも脚本のためらしいな」というセリフが印象に残っています。子どもを育てるために脚本を頑張るのか、脚本を頑張るために子どもを育てるのか。雄二は後者だったようにみられますが、生まれてきた我が子を愛おしく思い、幸せを噛み締めていたのも事実で。目的と手段の位置づけって難しい。
◎木村
宮下さんってまじで印象残る。どんな作品出ても「いたなぁ」って思う。というか、完成披露のときはぜんっぜん気づかなかったのですが、ラストシーンの世界線で麻美の隣にいるね⁉️⁉️⁉️
◎医者
根本正勝さんの無駄遣い(褒めています)。最後いきなり出てきて「カ、カッコイイ~~‼️🥹」とトキメキを感じていたらあのワンシーンだけでした。👈イケおじが超大好きなさがみさん
ワンシーンでも1作目と世界線が同じだと気付かせてくれるキーパーソンなので、ご出演ありがとうございます(❓)
□さがみが心に残っている観劇体験
突然かつ余談ですが、私が心に残っている観劇体験のうちの1つ、ミュージカル「Count Down My Life」の話をします。ミュージカル「Count Down My Life」、通称CDMLは何度も再演を重ねている劇団TipTapオリジナルのミュージカルです。ストーリーは、未だに芽の出ない29歳の脚本家が、30歳までにデビュー出来なければ夢を諦めると決意して1年間奮闘する…といったものです。大好きで思い入れのある作品です。
これは、主人公である脚本家(上演台本には脚本家ではなく「男」とだけ書いてあります)が作品冒頭で口にする、シェイクスピアの言葉を使ったセリフの一部分です。
⬆️冒頭部分のセリフが少しだけ聞けます
追想ジャーニーリエナクトを鑑賞した際、真っ先にこのセリフが思い浮かびました。人生がテーマの作品で、舞台上で人生という舞台が展開されるという表現の方法を用いており、雄二が脚本家ということもありCDMLのことを〝追想〟してしまったのかもしれません。
□おわりに
ちなみにさがみさんは今のところ退行睡眠したいとは思っていない派です。良くも悪くも過去の積み重ねで今の自分があると思っているから。ただ、まだまだ人生経験が浅いので、もしかしたら今後思うことがあるのかもしれないですが。今自分が出来ることとすれば、周りの人を大切にすることかなあと。過去には戻れないたった一度きりの人生、いろんな感情ひっくるめて「素敵な人生だったな」と思えるような日々を送りたいです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました🕊