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【感想】シャニアニ2nd Season先行上映第三章を観に行きました【#シャニアニ2ndネタバレ感想】

終わったな…暑い夏が…熱いシャニアニが…






というわけで皆さんこんにちは。偶然金曜日に休みが取れたのでこりゃあ最速で見るっきゃないでしょうと思い、シャニアニ2nd Season先行上映第3章を昨日劇場で見てまいりました。
2nd Seasonになってからは間違いなく面白くなりつつも、1stは一体何だったんだろうな…と思いながら見ていたわけで、でもまあここまで来たら見届けないのも癪だなと思いながら結局全部見てしまいました。
ちゃんと面白くなりそうな部分もたくさんあったしな…

まぁ、色々言いたいことがあるからnoteを書き始めたわけなので。
みなさんも長い前説を聞きたいわけでもないでしょうから、さっさと本編に言ってしまいましょう。昨日のことだから記憶が薄れてきてるのもあるから早く書き切りたいんだよな。同日にそのまま虹ヶ咲の映画を見たせいでそっちに記憶容量が奪われてるのもある(

というわけで僕が見てきたシャニアニの感想です。
どうぞ楽しんで頂けますと幸いです。
でも厳しめの言葉が多いため見ないほうが良いとも思います。
そこはみんなのやりたいことに任せるよ(シャニアニP仕草)






ネタバレ、生きてる







1.ざっくり見た感想として


うん…まあ…その…
1st Seasonよりはアニメとして面白いです。マジで。

なんというか…この歯切れの悪い言い方しなきゃいけないの本当になんとかならないかなあ! まぁその辺の話は後からじっくりするとして。
今回も原作付きが21話~22話が原作アリ、23話は半分オリジナル、24話は完全にライブ回という感じでした。

多分本来は9話~12話というふうに数えるべきなんでしょうけど、
僕的には1st Seasonと2nd Seasonがほぼ地続きと言うか分割2クールとして
認識しているためこのように表現させて頂きます。
21話(9話)、22話(10話)、23話(11話)、24話(12話)として本文を書いてます。

というか今回のEDを見て完全にただの分割2クールだと確信したわ!!!!
1stからコレをやるつもりだったのは確実なんだなという実感を得ました。

で、原作も評判のいい作品を使ったゆえに最低限の面白さは保証されて居ます。んでもって、元がADVなのもあってかそこにちゃんと動く映像が付くと、キャラクターの細かい動作などで感情の行き先が解りやすくて非常に見やすく仕上がっている。
特に原作では名前ありのモブキャラとして処理されていた存在にちゃんと存在が付いたことで物語の良さが一つ固まった感じがします。シャニアニの良さの一つだと思うんですよね、モブキャラの存在感。

特に園田智代子の友人であるあすみちゃん、顔自体はそこそこモブっぽさがあったもののめちゃくちゃ豪華なCVが付いたのでちょっと笑いました。それでアイドルになれないのは無理がないか? 声だけで世界一つ取るポテンシャルがあったぞ? あと当たり前なんですけどあすみちゃんはちょこ先輩と同じ制服で良かったですね。そういう所に実在感が出るよね。
僕は1st1話でも名無しで出てきた真乃の同級生のモブがちゃんと真乃と同じ制服着てたのすごく良かったなって思うし、こういうのが実在性だよなって思うのであすみちゃんもそこがしっかりしてるのは非常に良かった。
愛依ちゃんの妹にも声も顔も付いて良かったですね。名前出てこなかったですけどね。そこは名前設定して良いんじゃないかね。

本筋に大きく関わる「真乃がどういうアイドルになりたいか」という問いに対して、同じ悩みを抱える他のアイドルたちの姿や、真正面から向き合う浅倉透の存在も合って、ようやく一つの答えを得たのかな、という形になっていたのかなと思います。

あと、今回ライブシーンは非常に良くなってたと思います。
若干歯切れの悪い所はあったものの、必要のある所はきっちり見せたという感じ。特にノクチルの「いつだって僕らは」は今までのモヤッとしたストレスをしっかり昇華する出来になっていました。
2020年に開催されたMUSIC DAWNを強くリスペクトしたと思われる描写・演出もあり、当時から「このライブが一番おもしれえ」と言ってた僕にとってもなかなか刺さるものでした。というか4年前かよゾッとするなあオイ。

僕は2nd SeasonのOPであるプリズムフレアがすごく好きだったので、正直前回みたいに毎話ちゃんとOPが挟まれなかったことにちょっと不満を感じてなくもなかったんですけど、それを如何にもアイマスライブらしい舞台でフルコーラス分をやりきってくれたことにも感動を覚えてます。
OP映像もすごくいいのにそういう時に限って毎回流してくれないのよ!
でもライブ映像が良かったからOKです。なんかこういうやり方も熟れてきてるなあという風に思いました。やっぱ3Dアニメでも回数こなせば慣れるもんなんかなあというのを感じました。この辺はミリアニの時も明らかに後半のほうが3D演出良くなってると思った事があったので、手描きでなくとも慣れや理解で上手くなっていくのは全ての技術に通じるのかもしれませんね。

総括として、「何も考えずに見る分には1stより間違いなく良くなってる」ということだと思います。エンタメ作品としてはレベルが上ってる。これは間違いないと思う。
少なくとも「個人の趣味」で収められる範囲の作品として前編仕上がったんじゃないかなあ、とは思います。そんな感じの作品でした。




2.鬱憤


それはそれとして言いたいことが多すぎるんだよな~~~!!!
あ、ここからが本編です。是非お付き合いくださいね。

総括

「結局このアニメなにがしたかったん…?」
まず、この言葉が最初に出ます。

1st Seasonからそうなんですけど、この作品の一番の核の部分には「櫻木真乃が何故アイドルになったか・どんなアイドルになりたいか」が存在すると思っています。
が、最後まで見てもそれが解りやすく理解できる所に落ち着いた、とはとても思っていない。どころか、他のアイドルたちは自分の芯の部分をしっかりと見つけていくのに、自分だけはフワフワした環境のままファンの前で自分のパフォーマンスを披露するだけの存在になってしまっている。
真乃(とイルミネ)自身は他のアイドルに良い影響を与えたり、透にとっての「アイドル」としての姿を見せたりもするのですが、それが最終的に「本人にとってどうだったのか」というのがついぞ本人から聞けなかった感じがします。もしくは最後の方に流れたポエムで喋ってたかもしれない。ポエムで会話するな。
一貫して「ファンの皆に気持ちを届けたい」というのはあるんですけど、そうは言ってもファンとの交流を描くシーンなんて全く描かれないし、それに付随するようにイルミネーションスターズ全員が話そのものに関わらない時間が大きいです。灯織とめぐる、2ndSeasonで何してた???

あの…僕一応イルミネPなんでここは本当に怒っていいと思ってるんですけど、イルミネって作品全体通して何やってました???
真乃は他ユニットとの関わりがあったり、センターを任せられたりとか全体の狂言回しのような役割を担ってた印象がありますけど、両脇に居た二人の添え物感がヤバすぎると思うんですが。1stの5話で全ての力を使い果たしたのか? 灯織の見どころなんて「福丸さん」って発言したところが最大風速だった気がするぞ?
なんか24話のライブシーンはその分唯一ライブシーンを1コーラス分しっかり描いてもらえてたみたいですけど、僕はアニメ見に来てるんであってライブ見に来てるわけじゃないんですよ。
ついでに言うと「ED曲で新曲やってるみんなはライブシーン無くていいよね!」みたいな切り分けも好きじゃないわ! どっちもやれ!!! ライブもアニメもちゃんと何かしらの出番が合ってこそだろうがよ!!!!

なんというか…2nd Seasonの原作コミュ付きの話は全編通して「核となるユニットのキャラクター」を中心に描いてるんですけど、それは決して他のユニットメンバーを蔑ろにしてる、という作風ではなかったと思います。特に智代子なんかはイベコミュどころか個人のPSSRコミュを採用したのに、放クラ全体が放置されているという印象は有りませんでした。寧ろ、改めて園田智代子が放課後クライマックスガールズというユニットに向き合う、そういう物語に昇華されていたと思います。それはそれとして智代子の話に振り切りすぎてる気もしたけど…
2章の19~20話も同様で、それぞれ咲耶・千雪をメインとした話作りになっているものの、最終的にユニットメンバーの絆に落ち着くまでのメンバー全体の描写が成されていたように思えます。
僕はうっかり出来レースの話を聞いちゃって、一人になった後でドアに頭打ち付けて黙り込んじゃう甜花ちゃんが好きでして。あれは映像だからこそ出来た上に一発であの瞬間の苦悩がわかる名描写だと思ってます。

はい、じゃあイルミネの話に戻りましょう。
イルミネって灯織とめぐる何してましたか?
なんかこう…真乃の脇に立ってこう、それっぽいこと言ってるだけじゃなかった? あいつらが一番フワフワしてるよ!!
別にまあ、そういうのがイルミネっぽいと言われれば何も言い返せないのも事実なんですけど、でも結局のところ1stの5話しか彼女達が絆を深める物語がなかったことが問題なんじゃないですかね!?
2nd Seasonで原作コミュ貰えなかったのイルミネだけなんですけど!?
すいません思った以上に怒ってます。僕は自分が思ってるよりイルミネーションスターズが好きです。許してくれ。

ついでにノクチルも優遇とは言い難いポジションでした。透だけが極端にピックアップされて、小糸は比較的目立ちやすい扱いを受けてたけど円香は18話で全ての円香ポイントを使い切ってしまったせいでそれ以降はプロデューサーに悪態をつくシーンなど微塵もなく、雛菜はそもそも行動ポイントを割り振られていないような印象を受けました。ただ可愛いだけだったね。
シャニアニライブシーン特有の舞台裏の風景も、ライブが終わった後にユニットで何かを分かち合ったりする前にノクチルの前に真乃が来ちゃったりするので、なんかこうノクチル全体の友情みたいなのはめちゃくちゃ薄れてる印象です。ライブシーンだけで全てを補えってのは無茶が過ぎないか?

結局、真乃と透の交流がメインになりすぎてしまってて、真乃本人は「どういうアイドルになりたい」という具体案についてはっきりしないまま終わってしまった印象があり、ノクチルは透だけをピックアップされた結果、ノクチルのユニットとしての存在感が微妙になってしまう、という状態になっていたことから、本来本筋の軸として存在する(筈の)二人の話がとっ散らかってしまい全体の話が纏まりきってない、というのが本音です。
結局のところ1stも2ndも面白い話って本筋に関係ないユニット個別の話だしな!!! これだったら最初から全部オムニバス形式の物語に終始してしまったほうが良いものになったんじゃないのかな。下手に「シャイニーカラーズ」というものをユニットとして見せようとした結果、それぞれの存在がチグハグなものになっていったなあ、と思いました。

あとこれは個人的な趣向の問題なんですけど、なんか真乃が「透ちゃんの様子を見に行ってくるね」みたいな事言ってイルミネとの会話から離れていくシーンで心がザワッとしました。
もしかすると俺はNTRRというのが苦手なのかもしれません。何考えながらアニメ見てんだよお前。

僕本人は「とおまの」が嫌いじゃなかったんですけどあくまで友人として良い付き合いが出来そうだなあ、ぐらいのものでお互いにいい環境を与え会えるなら理想的だよねみたいに思ってたし、同時にそれは「イルミネ」と「ノクチル」というお互いの居場所があるからこそと思ってるんですよね。
だからさあ…真乃が「イルミネ」よりも優先させて透の所に行くのがなんか…凄い、不倫感が凄くないですか…? ずっとこの二人だけで喋ってるのもあるし…なんか…なんかな…
灯織が脳破壊されるところが見たいというのはあくまで二次創作レベルの話であって公式でされるとだな…(別にされません)

完全に無駄話



3.地盤の緩さ

完璧であろうとしたな、とは思いました。

これ…結局のところこのアニメの良くないところってここに尽きると思ってるんですけどね。シャニアニって恐ろしい程に地盤固めが出来てない作品なんですよね。
アイドルを描く為に、アイドルに物語を与えるまでは良い。都合のいい仕事が降ってくるみたいなことも、話を作るためには必要だと思う。
でも同時に「そのアイドルを動かす上で都合の良い物語になるように世界が動いている」感じが否めないんですよね。

これには「モブ」の存在が非常に大きく関わってると思ってまして、シャニアニって他の作品に比べても思った以上に「モブ」の存在が薄いんですよね。時折濃いキャラが出てくるけど、時折出てくるだけ。
シャニマスのモブの良さみたいな話はちょいちょい出てくることではあると思うんですよね。シャニの話はモブの解像度が高いからウケてるみたいな意見もありますし僕も実際そう思います。
ただ、なんでシャニマスはモブの解像度が高いかっていうと、「モブにちゃんと人生がある」というのが伝わってくるから、なんですよね。モブにとっては僕たち283プロのアイドルも「自分が主人公の物語にちょっと関わってくるアイドルの一人」に過ぎない、そしてそれがちゃんと行動・態度に出るからこそモブの描写として輝かしいし、美しいと感じると思うんです。

シャニマス史上最高に美しいシーンだと断言してます

例えばの話なんですけど、今回も描かれた薄桃色にこんがらがって(シャニアニ20話)だと、出来レースの件は原作にも出てきます。原作だとこの出来レースにはちゃんと理由があって、「何年か振りに復刊するアプリコットという雑誌に対して編集部側も本気なので、最近の女子の間で話題になり女性向け雑誌の表紙を飾るのに一番相応しいと思っている甘奈にこそお願いしたい」というスタッフ側の祈りにも込められた願いが存在しています。スタッフ側もこれで飯を食ってるわけで、その為に自分達が本気で選んだアイドルという納得を得たいし、その力を使わせてもらいたいという本気の思いがあればこそでしょう。
「ならオーディションなんかしなきゃ良いじゃん!」というのは確かに考えがちですが、大人の世界はそういう風に出来てません。「選ぶ理由・選ばれなかった理由」という建前がないと、世間を納得させられないわけです。
アルストロメリアも芸能界で生きるアイドルであるが故にそれを理解し、だからこそ「憧れを捨てられない千雪」と「優しさ故に捨てられない甘奈」のそれぞれの苦悩が生まれ、それを見て「状況打開のために奔走する甜花」という状況が生まれるわけです。
結果は苦いものになりつつも、それも踏まえてのアルストロメリアなのだとそれぞれが改めて思い直し、見た人を納得させる良い作品です。アイマスの枠を壊して進み、間違いなくシャニマスの歴史を変えた名コミュでしょう。

で…じゃあアニメはどうなってるのかと言うと、この辺の裏事情がばっさりカットされてしまってるせいで、ただ単に「アプリコットのオーディションは出来レースなので甘奈が勝つ」という情報しか明かされません。プロデューサーもこの部分しか伝えないせいで余計薄味になってんのなんとかなりませんかねえ!?
これだと「アプリコットの編集部側にも何か事情があるんだな」という風に解るのはあくまで原作既読のユーザーのみで、普通の視聴者には「特定のアイドルを優遇する業界の闇!」に映ってしまいがちです。しかもそれが主人公グループのアイドルなだけに話的な都合の良さまで見えてくる。
ノクチルも同様にWEB番組で好き勝手やったわけですけど、あれも本来は「WEB番組で新人が上手くやれるわけがないし、本人達も初の出番で失敗を抱えてほしくないし、番組上の体裁も保たなきゃいけない」という番組側の事情があるわけですが、廊下で出会った業界人の態度の悪さも相まって業界側がただ嫌な人に描かれた印象があります。これでは透のやった所業も「こいつマジでやらかしやがった!」というより、「よくやった!」になってしまいます。
前回の記事でも書いたように、シャニマスってアイドルが闇の業界人とバトルしてるわけじゃないんで、そこがちゃんと描かれないのは「正義」と「悪」を作中で作り出しちゃうのと同じになっちゃうんですよね。
SHHisコミュに出てくる「お笑い」を悪だと思ってる人なんか誰も居ないでしょうよ。

ここまで解りやすいのはこれぐらいのものですけど、それ以外も全般的に登場アイドルによってモブの民度が極端に変化したりします。2ndSeasonから入ってきたストレイライトとノクチルはSNSで厳し目の言葉をぶつけるファンが多数存在していますが、初期4ユニットには本編と異なりそのようなSNS描写は一切ありません。
放クラは2~4話をかけて商店街を盛り上げる描写が映り、商店街の人と仲良くなったりしますが、彼らは5話以降姿形を全く見せなくなり、話題の一つにも上がりません。パステルナイスなんかあれ以降ポスターも見られません。異様に放クラと仲の良いカメラマンさんが出てきますが、次の話は違うカメラマンの方が声だけで出演したりして、最初に出てきたカメラマンさんはライブなどにも姿を見せることは有りません。
イルミネーションスターズなんかは「ファンの皆さんに気持ちを」みたいな話はずっとしているものの、モブのファンと会話するシーンは全く有りません。ライブで出会うサイリウム以外のモブにイルミネは出会ったことがあるんでしょうか。

何と言うか「その話に必要だからそのモブが出てきて、そのまま必要なことをやりきってフェードアウトする」という構図が非常に顕著です。例外はあすみちゃんぐらいじゃなかろうか。
もちろんこれそのものは他の作品でも見られる構図ですから全てを悪いと言うつもりは有りませんが、作品世界の中に283プロ以外の人物があまりにも存在しなさ過ぎる印象があります。歩いてる人とライブのモブは大量にいるのにそこ以外普段どこにいるんだ。
話が全体的に283プロの中で完結し過ぎてており、それ以外のものは「行間を読め」というよりも「想像力を働かせろ」で済ませられます。この2つって明確に違うと思ってるんですけど、どうもごっちゃにされてお出しされてる印象がある。
まぁこれ言い始めると原作コミュも大概都合の良いことって起きまくってるんだけど、それに対する着地点みたいなものが用意してるから納得できるように作られてるんですよね。でもアニメの尺で済ませようとして、着地点もカットしちゃってるからなんかモヤッとした終わりになってる。21話のザストってこんなにあっさりした味で終わる作品だったか?

また、時系列の描写もやや怪しい姿が見られます。
ストレイライトのデビューライブはやや薄着の傾向が見られるので夏から秋にかけてぐらいの時期なのかなとは推察しつつも、すぐにハロウィンライブが始まり少しずつ冬服に入れ替わっていくので秋口の出来事と想像できます。
ただノクチルは服装にいまいち統一感がなかったり、秋頃に屋上に出る冬制服の真乃と半袖(腰にジャージ巻いてる)の透が並んでたりするので違和感を感じます。加えて直前の放クラは紅葉シーズンと見られる場所での写真撮影なのですが、これもハロウィンライブから時系列進んだ後の話なんだよな? というのを考えられてないように感じます。
全体的に1stが春から夏、2ndが秋から冬というのは伝わってくるのですが、細かい時系列については余り考慮されていないように感じます。ノクチルがいつデビューしたのかもボヤッとしてるし…

シャニマスはリアリティを重視してるみたいな言われ方はされるんですけど、正直なところシャニアニに関してはファンタジーに片足突っ込んでるな、って描写が結構見られます。その方がアニメらしさを生かしてるとは言えるんですけどね。
ただ、アイドルの行動がどうも脚本上で制御されてるように見える、というのは僕だけなんでしょうか。穿ちすぎと言われたらそうかも知れないけど、「たとえそう思ってなくてもそういう風に見られたらダメ」というのを教えてくれたのもシャニマスだったと思うんだよな。

究極的に言うと、シャニアニは「画作り」に真剣なんだと思います。「こういうのを作りたい」っていうのが凄い優先して存在している。ただ、それを為すための地盤を固められてないまま出してしまう、という印象です。そのため、作品全体として良いシーンと悪いシーンの高低差が激しい。
例えばなんですけど、14話のストレイライトなんかは出来レースのオーデイションで敗退しましたが、負けたことを一度悔しがった後は割とあっさり「私達にはデビューライブがある!」と言いながらビルの屋上でビル街のモニターに映るほどのデビューライブを貰っていました。そんなんだから別にオーディションに落ちてもいいって思われたんじゃないでしょうかって考えに至らないものかな。
結果としてこういうビル屋上のストレイライトのデビューライブみたいな「やりたいシーン」の解像度は非常に高く作られてるんですけど、そうでないシーンが出てくると「ここは特に本気でやりたくなかったんだな…」というのを感じてしまうのです。例のダイナミック駐車とかも結局そういう部分なんだよな。
「如何にも細かく注目してほしい」ところと、「露骨に手を抜いているあんま注目しないでほしい」ところが偏在しており、まるで後者にも意味があるように見えてしまいます。演出の人そこまで考えてないと思うよ。

ちなみに露骨な手を抜いてるっていうのはこういうやつ。
「細かい所に注目して」と言っておいて、こういうのは見ないでほしいってのは無理がある。
(by アニメ「アイドルマスターシャイニーカラーズ」 第3話「未来への憧れ」より)




4.シャニアニPさん


コイツのことを好きになれなかったのだいぶこの作品を見る上で致命的だなと思いました。僕の中ではもうシャニPとシャニアニPは別人です。
夏目さんには沢山美味しいものを差し入れてあげて下さい。本当に最後まで良く頑張ってくれたと思います。

なんというか脚本の犠牲になったな…という印象。
シャニマス本編はシャニPとアイドルとの交流の中で、アイドルがやりたいこととそれを芸能界で成し遂げる上でのすり合わせのためにプロデューサーが努力する、というのが成されているのですが、シャニアニに置いてはほぼ全てをアイドル達の内輪で済ませてしまってるが故にプロデューサーに全く焦点が当たらないという状況が続きます。
仕事を取ってくるところから彼の仕事ですからアイドル達に仕事が来てるのは彼の手腕あってのことというのは解りますが、その描写が映るわけでもなく(まぁ映った所で邪魔なだけな気がするからそれで正解だと思う)仕事を振るだけ振ってその後のメンタルケアに関しては非常に乏しい印象です。2nd Seasonではあさひと透ぐらいじゃないか、真っ当に会話して悩みを聞いてたの。
しかも透に至っては結局プロデューサーとの会話が全然響いてなくて真乃との会話で解決してた感じがあるしな。これ原作コミュ知ってれば知ってるほど納得いかない気がするんだけどどうなんです???

加えて本人の態度もいまいちいけ好かなくて、特に7話の「WINGに負けたアイドル達と悔しさを共有し合う描写が一切描かれず、注目されて仕事が増えたことをただ喜んでる」描写は個人的に最悪レベルで株を落としてます。
そこでちゃんと悔しさを共有できずして何がプロデューサーだテメェ!

文章だけだと伝わりにくいけど炎上したアイドルの代わりに円香に出て欲しいって依頼をされて断った後の独白です。持ちかけたディレクターの人も悪意があるわけじゃなく「こういうチャンスを掴んでこそだよ」って言ってくれてるのですが、シャニPくんは後から尾を引きかねない問題や円香のことを考えて突っぱねたりするわけです。業界で生きるのは大事だけど、こういう優しさが人を引き付けるのだというのが伝わる名シーンだと思ってますね(by円香G.R.A.D.)

全体的にシャニPの「有能さ」みたいな部分が振り切って描かれ、本来の彼を魅力的にさせる「若さ」や「青さ」が全くと言って良いほど見えなかったのが非常に勿体ないと思いました。円香のプロデュースに対してこんな事言うほどに「どんな手段を使っても売れれば良いって訳じゃない」事に本気だったぐらいのはずなんだけどね。
加えて言うと有能さが出てるというより「パッと見有能っぽい」だけで、全編通して「みんなのやりたい事に任せるよ」という言葉の印象が強く、個人の個性を促すというより「丸投げしてる」という認識が強いです。そういうのをまず自分から提案するのがプロデュースなんじゃねえの…?
いや解りますよ、ライブのセトリ考えるシーンとかもあったし放クラ回とかは結構アイドル達と一緒に仕事方針考えて仲良くしてる描写もあるし、ああいうのは本当に良いと思うんですよ。でも逆にそれ以外のアイドル達はどうでもいいのかってぐらい雑に扱われるところがあったりして、回によって扱いに大きな差がある一番のキャラクターだなと思います。個人的に2~4話でせっかくスカウトした真乃やようやくユニットになったイルミネを放置しっぱなしだったことについて何か言い訳があるなら効くぞって感じですので…

本編で解りやすい出番が合ったのはそれこそ1stの1~5話ぐらいの個別のユニット回までで、大きく出番が合ったのも4話のモリサゲールぐらい。本編の本筋に絡むこともほぼ無く、原作付きのコミュでだけ原作っぽい役割を果たすだけのキャラになってしまったのは本当に可哀想というか、制作側がこんなに扱いに困ることってあるんだなと思いました。案の定、ノクチル相手にロクなアドバイスも出来てないままだったのも悪印象。
レッスンも全部はづきさんが見てくれてるからそういうところでも出番ないし。というか283プロはレッスントレーナーを雇わないくせに貸し切り小学校のレンタルしたり、渋谷のビル街のモニターをジャックしたり、ビルの屋上で新人アイドルのデビューライブしたりと金を持ってるんだか持ってないんだか良くわからん。結局こういうところも地盤の緩さみたいなのが出ちゃってるんだよな。原作のストレイライトが派手なデビューライブしなかったのはそもそもそこが一貫してたからじゃねえの? アニメは派手さを求めちゃったから設定とかどうでも良くなっちゃったの?

何にしても、シャニアニPは本編ほど魅力的な存在になれなかったなあ、というのが割と辛いところ。別に霧子とミニカーで盛り上がってくれみたいなことは言わないんだけど、もうちょっとアイドルと会話するシーンを増やしてくれとは思いました。社長室で社長と会話するシーン全部削ってその時間を全てアイドルとの交流に当ててくれ。お前は社長のなんなんだ。
いや原作知ってるからお前が社長に執心なのも社長もお前に対して異常な執着を抱いてるのも知ってるけど、頼むからアニメでは抑えてくれ。ここはアイドルマスターシャイニーカラーズなんだぞ。せめてはづきさんとの時間を増やしてくれ。いやごめんやっぱアイドルとの時間だ。アイドルとの時間を増やせ。今言っても遅いんだよなあ!!!!





5.おわりに

恐ろしいほどピッタリな発言見つけて一人で笑ってました

シャニアニ、全編通して「どうしようもないほど面白くなかった」というほどの作品では有りませんでした。ただ、同時に「誰かに勧めたい」という作品でも有りませんでした。見た方が良い、とは口が裂けても言えない。
1stSeasonの頃は雑に作られたところがあったんですけど2ndでしっかり演出も脚本も改善する部分を見せてくれていました。そこは評価しても良いんだけど、根本的に描きたかったであろうものがちゃんと描けるように見えなくて、視聴者に伝わりづらい格好になった結果、出来が悪いようにしか見えなかったというのはあります。
その代わりライブシーンなど、3Dにした分でやりたいことはしっかり出来てたんじゃないのかなと思います。1stの頃に比べると24話のライブシーンはしっかりやりたい事をやれていました。全員分を見たかったのはあるけど、プリズムフレアをフルでやりきっただけでも評価に値するでしょう。

尺の問題なのか、原作付きのコミュも「そこで終わりにすると本質的な面白さが伝わらなくない?」みたいな部分で締められていることが多いです。19話(アンティーカファン感)ぐらいじゃないですかね、単品でしっかりしてるの。ストレイもアルストも「この先は君の目で確かめてくれ!」みたいな終わり方してた印象がある。
原作を既読済である僕は納得しながら見ることは出来ましたが…各ユニット回だけ引っ張り出したベストアルバムにすれば人に勧められるかなあ。本筋全部取っ払って。あと12話のライブシーンを一応入れておくぐらいで。
まぁそうなるといよいよもってイルミネーションスターズはなんにも見てもらえないんですけどね。悲しいね。
灯織の扱いとか通りすがりの美少女以外のなんなんだよ。3Dアニメでも全く衰えない顔の良さが好きだよ…

そういえば1stSeasonの本放送が終わったあと、総集編で1話使ってくれたじゃないですか。あれがいいかなと思います。シャニアニ1stの全体があれで本当によく分かる。一番良く出来てると思うんで、あれ見てから2ndSeasonを見るぐらいがちょうどいいかなと思います。仮に見るなら、ですけど。
マジで12話の本編が総集編で済まされて、それで問題ないかなって思わされる出来そのものがどうかしてるんですけど、あれでいいかなと思います。キツいこと言いますけど。

というわけで、割と楽しみにしてたシャイニーカラーズのアニメがこんな感じになっちゃったことは深い悲しみに包まれております。本放送…どうなるんだろうなあ。
単和で完結してるユニット回は何度も言うように見どころがあると思うんですけど、シャニマスが描きたいであろう本筋部分に関しては伝わりにくいし面白くないのでかなり厳しい予感が今からしています。そういう意味では一気見して正解だったかもしれない。

そういえば3期の予告が来るのかなと思ってたけど有りませんでしたね。なんか2nd SeasonのEDの時点でもう「ここまでを描きたかった」感が出てた。
1st1話の構造がそのまま最後の演出につながってるのを鑑みるに、ここまでがやっぱり一つの作品として作られてるんだなと感じましたし。
そうなると3期は暫く先になるのかな、と思いつつ。まぁ仮にやるとしたらSHHisとコメティックの話になると思うとそれこそ僅かな手抜きすら許されないと思うのでじっくり腰を据えてやってほしいですね。
まぁそもそも本編ですらSHHisが一旦の完結をしたかなってぐらいでルカとの確執に関して全く解消されてないんですけどね。ルカが283プロに入ってから1年半経ってるんだけど未だにコミュ内での会話とかが描かれてないのどういうこと?
せめて本編が綺麗に完結してからのアニメ化を希望しております。なんというかアニメがどうなっても気にしない気持ちになれるんで…(

2023年秋頃から全ての先行上映を見に行って、充実した時間を過ごすことは出来たなと思いました。こんなに文句を言う時間が続いたのも珍しいことです。別に文句言いたくて見に行ったわけじゃないけどね!?
でもなあ、好きなコンテンツのアニメ化を見ずに評価するのも嫌だし、全部見ないまま全部がどうしようもないと切って捨てたくもないし、何より割と面白くなる予兆を節々から感じたから全部見ない以上は評価不能だろと思っちゃうし…結果は以上の通りなんですけど。
あとまあ、Not for meなだけで楽しんでる人が居るのも事実ですからね。作品の評価は個々に委ねられるべきだと思います。

僕は嫌いではないけどめちゃくちゃ面白いとは言い切れないなと思いました。コレを本作品の評価として僕の中で落ち着けようと思います。
一緒に先行上映を見た皆様、本当にお疲れさまでした。
これから本放送を見る皆様、どうぞ宜しくお願いします。








ところで灯織のトワコレまだ?(1年前に面白かったら4凸するみたいな話をしてからずっと待ってる)

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