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データ嫌いのデザイナーがデータを好きになった理由

こんにちは、COUNTERWORKSの駒ヶ嶺(@Koma_Studio)です。みなさんはデータという単語は好きでしょうか?自分は正直のところ好きではありませんでした。好きでないというよりむしろ嫌いでした。

それはKGIやKPIというような指標を追いすぎて、ユーザー体験とまでは言わずともUIやその整合性が取れなくなるようなケース(ボタンを大きくする、赤くするなど)を目の当たりにしてきたからです。また、大多数のユーザーからすると必要のない機能が存在するが、コアユーザーが使う機能のため取り除くことができずに全体の体験を損ねている場合など、徐々に徐々に指標やデータに対して嫌悪感を抱くようになりました。

しかし、そんなデータ嫌いのデザイナーが今ではGoogle AnalyticsやRedashを見たりしながら改善施策の考案から計測・評価までを行い、「KPI・KGI上がったぞ!ウェーイ!」と喜んでいます。

今回はなぜ嫌いだったデータを好きになったのか、今までと比べてどのような考え方をするようになったのか紹介をしていき、自分と同じようにデータに対してネガティブな印象を持っている方が少しでもポジティブなイメージを持っていただけるようになればなと思います。

好きになった理由①:目的・目標が先であり、数字はそれを証明するものという認識になった

まず、データを好きになるきっかけとして、弊社でOKRという目標管理のフレームワークが1年ほど前から導入されたのが一つ大きいと思っています。

ご存知でない方のためにOKRをすごく簡単に説明すると、OKRは定性的な目標 O(Objectives)を置き、それに対して定量的な成果指標 KR(Key Results)が設定するというものです。

例えば、「使いやすく、わかりやすいサービスにする」をOとした場合に、それが実現しているのであれば「商品購入が完了したユーザー数÷アクティブユーザー数のパーセンテージが10%から20%にアップしている」はずだとして、それをKRに置くという形です。

いわゆる、「事業目標として売り上げ目標などのKGIやKPIが存在していて、その指標を期間中に達成する。その達成の仕方は何でもいい。」ではなくOを実現するためにKGIとKPIが置かれています。KR(指標)の達成を目指すのも大事だが、それはあくまでも目標であるOが達成していることを証明するためのものという、目的志向のスタンスに魅力を感じるようになりました。

好きになった理由②: ユーザー課題の仮説立てが起点となった

Oを起点とした目的志向で施策を考えられることから、施策の立て方にも変化が起こりました。現在、OKRにヒットするかどうかを踏まえた上で以下のような流れをループさせて施策を考えています。

1. 数値を見たりサービスを触り、サービス内での不安や不満を考える(ユーザー課題の仮説立て)
2.課題に対してユーザーはどのような状態になり、どのように行動したいかを考える
3. 仮説の課題に対する解決策を出す
4. 課題が解決されたと証明できる指標を決定する
(KGIとKPIの設定)
5. KGIとKPIの成功・失敗の判定基準を設ける
6. 実行と計測

今まで個人的に見てきた施策の立て方に比べて特に異なる点は1のユーザー課題の仮説立てにあると思っています。ユーザーの課題から考えることでWhat(解決策)が先に出てくるという状態が少なくなりました。

個人的に好きとしなかった「CVRが悪いのはボタンが目立たないからだ。赤くするか、大きくするかして目立たせよう。」というような案から先に出ることがないのが良いなと思っています。

好きになった理由③:結果から学びを得て次に生かせる

実際に施策を実行して効果計測をする際に指標を見るだけでなく「学び」という項目を設けています。学びの内容は施策レポートのドキュメントに以下のように残しています。

1. 仮説としていた課題が実際に有ったのか無かったのか(仮説の判定)
2. そのような課題が存在したのならば、次はこの施策を打つと良いのでは(新たな仮説と施策案の提示)

この項目を設けることは大切なことだと考えていて、これがあることで効果計測をした時に「数値上がったじゃん。ウェーイ。」で終わることがありません。仮説と指標をセットにするのは学びとさらなる気づきを得るためという思考に変わり、割とこれが個人的にデータをさらに好きにさせてくれた要素だったと思っています。

好きになった理由④:失敗も許容できるように

学びを得る方を優先するようになってから、施策を打った後の指標の上がり下がりをそこまで気にしなくなりました。

スタートアップのサービスを作りにおいて必要なのは分からないものを明らかにしていく、つまり、不確実性を無くしていくことが一つあると思っています。もちろん、数値が良くなるのは予想が当たっていたということなので嬉しいです。しかし、失敗した場合でも仮説が間違っていたということを知ることができ、それはそれで一つの不確実性を無くしたことを意味します。

結果的にその積み重ねがユーザーの求めるものだけを提供することに繋がるので、失敗をある意味でポジティブに捉えられるようになりました(その代わりに施策を打つ回数を増やさないといけないので大変ですが🙄)。

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最後に

以上、データ嫌いのデザイナーがデータを好きになった理由を紹介しました。OKRの導入から入るのは難しいと思いますので、まずは「ユーザー目線からの課題を抽出。その課題の解決策と解決された結果の行動から変わるであろう数値を指標として置いて定性的指標と定量的指標をセットにして実行する。」ということを試してみるのがオススメです。

データの用法用量を正しく守り、皆さんのサービス改善がより良い方向に行くことをお祈りいたします🙏それでは👋

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