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Jリーグ観戦における「嫁ブロック問題」を嫁の立場から考えてみる

嫁、嫁ってなんか変な言い回しですけど…私は2017年にJ2リーグジェフユナイテッド市原・千葉のサポーターの夫と再婚しました。
今ではすっかり私もハマってしまい、今シーズンはシーズンシートを購入していてホームゲームは今のところ皆勤賞です(毎回観戦noteを書いているのでよかったらこちらをどうぞ)。

さて、最近「嫁ブロック」という言葉を目にすることが多い気がします。
転職や独立を考えているときに相談すると「安定してる会社を辞めてまで…」と反対されてしまうというのが一般的な解釈だと思いますが、サッカークラスタの皆さんもこの被害(?)に合っているとか。
これについて私なりに考えてみました。
あくまで個人の見解なので全ての人に当てはまるとは思いませんし、いろいろな考えがある中の一つだと思って読んでいただければと思います。

Jリーグ観戦における「嫁ブロック」とは何か

それは、

・「観戦に行く」と言うと嫌な顔をされる
・「一緒に行こう」と言っても断られる
・「休みの日なのに家にいてくれないの?」と言われる

…とこんな感じでしょうか…。
中には今まで自由に観戦していたのに子供が生まれてから「最近サッカー観戦行きすぎじゃない?」と言われてしまった方も。

そういう私も実は嫁ブロックしていた経験があります。1度目の結婚をしていたときの話ですが。
離婚した元夫もそこそこサッカーが好きで(この辺ちゃんと話したことがないのでどの程度好きだったかは不明ですが)、サッカー観戦に誘われたことがあるんです。が、私は断固として行きませんでした…そして行かせもしなかった気が…
なぜ現夫とは楽しく観戦できているのに(むしろハマってますし)あのときはできなかったのでしょうか。
当時の嫁(私)の気持ちを考えてみたいと思います。

ブロックしてしまう嫁の気持ち

まず、私は働きながら子育てをしていたので、平日は以下のようなスケジュールの繰り返しでした。

6:30〜:子供起こす、朝食用意、子供の支度を手伝いつつ自分も支度、保育園に送る、会社へ向かう
(元夫:自分の支度だけして6:30ごろ家を出る)
8:30〜18:00:仕事(どんなに大変でも残業できないので必死にやる)
19:00〜:保育園お迎え、夕飯準備、子供に食べさせる、片付け、お風呂掃除、子供とお風呂、子供の明日の準備、寝かしつけ、力尽きて一緒に寝る
(元夫:23:00〜0:00ごろ帰ってくる)

仕事と育児をしてたらこのくらい当たり前なんですけどね…仕事をしてなくても毎日の家事と育児って終わりがないし大変ですよね。
元夫は「仕事をがんばって残業とか終電近くまでやっちゃうオレ、家族支えてる感めっちゃある!」と思っていたようです。家族支えたいなら平日早く帰ってこいや。(おっと本音が…)

今思えばワンオペってやつでした。いや、本当にバタバタしててめっちゃ疲れるんですよ。
だいたい子供がご飯を食べ終わるのを待ってるときとか(食べるのが遅い子だったので)お風呂が沸くまでのちょっとした時間に疲れすぎて寝落ちしてました…もちろん子供にゆっさゆっさ起こされますよ…寝れるわけない(笑)子供は保育園でがっつりお昼寝してくるので意外と元気なんですよね。体力の衰えを感じました…

そんな平日を終え、週末がやってきます。
今ならサッカーを楽しみに1週間仕事をがんばるという気持ちはよーーーくわかります(笑)
しかし、当時の私はサッカーにそれほど興味もなく(TVで放送される日本代表戦やW杯だけ観るミーハーな感じでした)週末にリーグ戦をやっているというサイクルさえ知らなかったので次のように思っていました。

元夫「明日の試合観に行きたいんだけど…」
私「……」
(は?平日なんにもやらないくせに1人でサッカー観たいだと?!)
元夫「いい席があるんだよ〜ここで観れば絶対好きになるって!」
私「……」
(そう言われても別にそのチームのこと知らないし…席とかよくわかんないし…え、その席10,000円なの?!高すぎじゃない?!服買いたいわ!)

…とまあこんな感じで。そのうち会話もなくなり離婚しました。
(こういうすれ違いが多発した結果であってサッカーが全ての原因ではありませんよ…サッカーの名誉のために…)

要するに、平日の嫁はがんばってるんです!ヘトヘトなのです!
もちろん子供はかわいいです。だからがんばるのですが、時には息抜きって必要じゃないですか…そしてようやく大人が2人になる週末が来る…と思ったら週末もワンオペかい!ってことです。そりゃ嫌な顔もしますよね。

これを夫側からみると「試合に行こうとすると嫌な顔をされる」=「嫁ブロックされた」となるんじゃないでしょうか。

嫁ブロックされないために:①基本マインド

これまでの私の経験からですが、私なりに日常の結婚生活に必要だな、と思う基本マインドについてお話したいと思います。そして、これが嫁ブロック対策の根本になると考えています。

世の中、男女問わず次のような考えの人って多いのではないでしょうか。

結婚したんだから「相手は自分のことを一番理解してくれる人」「一心同体」「以心伝心」…

それ、勘違いです。

結婚したとはいえ、パートナーは「他人」です。
「他人」だからわかり合えないこと、理解できないこと、受け入れられないことがあって当たり前。それを乗り越えて一緒に生きていくのが結婚生活です(一度失敗しているのでこれは確実です。乗り越えられませんでしたから…)。だから1人より2人の方が大変なんだ、とアドラー先生も言っていましたね。
言わなくてもわかってくれているだろう、きっと同じ気持ちだろう、と思うのは「オレのものはオレのもの、お前のものもオレのもの」というジャイアン理論のようなもの。
パートナーは「他人」。これをしっかりと胸に刻んでおきましょう。
(元夫はこれがわからない人でした。)

例えば、男性がサッカーを観に行きたい、というのは、女性がセールに行きたい、というのと大体同じことだと考えてみましょう。どちらも個人的に今までものすごく楽しみにしてきたことだとして、それを結婚したからといって全て一緒に行動しないと!みたいな考えになるのは相手の気持ちを無視した行動になるということです。
(サッカーって面白いのに!どうして嫌がるの?)
(セールってあんなにワクワクするのに!どうして嫌がるの?)
とお互いに思うでしょう。
ここで思い出してください。パートナーは「他人」であって自分ではないということを。楽しみが違って当たり前なんですよね。
自分が相手の趣味にあまり乗り気じゃないという場合は、きちんと話して1人で楽しんできてもらう、快く「いってらっしゃい、楽しんできてね」と送り出すことが相手の気持ちを思いやる行動と言えるのではないでしょうか。

これがわかると自分勝手な主張をし合うこともなく、相手のことも思いやれるし、お互いを尊重することができるはずです。

この基本マインドがお互いにしっかり根付けば大抵のことはクリアできます(経験談)。

嫁ブロックされないために:②日常を大切に

先程の「基本マインド」を持った方ならここはすぐにクリアできると思うのですが、要するに「日頃の関係性が大切」ということです。

元夫は、平日全然家事も育児もやらないのに週末だけ「家族サービス」と銘打って私と子供をいろんなところ(主に商業施設)に連れていきました。
平日に溜まってしまった家事ができないままになることも…。
つまり「平日がんばって家族のために遅くまで働いてるのに週末は家族のためにアウトレットとかまで来ちゃうオレ最高」という単なる彼の自己満足に付き合わされていたのです。もちろん仕事をがんばっているのはわかっていたし、平日遅くなってしまうからこうやって週末に家族サービスしたいんだろうな、という彼の気持ちもわからなくはないんですが、なぜか非常にイライラしました。
こういうことが週末になるたびに行われていました。離婚協議の際、元夫は「家族でいつも一緒にいることがいいと思っていたから最優先させていた。すごく楽しかったじゃん。あんなにがんばったのに…」と言っていたのですがそれは自分の気持ちであって、私や子供のことは考えているようで考えていないことになるのです…残念です。

現夫はどうでしょうか。
まず、仕事が終わるとサッと帰ってきてくます。
そして夕飯を作る私の横で食器を片付けたりお弁当箱などの洗い物をしながら、今日あったことを話してくれたり、私が思っていることを聞いてくれたりします。
平日に一緒にいる時間があるので「週末はどうしよっか」と計画をたてることもできますし、毎日2人で少しずつ家事ができるので週末にまとめてやることもありません。
そうしてのんびりとした週末がやってきます。
朝ごはんを食べたら洗濯や掃除など平日できなかったこと(といってもあまりない)をササっと2人で済ませます。その後「今日はゲームがしたい」と夫が言えば「どうぞどうぞ」と思う存分やってもらい、その横で私はミシンを使ってバッグを作ったり、noteを書いたり、美容院に行ったり…お互いにバラバラのことをやって過ごしていますが全然気にならないのです。
食事も平日の夕飯は私が主に作っていますが、週末は夫が作ってくれることも多いです(私は手際が悪くて麺系を作るのが苦手なので麺系は夫担当です)。

元夫に関してはあまりいいイメージがないので愚痴っぽくなっていますが、日頃の関係性を大切にするか否かでこんなにも違いが出てしまいます。
最高の週末を迎えるために、最高の平日を過ごしておく…これができれば嫁ブロックもなくなるのではないでしょうか。

嫁ブロックされないために:③嫁も巻き込む

①、②でさんざん趣味は人それぞれ、と書きましたが、自分の趣味に相手も興味を持ってくれたら…そして2人で楽しめたら…これは最高ですよね!
ということで、ここからは「どうせなら一緒に楽しむ」方向に嫁を持っていくことを考えてみたいと思います。

私の場合、現夫と付き合った当時、共通言語が作りたい、どこでもいいから一緒に行きたいという気持ちでいろいろ話していた時、サッカー観戦が趣味だ、ということを聞き出すことに成功しました。
(サッカー観戦か…)
元夫に誘われたときのことが脳裏をよぎりました。
しかし、ここは大好きな彼のため。仲良くなりたい一心でお願いして、彼の趣味であるサッカー観戦に連れて行ってもらうことになったのでした。
自分から連れて行ってもらったので誘うのとはまた違いますが、ここから先は同じだと思っています。

このときの私はTVで日本代表を見ていたくらいのミーハー程度の知識しかないレベル。スタジアムに行ってみたいと思ったこともありませんでした。
そんな私が彼の行動ですんなりとサッカー観戦(Jリーグ観戦)できるようになったのです。どうして私が次も行きたいと思ったのか、検証してみたいと思います。

(1)導入を大切にする
サッカー観戦をしたことがない人にとってスタジアムは言わば「完全アウェイ」。目に入ってくるのはユニホームを着たたくさんの人。みんな選手のこととかチームのこととか知ってるんだろうなぁ…と圧倒されてしまいます。
ここで「あーなんかサッカーを知らない自分が来るようなところじゃないかも…」と疎外感を感じる人は多いのではないでしょうか。

そしてビン・カンの持ち込み禁止やペットボトル持ち込みのルール、手荷物検査、座席のことなど、知らないことだらけ!

大切なのはこの導入部分をどう乗り切るかです。
彼は初めての観戦の前に私に事前情報をいろいろと提供してくれたのです。
持ち物のルールのこと。女性だと化粧品としてスプレー缶を持っていたりしますからね。あとは着ていく服についても「ジェフは黄色がチームカラーで相手はこの色だから、なるべく相手チームの色は避けるようにして、ジェフっぽい色を着るといいかもね」と教えてくれました。

そしてスタジアムに着くと、スタグルについても「フクアリはJリーグの中でもスタジアムグルメ(略してスタグルね)が豊富で有名なんだよ。自動販売機があるのも珍しいんだよ」といろいろ説明してくれたし、トイレの位置やトイレから戻る時にチケットの確認をされることなどを細かく教えてくれてました。人が多いからはぐれないようにと手をつないでくれていたのも頼もしかった…(これはノロケです)。

試合が始まりそうになると「今から選手紹介をするよ」と見ながら選手の特徴を教えてくれたり、タオマフを私の分も持ってきていて「これ使っていいよ。今からみんなで回すよ!」と応援の仕方も教えてくれました。そして「フクアリは屋根で覆われていてすごく音が反響するし、そんなに大きいスタジアムじゃないけどサッカーを観るのにはちょうどいいんだよ」と豆知識もたくさん話してくれました。

要するに、導入時に感じてしまう疎外感をいかに軽減させ、いいところをアピールできるかが今後も嫁がスタジアムに来たいと思うかどうかの分岐点となるのです。
「世界中が敵でもオレだけは君の味方だよ!!!」という姿勢でお願いします(願望)。

NG行動は、彼女が質問したことに対して「そんなことも知らないの?」と言ったり、いつもと同じように1人で試合に集中してしまったりすることでしょうか…私は「オフサイドって何?」「ボランチって何?」「ハーフウェーラインって何?」とか質問しまくりましたが、彼は試合中にいろいろと答えてくれたのを思い出します(あまりにも知らないので実はちょっとイライラしていたらしいですが・笑)。
ぜひ寛容な心で!疎外感を感じさせないでください!お願いします!

(2)好きの押し売りはしないけど徐々に興味を持たせる
一度スタジアムに観戦に行ってそれなりに楽しめたとしましょう。でもだからといって「次のホームゲームは来週の土曜日19:00からね!」などと押し売りをしてはいけません。
え、サッカーって毎週あるの?くらいのレベルだと、ホーム&アウェイで対戦していることも知りませんし、相手チームのこともよくわかりません。そんな状態で次はこれね、と言われても「ちょっと何言ってるかわかんないんですけど…」って感じで引いてしまいます。
なので、また観戦に行きたいと言ってもらえるように、日常会話に少しずつサッカーの話題を取り入れて興味を持たせていくしかないと思います。

私の場合はいろいろ知りたいとお願いしたところ、彼は持っていたグッズを見せてくれたり、イヤーブックで選手の説明をしてくれたりしました。
そこで初めてこんなに前から好きだったんだ―!という発見もありました。自分からは全然押してこなかったので。
中にはW杯に出たような私でも知っている選手がいて、「この人知ってる!」というと「この人は今◯◯っていうチームにいるよ」とか「このときはプレーオフ決勝で負けて…」などなどいろんなことを教えてくれたのでだんだん興味を持つようになりました。
ジェフはマスコットがなにしろかわいいですからね!「行けば会えるよ〜」と言われると次に会えたら写真撮りたい、とか思うようになりました。
中でもキラーワードだったのは「ジェフのユニホーム似合いそうだね、かわいいと思うよ」です…(ノロケです)。彼はJ1に上がったらユニホームを買う、と言っているので未だにユニホーム姿は見せられていませんが(笑)そういう言葉も時には大切。

私がジェフのことを知れば知るほど喜んでくれるので、それが嬉しくて家に帰って1人でYoutubeでジェフのゴール集を見たり、ネットでジェフの情報を調べたりしました。恋は盲目ですね。
ちなみにそのときに千葉好男さんの動画に出会いました。今では彼と2人で見ています(なんならスタジアムでお声を掛けさせてもらったり!)。

やっぱり話ができるようになると喜んでもらえる、というのは大きかったです。なので、もし嫁の言ってることが初心者レベルでも間違っていても「は?何いってんの?」とか「そんなの常識じゃん」とか言わないでくださいね…勇気をもって相手のテリトリーの話をしているんですから…疎外感を感じちゃいますよ…ぜひ寛容な心で!お願いします!

(3)一緒に観戦できることを楽しむ
夫に最近「一緒に見に行くようになって1人で観ていたときとは違う楽しみが増えた」と言われました。むしろ2人で行かないとつまらないから1人で行くことになるならDAZNでいいと(笑)
多分私がマスコットにキャーキャー言って写真を撮ったりサインをもらったり、食べたことがないスタグルを食べたいと言ったり、試合中もキャーキャー言いながらゴールが決まったら一緒に抱き合って喜んだりとかするからだと思います(1人で観ていたときはスタグルはほとんど食べなかったそう)。Twitterも私がジェフサポさんをフォローして楽しんでいたらそれを見ていた夫も始めたり。
私は今までサッカーとは無縁の生活だったので知らなかった世界を知れて楽しいですし、夫も新たな楽しみ方が増えたようでとても楽しそうです。
そんなふうに一緒に観戦に行くことを楽しんでくれているというのがわかって私も嬉しいです。
勝っても負けても「また行きたい」という気持ちになるのはこうやって一緒に楽しめているからだと思います。

嫁もブロックしたいわけじゃない

結局、嫁だって夫の楽しんでいる姿は嬉しいわけですから、何が何でもブロックしたいってわけではないと思うのです。
ただそこで日常的に関係が構築されていないとか、ちょっとしたすれ違いがあるとかで素直に「いってらっしゃい」と言えなくなってしまうんですよね…
ここまでの長文を読んでくれた方なら「嫁にも自由時間をあげればいいんでしょ」とかそういう単純な問題ではないことはおわかりいただけるはずです(そんなことしたら火に油を注ぎますよ…)。

毎日の生活を大切に。相手を思いやった行動を取り続けること。
それが最高の週末への近道だと思います。


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