12月短答(不合格)までの勉強法(失敗談をメインに)
初めに
こんにちは!
今日は自分が12月短答までやっていた勉強法の中でよかったものと悪かったものについて科目ごとに書いていこうと思います。
自己紹介や公認会計士を目指した理由についてのnoteよりは文量が多くなってしまいました。
自分は2023年12月短答は不合格に終わったため、ここで紹介する勉強法は自分が短答に落ちたときに行っていた勉強法になります。
「この勉強を行っていたら絶対合格できない!」などと断言をするものではないことをあらかじめご了承ください。
短答直対演習、模試の成績と12月短答本番の成績
自分の短答直対演習、模試と試験本番の成績は以下の通りです。
(データ取っておいてよかった…)
短答直対演習
第一回 企業60 管理74(計44理30)監査80 財務132(計76理56)計346
第二回 企業65 管理31(計16理15)監査70 財務108(計68理40)計274
第三回 企業65 管理52(計22理30)監査70 財務132(計68理64)計319
第四回 企業60 管理46(計21理25)監査40 財務112(計64理48)計258
短答式全国統一公開模試
企業70 管理48(計23理25)監査70 財務112(計80理32)計300
12月短答本番 (2023.12.10)
企業90 管理42(計22理20)監査85 財務148(計84理64)計365 73%
(この時の短答はボーダーが75%だったので2%差落ちに終わりました。)
科目ごとの勉強法
ここからは12月短答までに行っていた勉強法について書いていきます。
企業法
企業法は粘り強く勉強していたこともあり、自分の中では最も本番で実を結んだ科目ですね。「テキストの加工を行いながら熟読→肢別を解く」という方針で勉強していました。(肢別チェックは5周目が終わったあたりから使わなくなっていました。)
~失敗談~
・短答直対での点数が振るわず焦りがあったのか、企業法に時間を使いすぎたことがまず挙げられます。本番は何とか90点をとることができましたが、本番前は相当焦っていたのを覚えています。
・次に、分野、出題範囲によって強弱をつけた勉強を行わなかったことも失敗だったと思います。重要度が高い設立、機関(配点15点以上)などの論点も、重要度が比較的低い金商法(高くても配点5点)の枝葉の論点も同じくらいの熱量、勉強時間をかけて行っていました。これが原因で企業法で消費する時間が膨大になってしまい、他科目に充てる勉強時間が削がれてしまったのだと考えられます。
~成功談~
・まず、自分は理解ベースの勉強を行うようにしていました。
自分はテキストの精読を何周も繰り返すという勉強法で進めていましたが、それだけでは完璧な暗記など不可能でした。暗記で乗り切れる場所は暗記で済ませていましたが、暗記しきれない場所は趣旨を自分なりにでも考えてみると腑に落ちる理解を得られることが多かったです。
・テキストの加工をしまくっていたことも成功だったなと思います。
ex)重要用語や重要な数字は赤、重要な文は黄色、趣旨は緑、例外は青、肢別チェックや答練で間違えた個所は赤下線 等
現にテキストの加工を行っていて、テキスト2周目に入るときもテキストの構造を理解しやすくなり、円滑に勉強が進んだなと思います。
↓実際のテキストの加工
管理会計論
本試験での圧倒的戦犯科目となった管理会計論について書いていきます。後の混乱を避けるため、
費目別、部門別、製品別計算(個別、総合、標準)→原価計算分野
CVP、予算管理、直接原価計算、(業務的・戦略的)意思決定、分権組織→管理会計分野
と呼んでいきます。
~失敗談~
・嫌いな分野を放置しすぎたこと。これです。
自分は管理会計分野に対する嫌悪感が本試験までに拭い切れず、試験現場での問題の見極めなどするまでもなく原価計算分野の計算を選択せざるを得なかったのです。それが原因で12月短答ではCVPが標準的な問題であったにもかかわらず、時間がかかる原価計算分野を選択し、まともに解けた計算2問、マーク運で1問の計3問しか正解できませんでした。
・理論の着手が遅すぎたこと、管理理論を軽視しすぎたこと。
先ほども書いたように11月までの自分は企業法、財務理論、監査論に時間をとられ、「40点分しか配点がない管理理論なんて11月後半でも間に合うっしょ。」というスタンスでした。そのため、やればやるだけ点数が伸びると言われる管理理論に割く時間が無くなり、本試験でも4問しか正答できないという悲惨な結果となってしまったのです。
・ステップ演習Iの回転数が少なすぎたこと
甘い。クリスマス2か月前になって焦ってマッチングアプリで恋人探すくらい甘い。
大原では例年配布されるステップ演習の復習管理シートに5周分のスペースが用意されていますが、自分はそのシートを使って5周しか回転しませんでした。そのため、管理計算の復習機会が少なくなっていき、答練での計算スピードが大幅に落ちてしまいました。
・自分が決めた時間配分が思うようにいかないと焦りを覚えてしまうこと。
これはあるあるかなと思いますが…。自分は短答管理の解答時間は先に理論を15分で、残りを計算に使うというプランで解いていました。しかし、理論の文量が多い回になると15分で解き終わらず計算への支障が出るのではないかという焦りから管理会計分野の理論を雑に読み進めることがしばしばありました。現にR6.Ⅰの短答では一番簡単と言われたCCCの理論を取りこぼし、不合格の大きな一因となりました。
〜成功談〜
管理については成功談ないです…笑
強いて言えば原価計算分野の計算が好きだったことくらいですかね。
監査論
運転免許の学科試験と感覚が似てるとも言われる監査論。しかし、勉強の方向を誤れば本番で大事故を起こしかねません。「一般常識でこれになりそうだな。」といった感覚で肢を選んでいると試験委員の先生の思う壺です。正解になりそうな肢を3つ散りばめられた途端に監査論の点数は不安定になります。
自分は企業法と同様にテキストの加工を行いながら熟読していくという方針で勉強していました。(肢別チェックは3周したあたりから使わなくなっていました。)
~失敗談~
・毎授業終わりの復習を疎かにしたこと。これはほんとに反省点。
自分は大原のスケジュールに則って進められていたため監査論の講義は6月くらいに終わっていましたが、スケジュールに追いつくことに必死になってただテキストを雑に読み、加工を行うだけという作業で復習を完結させてしまっていました。
・8月まで監査論にかける時間が異様に少なかったこと。
理由はその時期がステップ演習開始時期で財務、管理に時間を使っていたためです。下の棒グラフの赤色が監査論です。よくこんなんで12短も5短も85点なんて取れたな。
・9月まで「一般常識的にこれでしょ。」の感覚で問題を解いていたこと。
これは監査論の学習が浅い時期にありがちなミスです。少しきついことを言いますが、そんなんで解ける問題なら誰も学習に苦労しません。当時の自分はそのことを分かっていても肢別チェックがある程度解けていたので、「受験生の立場から実務の内容を想像するなんてできるか。」というスタンスで監査論の深い学習を怠っていました。
・監査の歴史等の分野が手薄だったこと
当時の自分は監査論をどうにかして本番に間に合わせられればいいという感覚で勉強していました。そのためボリュームが大きい監査主体論、監査実施論、監査報告論等の論点の復習は重点的に行っていましたが、配点が小さいであろう監査の歴史にはほとんど手を付けないまま短答本番を迎えました。
(見事に監査の歴史から1題出題され、5点失点しました。)
~成功談~
・9月の短答式本試験体験Dayでボッコボコにされたこと。大原あざっす。
失敗談に書いた通り、自分は9月まで「一般常識的にこれでしょ。」のスタンスで問題を解いていました。そんな中で9月10日、大原の本試験体感Dayの監査論で50点をとってしまい、猛反省の後に勉強法を改め、テキスト熟読マンになりました。
・テキストの加工をしまくったこと。
企業法もそうですが理論科目はテキストの加工をして構造を掴みやすくしていました。
・自分なりに趣旨を考えつつ学習していたこと
ex)サンプルの入手において運用評価手続の内部統制の逸脱と実証手続の虚偽表示について調べる場合、推定が必要なのはどちらか。なぜもう片方は必要ないのか。
企業法の勉強とこれも共通します。範囲が膨大な会計士試験では自分が理解し難い分野、腑に落ちない分野については投げ出したくなることがありますが、そんな時こそ自分なりに腑に落ちる趣旨や理屈を見つけてほしいんです。それが本当の理由でなくても構わない。屁理屈でも点取ったもん勝ちです。
財務会計論
いよいよ大トリ財務会計論です。
「財務会計論を制する者は会計士試験を制する。」と巷で言われてはいますが、その反面、財務で点数の振れ幅が大きいと不安も大きくなりますよね。
財務については計算と理論に分けて書いていきたいと思います。
計算編
財務の計算は8月までは問題集中心に進めていました。
もう余裕で解けると思った場所は5回くらい、何回か間違えた場所は15回くらい解き直してました。短答直前期は短答直対で間違えた場所を中心に解き直しを行っていました。
~失敗談~
・ステップ演習の回転数が少なすぎたこと。まずこれです。
大原のステップは神教材だと個人的に思います。
当時自分は大原のステップ復習管理シートの欄が5回目までしかないことから、「まあ5周すればいいか。」と思っていました。甘いですね。スタバのマカダミアホワイトスノーモカくらい甘い。ちなみにマカダミアホワイトスノーモカ美味しかったです。もう2回飲みました。
回転数については少し長く書きます。
→初学だった自分が過年度生を相手にしたとき大きく劣っていること、それは問題形式の既視感がないこと(これは初学者は当然)、初見での対応力、計算スピードです。与えられた資料から回答にどれほどの時間を要するかの判断力がどうしてもものを言います。
自分的にはこの感覚を養える場の一つとしてステップ演習があると今になると思います。各回ステップ演習初受験時に高得点が獲れないことなんてたくさんあります。でもこれを読んでくれている人の多くの第一関門はステップで高得点を獲ることでなく短答に受かることです。
個人的にステップは重要論点(ステップでⅤテキまで1周するまでの範囲)は100点を連発できるようになって問題の答えを覚えるくらい解けばそこからは解く頻度を落としていっても大丈夫だと思います。
自分は回転数が少なすぎた結果、短答本番で財務計算の網羅的な既視感と理解が抜け落ち、埋没の投資不動産に時間をとられ、どうしようもないミスを連発してしまいました。
・Ⅳテキ(組織再編)Ⅴテキ(個別C/S、本支店、本社工場)を諦めていたこと。
当時の自分は組織再編、個別C/S、本支店、本社工場に対して嫌悪感がありました。最初にこれらの分野の講義を受講していた時から興味が明後日の方向に向いていたのを覚えています。とりあえず講義消化するみたいな。
しかし、嫌いなまま放置した論点ほど出題されるとはよく言ったもので、吸収分割が出題され、8点飛びました。当時から満遍なくステップを回しておけばよかったなと後悔した瞬間でした。
・短答直対の復習の仕方を誤ったこと。
財務の短答形式の演習で点数の振れ幅が大きいと不安も大きくなるということは前述しましたが、自分はこの不安をもう一度2時間計って解き直すことで紛らわせていました。1回目に解いたときより高い点数を出すことで安心したかったんです(これが本当の実力だ!的な)。この復習方法は2時間で解き終わる量を4時間で解いていることになるのでとてもタイパが悪かったなと思います。正答した問題は軽く解説に目を通し、間違えた問題の復習、解き直しを深く行っていればよかったです。
・連結の問題のクイック・メソッド(他校ではタイムテーブル)の習得が遅すぎたこと。
あれ本当に便利ですよね。実は自分、このクイック・メソッドを短答本試験体感Dayまで習得せずに仕訳で解いていました。その日に連結で壊滅的な点数をとってから必死で習得をしましたが、本番では連結で2問も落としてしまいました。
~成功談~
・試験直前も財務計算の時間をしっかりとっていたこと
受験生の中には短答直前になると理論科目の勉強に手を取られて財務計算の時間が0時間の日を作ってしまう人もいるという話も聞きますが、自分の場合、企業法に時間をとられていたとはいえ財務計算には毎日触れていました。計算は丸1日触れないと一気に衰えを感じるので計算に触れない日を作るのはあまりお勧めしません。
理論編
多くの人は財務理論は計算の知識との擦り合わせで学習するのが効率的と言いますが、これは本当にその通りでした。ちなみに財務理論の勉強法は企業法と監査論同様、テキストの精読、加工でした。(肢別チェックは5周が終わったら使わなくなっていました。)
~失敗談~
・問題文を丁寧に読む癖を短答直対でつけなかったこと。
短答直対を第4回目まで受け切った方なら誰しも経験したことがあると思いますが、採点した時に「なんでこんなとこ間違えた?」という感覚に陥ることがありました。大体こういう時は問題文を丁寧に読まず、イージーミスをしているときです。「これ正解3肢あるでしょ。」と思ったときほどその3肢を注意深く読んでみてください。
~成功談~
・自分なりの趣旨を考えていたこと、テキストの加工を行っていたこと。
これは企業法、監査論と同様。
・計算とのリンクに重きを置いた学習を行っていたこと。
財務理論では計算で行う会計処理が「なぜそのような会計処理が行われるのか。」という趣旨も学習します。この趣旨を馬鹿にせず短答期から学習することで財務計算の紛らわしい処理の混乱を避けて学習できました。また、12月短答に1発で通った自分の友達は財務計算で間違えた箇所を理論の教材にメモしていたそうです。
ここまで読んでくれた方々、ありがとうございました。
今回は自分が12月短答(不合格)までに行った勉強法として良かったもの、悪かったものを成功談失敗談という形で書いてきました。
これから、5月短答(合格)までの勉強法や、5月短答受験者の租税経営との向き合い方についても書いていきたいと思います!
少しでも良かったと思っていただけたら嬉しいです。
皆さんの12月短答での健闘、合格をお祈りします。