ゼロから始めたRTAイベント・WEB-RTA-OFF編
こういう記事を書いたので、じゃあ実際僕が立ち上げたイベントのときにどうしていたかというのをつらつらと書いていく。
そもそもWEB-RTA-OFFとは? という方向けにざっくり説明すると、大阪で開催している小規模のオフラインRTAイベントである。
(初回を開催したときはまだ北海道在住だったが、まあ、ね?)
会場について
会場となるWEB-STA(※年末で閉店)だが、私が北海道に転居する前によくオフラインイベントで利用していた会場でもあった。特徴としては下記があげられるだろう。
主に格闘ゲームのオフラインイベントの実績あり
騒音系もよっぽど暴れたりしない限り大丈夫だった
なんなら主催だったことがある
小中規模イベント向けのキャパシティ
業務用インターネット回線が有線で利用可能
回線がダウンしたことは聞いたことがない
会場内のいたるところから電源を確保可能
レンタルノートPCあり
貸し切りができ、貸し切り用のレイアウトに変更してもらえる
と、以前から利用していたということを差し引いてもイベント向けの会場であったので、大阪でオフイベやるならここしかない! という感じだった。
最初の記事で述べていた「自分の手ではどうしようもないこと」はある程度クリアしている状態だった。
機材周りについて
もともと持っていたもの
audio technicaのやっすいマイク
audio technicaのちょっとちゃんとしたマイク
これらはウェブスタに共用機材という体でおきっぱにしていたもの
ウェブスタからレンタルするもの
IODATAのゲーミングディスプレイ
各種ケーブルなど
Avermedia GC331 ※USBキャプチャーボード
持ってくるつもりだったもの
OMEN 15-dh0015TX ※旧モデル
CPU:i7-9750H
NVIDIA® GeForce® GTX 1660 Ti
今年の転居前までバリバリ現役で配信に使ってたもの。
FHD配信しながら画面共有しても問題ないレベル
サンダーボルト端子さえクリアできれば4Kキャプチャできるいい感じのもの。プチフリーズとかも今のところは見たことがない。
で、これで賄う予定だったんですが、ウェブスタ常連のハーティアさんから別イベントで使っている機材を貸してもいいとの話があり、これに甘えることに。追加された機材が下記である。
配信用デスクトップPC
メモリ:8GB×2
グラボ:Radeon RX 570
CPU:Ryzen 5 2600 6core
PCI-eのキャプチャーボードは忘れた(ちょっと古いやつ
配信だけを行う想定
SHURE ( シュアー ) / WH20XLR ×2 ※ヘッドセットマイク
これはのちに購入した
とまあ、もともと持っていたものもあって、ここは昔イベントを主催していてよかったなあと思うところがあった。
(なので、本当にゼロからというわけではないのでちょっと参考にはなりづらいかもしれない)
第1回を経て必要だと感じて購入したものが、Retrotink5xである。
当日の配線・映像分配・音響など
上記画像を作ったサイトが死んでいたので、仕方がないが残っていた画像で代用する。
映像の話
初回は並走を受け付けていなかったため、下記の構成で対応していた。
HDMIゲームハード or PC
HDMI分配器
モニターとPCのキャプチャーボード
非HDMIゲームハード
2分配ケーブル
ブラウン管テレビとHDMI変換器
PCのキャプチャーボード
上記でやったところ、めちゃくちゃ問題点が出た。
HDMI機器経由だとディスプレイの映像がラグい
特にPCの場合が顕著だった
ウェブスタのHDMI変換器がスーパーファミコンタイトルをうまく変換できなかった
画面がとても乱れていた
前者は分配器を経由していたせいで、PCタイトルでは144Hzの信号を出してしまっていて、変換器を経由したことでいろいろと不都合が起き、ラグの原因になってしまっていた。
キャプボのパススルーから出せばよかっただけの話なのだが、結構テンパっていてそこまで頭が回っていなかった。ここも反省点の一つである。
#0の時のPCタイトル走者の方には本当にご迷惑をおかけしました、この場を借りて改めて謝罪させていただきます。
そういった経緯があり、#1の開催前にRefunct走者のyotaniさんにご協力いただき、パススルー前提などなどで検証に付き合っていただいた。感謝。
後者の変換映像が乱れてしまっている件は、よくある四角のHDMI変換あるあるだった。仕方がないのでGV-USB2に切り替えようとしたところ、観覧に来ていたアジーンさんがこんなこともあろうかと、ということでRetrotink2xを貸してくれ、その場を乗り越えることができた。
ここで、Retrotink5xの購入を決意した。なお、今は気に入りすぎて外イベント用のRetrotink2xproを購入しようか迷っている。
そんな#0での反省点を踏まえ、#1では下記の構成となった。
HDMI機 or コンポジット→Retrotink5xでのHDMI出力
配信用PCのキャプチャーボード
パススルーからディスプレイへ
HDMI機での並走があったため、それはウェブスタからレンタルした追加のキャプチャーボードで対応した。
事前の洗い出しもあり、勝ったなガハハと構えていたのだが……
#1では1タイトルだけ、オンラインでの解説参加があった。事件はそこで起きた。なんとDiscordの画面共有を立てると、配信が3FPSくらいまで落ち込んでいるではないか!!! これの確認が遅れてしまい、序盤は紙芝居どこではなかったので、解説の人にしばらくTwitchの映像を見てもらうことで対応してもらい、なんとかして解決策を探すことに。
後述の通り、会場向けに配信PCからOBSの全画面プレビューを出力させ、HDMI分配器を介して会場内のディスプレイに分配していた。
ここにポートが1つ空いていたため、ここからHDMI出力を取り、空いていたウェブスタノートPCからLilithさんのDiscordアカウントでログインし、OBSを立ち上げて画面共有……という半ば力技で解決していた。
オンライン解説に関しては次回もそうなる予定である。
とまあ、そういった形でDiscordのオンライン解説を成立させていた。
音声の話
初回はオンライン解説がなかったので、下記の通りにやっていた。
ゲーム音声
配信向けにはキャプチャーボードより
会場向けにはPCのモニタからスピーカー出力
ミキサー音声
入力
走者、解説マイク
会場内集音マイク
指示出し用マイク
出力
メイン出力(5φフォーン→3.5ステレオジャックでPCのライン入力に)
モニター出力(5φフォーン→激安ギターアンプ)
ゲーム音に関しては、#0はパススルーを用いていなかったので、PCタイトルの音がめちゃくちゃ小さいという問題があった。
こちらはパススルーを使い、HDMI出力に音声を全部持って行ってもらうことで解決できた。
#1ではDiscordのオンライン解説があったため、PCの音声出力からミキサーのRCA入力に差し込み、会場のスピーカーからのみ出すという方式をとっていた。間違えると音声がループするのでここは結構慎重に操作していた。
この時にはOBSのアプリケーション音声キャプチャが実装されていたので、Discordのアプリから音声キャプチャすることで、配信への音声もクリア。
会場内の話
先述の通り、会場内のモニターにHDMI分配で送っていた。初回は全員座り見だったので、腰が爆発した参加者の方が数名いたため、店舗と交渉し、パイプイスを#1から数脚導入した。
音声はモニターのスピーカーから、マイク音声はギターアンプからで十分行き届いていたので、クリアできていたと思う。
会場内のちょっとしたガヤが気になるという話があったので、やっぱり理想はヘッドホンなんだけれど、それをやるにはミキサーから買い換えないといけないので、しばらく様子見。
イベント運営面など
初回は配信情報の書き換え、テキストの書き換えから何から何まで手作業でやっていたので、本当に大変だった。
ここだけはなんとかしなくてはいけない、と何かツールを探していたところ、テロップアシスタントというツールを発見。
これだ! とそそくさと準備を進めていたところ、またしてもアジーンさんからありがたい申し出が。
「Long Speedrun Summit用に組んだNode.cgがきちんと動作するかテストしたいので、WEB-RTA-OFFで使ってほしい」
神か? と断る理由もないので快諾。#1ではこのNode.cgのおかげでセットアップにかかる時間が激減した。
レイアウトの微調整、フットスイッチ用のツールまで制作してくれて本当に頭が上がらなかった。感謝。
そのほか、当日の細かいセットアップは事前に依頼していたLilithさんのヘルプもあり、スムーズに回せていた。改めて本当に感謝。
最後に
とまあ、ウェブスタでやりたい! という見切り発車から始まり、数々の問題にぶち当たりながらも、周囲の協力によって解決することができていた。
下地の部分がかなりあったので、本当にゼロから、というわけではないが、これからオフラインRTAイベントをやろうとしている人たちの参考資料になるのであれば幸いである。