ゼロから始めるオフラインRTAイベント
自分が書いた記事がほぼメモ書きでナメてるので、きちんと順序だてたヤツをちょっとずつ書いていこう計画。
オフラインRTAイベントと書いているけれど、オフイベ全般に共通することもぼちぼち書いてるかも。
あくまでぼく個人はこう思ってるよ的な指標なので、オフラインイベントに挑戦する人の助けになればいいな、くらいの温度感。
筆者がひねくれているのでちょこちょこひねくれた表現があるのは許してほしい。
おいこれ足んねーぞ! とかなんかあったらお気軽にお申し付けください。
以前の記事ってのは下記の2つ。
おまえだれやねんって人向けには、最近オフラインRTAイベントちょこちょこやってる人です、ってことで!
この記事をベースにした、上記イベントでの実例編は下記記事より。
他にも格ゲーイベントとか、スマブライベント運営手伝ったりしてたよ。
0.この記事の対象者
前述の通り「オフラインイベントをやりたい人」なのはもちろんのこと「オフラインRTAイベント」をやりたい人向けにちょっと寄っている。極力ハードルを下げたいという意図で書いているので、機材をそこまで追加購入しなくてもいいようには書いてある。
半分くらいは、普通のオフラインイベントにも共通するかもしれない。
1.会場選びあれこれ
何はともあれ、まず大事なことなので真っ先に決める。
ボードゲームカフェでも会議室でもどこでも大事なことは共通している。
大事なのは「自分の力ではどうしようもないこと」を最優先に決める。
ざっくりいうと
インターネット回線の有無、および種別
会場の設備とキャパシティ
ある程度騒いでもいいかどうか
である、一個ずつ記載して行く
会場インターネット回線の有無
配信しない! というのであれば読み飛ばしてOK。録画オンリーのRTAイベントもアリかもしれない。(ウケるかどうかはともかく)
泣いても笑っても念じてもインターネット回線が生まれるわけではないので、ここはきちんと確認しておく。
大きなポイントとしては
有線で引っ張ってこれるかどうか
配信を行っているイベントの例があるか
の2つがやはり大きいと思う。
無線でしか提供されていない場合、SNS用とかだったりするので、満足に配信ができる回線ではない可能性が高い。
無線のウィークポイントとしては、会場に来る人向けに開かれていることが多いので、会場の人間が一斉に使うとめっちゃ弱くなったりすることもあるのがネック。
しかし、無線のみの提供だったとしても、その会場で行われたイベントの動画などがあるのであれば、それを見れば概ね把握できるかと。
とはいえ、理想はきちんと現地に赴いて配信テストがいいっすね。
ちなみに、配信画質を720p30fpsまで落とせば、ポケットWiFiでの配信は可能。過去にそれで行っていたスマブライベントがあります。
1080p60fpsは……微妙、そこまできちんと太いポケットWiFiがあるかどうかは詳しくないので、もし体験談などあればご提供いただければ!
会場の設備とキャパシティ
会場のどこから電源が取れるか
配信スペース、本番スペースを確保できるか
ある程度の荷物を置けるスペースがあるか
いろいろ込み込みでどれだけ人間が入れるか
人間と機械両方がないと成立しないので、どちらかを切るというのは無理。RTAイベントの場合、配信スペースと走者の本番スペースがあれば最低限なんとかなるが、対戦ゲームとかの場合、設置台数に応じてどんどん機材が増えてスペースが削られていくので本当に大変。
会場に下見に行った場合、ざっくりどこに何が来るかを想定しておき、フリーになる場所を把握しておくとよさげ。この時「イベント中は基本的に立ち入られたくないゾーン」も把握しておくこと。
最終的に、それからどれだけの人間を呼べるかを割り出していく。このご時世なので「思ってるより1割少ないくらい」でやっておいた方がいいかも。
ある程度騒いでもいいかどうか
クッソ大事である。特に会議室やら公民館、マンションの1室系のスペースを借りるときはしつこいくらいに確認しておいた方がいい。
同じ会場、近隣施設から苦情が来たら基本的に一発BANで出禁である。会場側とやり取りするときは「こういうイベントでこれこれこうでちょっと音出すと思います」くらいは最低限言っておく。ゲームの音をちょっと大きく出すだけでも余裕でアウトだったりするので本当に大変。
オフイベの開催実績がある会場だと、このあたりに理解があったりするので話がスムーズに進めやすかったりする。ただ、だからと言ってハメを外して大騒ぎしていいわけじゃないので要注意。
とまあ、いろいろ書いては見たものの、基本的に家で配信する延長線上だと思っているので、会場をきちんと下見しておけば大丈夫だと思う。
2.配信環境あれこれ
会場が決まったなら配信ができる環境を整えようという話になる。
理想を言えばデスクトップPCでバリバリゴリゴリに配信ステーションを組むのが理想だが、運搬から何からハードルが高すぎる。というわけでおそらく下記の構成になると思う。
ノートパソコン
ほぼ必然的にゲーミングノートPCになるかと
キャプチャーボード ※ゲーム画面で後述
USBマイク ※音響で後述
ノートパソコンの要点としては
OBSで配信ができる(最低限)
オンライン解説を受け入れる場合、同時にDiscord画面共有を行っても問題ないこと
どうしても難しい場合、何かしらの方法で拾った映像を別PCから共有する
NDI組めるならNDIがおすすめ
OBS全画面プレビュー+HDMI出力音声を別PCでキャプチャという力技もある
USBポートがある程度多い
HDMI以外に映像出力があるといい
ディスプレイ増やせるに越したことはない
あたりが考えておきたいところである。
GPUのないノートパソコンだと配信でギリだったりする上、OBS配信と同時になんらかの作業がほぼ無理になる可能性が高い。
ので、できたらGPUを積んでるいい感じのノートPCが理想。なければデスクトップPCを頑張って運ぶしかない。
USBポートは内部できちんと分かれているかもそうだが、とりあえずノートPC自体にどれだけあるかは確認しておきたい。
USB3.0のキャプボ刺したらあと埋まりましたなんてことも珍しくはない。
そして、当日はデュアルモニター以上を強くお勧めする。モバイルディスプレイがあればそれを使うに越したことはない。
1画面での作業は絶対にモタつくのとミスの元でもあるので……
配信レイアウトやら、表示情報あれこれは多分ここより詳しい記事があると思うので割愛。
OBSソースのテキストが簡単に変えられる、テロップアシスタントっていうツールはアツい。Node.cg用意しなくてもそれっぽいことができる。
3.走者のゲーム画面あれこれ
ディスプレイの手配
レトロゲームハードをどうするか
PCがやってきたときの扱い
基本的に、HDMIをキャプチャすることになると思うので、HDMI出力してもらう必要がある。
となると、よく問題点になるのはレトロゲームハードと持ち込みPCである。
ディスプレイの手配
できたらゲーミングモニターとかを用意したい。最悪、HDMIが刺さるPC用モニターであれば、低遅延をうたっているテレビよりかはマシ。
レトロゲームハードへの対応
箇条書きでざっくりまとめると
三色端子をHDMIに変換する機器でキャプボへ
以降はパススルーなどを使ってディスプレイへ
大抵ラグいのでRetrotinkとかでもない限り、HDMI変換映像を見せてプレイさせるのはお勧めしない
三色端子をそのままキャプチャーへ
2分配させればいいだけなので楽といえば楽
映像信号が弱くなるので場合によっては無理かも
Retrotink5xのようなラグの少ないアップコンバーターを用意できればそれに越したことはないが、高いのでなかなか難しい。
オフイベの環境の差、ということでのみ込んでもらうとして、会場に備え付けのテレビだのを使う手もなくはない。
コンポジットRCA(三色端子)が刺さる系のモニターがあればそれを使うのもいいと思います。RCAの分配ケーブルはそこまで高くないので。
RCAキャプチャの強い味方「GV-USB2」でレトロハードはキャプチャする、と決めておいてもよいかもしれない。
その場合、インターレースの解除などはきちんとやっておくこと。
PCへの対応
PCを複製モードで映像を出してもらう
HDMI出力側に音声を回してもらう
こうしないとキャプボに音が流れてこない
解像度調整、音声調整などなど、コンソール機器とは段違いで細かい調整が必要なので、時間にタイトなイベントの場合PC応募はばっさり切ってしまってもいいかもしれない(RTA in Gunma #2がそうだった)
特に音声回りは後述の音響とかにも引っかかってくるが、走者に聞こえるようにしておくというのがまあまあ大変である。
4.音響回りあれこれ
ざっくり出さないといけない音は下記だと思う。
走者のゲーム音
会場にいる走者・解説のマイク音
Discord音声 ※必要に応じて
それぞれどう聞こえるべきかと分けると
配信に乗せる&会場で聞こえる音
上の三つ全部
走者・解説のヘッドホン(あれば)
ゲームの音、解説の声
解説Discord
ゲームの音、走者の声
とまあ、トラブル起こるとすればだいたい音声関連だったりするので、やっぱりここが一番大変という印象がある。
小規模開催の場合は下記で解決しちゃうってのもあり(名古屋RTAでの小規模開催時を参考)
走者・解説音声
USBマイクでPCに入れる、会場には地声で響く分だけ
ゲーム音声
キャプチャーボードで配信に乗せる
会場にはモニタから出る音をスピーカーで出す
Discord音声
筆者が参加時はなかったが、おそらくPCから頑張って出して聞いてもらうとかなのかな
ぶっちゃけ、これでもある程度十分だとは思う。
声が聞こえにくいとか、細かい音量調整をする必要が出てきてから、ミキサーを購入したり、スピーカーを導入したりで音声管理する方針でいいと思います。
ちなみに、ミキサーを導入した後も、走者にヘッドホンとかを提供しないのであれば、マイク音声とかだけで管理できるので割と楽。
ゲーム音声もまとめてミキサーで管理する場合は、HDMIからオーディオスプリッタで音声を拾うなどが必要になってくる。
走者にヘッドホンをしてもらうメリットは、会場内の余計な音を聞こえなくさせる効果がある。
観覧向けには難しいので、本番中は静かにしてもらうなどはイベントごとに指針を出した方がいいかな~というところ。
ミキサー導入実例としては、配線は下記の形になる感じ。
入力
マイク各種
PC音声(Discordの音声)
聞き専DiscordアカウントとPCとかタブレットあるといいかも
ゲームの音声
キャプチャーボードに入れる手前のHDMIからスプリッタで拾うといいかも
出力
2系統以上は欲しい
配信に返す音をメインにする
USB接続できるミキサーだと音声デバイスとして認識するので楽
会場内スピーカーに返せるReturn端子やらサブ出力あると良き
スピーカーは小~中規模イベントならギターアンプで十分
映像も同様なのだが、何がどことつながっていて、どういう風になっているかを必ず把握しておく。
不安であればスプレッドシートの図形とか、紙への手書きでもよいので配線図を事前に作成しておく。
5.観戦・待機スペースあれこれ
さて、ここまでそろったのであとは会場向けの観覧環境をどうするか、という話になる。音響は先述の通り、どこまで返すかによる。
映像に関しては配信PCが2出力以上出せるのであれば、OBSの全画面プロジェクタを用いる手はある。それが難しければ、ゲーム画面だけでも分配器で移しておくと良い。(ただ、分配器はラグが出ることがあるが……)
長時間にわたるイベントの場合、椅子がやっぱり必要になってくる。となると観覧できるスペースというのは必然と狭くなってしまう。
椅子をどう配置できるか、どう見えるかはある程度やらないと見えないところもあると思うので、会場と要相談なところ。
(そもそも椅子がないとか、動かしちゃダメとかもあるので)
6.当日の流れあれこれ
運営サイドから出す指示、やるべきことをざっくり箇条書きする。
切り替えの時には必ずマイクなどの音量を下げるorミュート!!
走者への指示、お願い
ゲームハードの配線
映像ケーブル系は「どこに何を差し込む」まで説明する
電源系は決まりがあるなら守ってもらう
マイク系の音量の確認
だいたいの人はマイクテスト用の長めの文章とかは用意していないことが多いので、その時は運営側から雑談を振ったりする
ex.今日何食べましたか? 改めて意気込みは何ですか? とか
配信系の操作
音量確認
ミキサーを経由している場合、ミキサーのモニタリングを使う
最終的にOBSに入っている音量もきちんと確認する
必要に応じてOBSのモニタリングで確認
画面切り替え、配信レイアウト調整
タイマー操作
何かしらのデバイスで走者にお願いするのもあり
配信タイトルなど情報の確認 ※とくに忘れがち
その他イベント関連
チャットモデレーション
可能な限り誰かにお願いする
Twitter担当
こちらもできたらお願いする。
TweetDeckでチーム運営的なのはできるのでそれでやる。詳しいやり方は検索して><
ま、マジでやってみないとなんもわからん、みたいなところもあるので「やってみたい!」って思ったらじゃんじゃんチャレンジしましょう。
思ってるより助けてくれる人はいる(特にRTA界隈)ので、困ったら人に頼りましょう。
質問とかある程度答えられると思うので、僕で良ければ気軽に聞いてね。