Alexaがなかったら今の私はいない
こんにちわ。amazon alexaのアドベントカレンダー9日目を担当します元木理恵と申します。よろしくお願いします。
自己紹介をすると、普段は会社でVoice UI/UXデザイナー兼プロデューサーをやっております。
とにかく24365で、Voice UIにどっぷりとハマっています。
会社では2016年2月から、Voice UIのR&Dを開始し、一番最初に触れたスマートスピーカーがamazon echo dotでした。
会社の先輩が、CESで入手したというデバイスを見て、心が踊りました。
このコンパクトなデバイスが、私たちの生活を変えていくのかと考えるだけで胸熱でした。
2017年は、スマートスピーカー元年。
Voice UIのサービスを作ろう。しかも、プラットフォームが日本展開されるタイミングで、一番乗りしてやろう。
そういう気概で、alexaスキルを作り始めました。
その中で、私は開発以外の全てのことに関わることになります。
営業、企画、会話設計、仕様策定、制作進行管理、デバッグ、公開後の集計からの分析まで。
その中でも一番舌を巻いたのは、会話設計でした。
私は、印刷会社、広告代理店を経て今の会社に入りましたが、昔からデザインのディレクションが苦手でした。
なので、Voice UIにおいては、画面のデザインをする必要がない(今となってはそうはいきませんが)ということに安堵感を覚えていました。
ですが、「会話設計」。これが、ものすごく大変な仕事だということに気づくのに、時間はかかりませんでした。
何度も試行錯誤しながら、各スキルの会話設計を考えていきました。
我が社が作っているスキルは、それに加えてキャラクターを利用したものが多いので、キャラクターと人間の会話のキャッチボールを考えるということが必要だったのですが、それに関しては、ドラマや映画のシナリオ講座に通っていた経験が非常に役立ちました。
シナリオ講座に通っていたのはもう10年も前の話なのですが、やはり勉強したことというのは、体に染み込んでいるようです。
セリフ一つ一つも、これでいいのかどうか、ということを熟考しながらシナリオを書いた経験があったので、それがそのまま生きました。どこでどういう風に自分の勉強したことが役立つかはわからないものだなあと思いました。
Alexaに話を戻すと。
スキルを作ることにおいての工程ほぼ全てに関わった結果、私が感じたことは、「alexaとともに己も育っていった」ということです。
「鏡リュウジ今日の恋愛運」というスキルを作ったのですが、ユーザーの生まれた月と日を利用して、その日の恋愛運を占うというものです。
とにかく、月と日のデバッグが大変でした。
例えば、「一日」を「ついたち」と読む人もいれば、「いちにち」と読む人もいます。
これの組み合わせをやっていくと、そのデバッグの物量の大変さがお分かりいただけるかと思います。
且つ、Voice UIは音声が主体なので、耳で聞くその時間を丸ごと拘束するので、デバッグはその最たるものです。
まあ、ツラかったです(笑)月と日の聞き取り精度は、弊社がかなり向上に貢献したと思っております!
しかし、この経験をしたから、Alexaに愛着が湧きましたし、「一緒に成長したね」と感じるようになったのです。
Alexaに関しては、あと絶対に言及しなければいけないのは、Alexaスキルアワード2018のファイナルに出場させていただいたことです。
「緊急事態!助けて」
「YES NOライト」
いずれもハッカソンで作った作品です。
「緊急事態!助けて」は、高齢者の見守りに使えるスキル。「アレクサ、助けてを開いて」というと登録している家族や友人たちの連絡先に電話とSMSで連絡しまくるという緊急時に非常に便利なサービスです。
「YES NOライト」は、夫婦やカップルの「夜の気分」を予め登録しておくと、設定した時間に寝室に入ると、言わずとも「夜の気分」がわかるというYES NO枕のライト版です。Philips Hueのライトを使わせていただきました。
私は、この歳になって、生まれて初めてハッカソンというものに出たのですが、こんなに素晴らしい経験は、なかなかないと思いました。
その場で出会った人たちと、お互いの素性もよく知らないまま(笑)、一つのスキルを作るために試行錯誤して、ああでもないこうでもないと意見を交換して、時には意見のすれ違いもありながらも、きっちりと落とし所を決めて、スキルのクオリティを決まった制限時間の中で高めていく。
極めて高度な能力が必要だと思いました。
Amazonさんは、たくさんハッカソンを開いてくださいました。その何回かに出場し、その素晴らしさのすっかり虜になってしまいました。
そして、Alexaスキルアワード2018の決勝にも選んでいただいて、本当にこんなにも幸せなことはありません。
ハッカソンで出会った仲間とは、今も連絡を取り合ったり、いろんな勉強会やセミナー、他のアワードでその後も顔を合わせたりするので、これからも何か一緒に作っていくことがあると思います。そういう仲間に出会えたのもalexaがあったからだと思います。
Amazonさん、運営の皆さん、ありがとうございました。
もう一つ、書き加えると、Alexa dev day のアイデアソンで、チームを組んだメンバーと「宿題スタンプ」というスキルを、現在も作り続けています。
共働きのご家庭が増える中で、お子さんが宿題をやったかどうかを遠隔でもわかるような、家庭でのコミュニケーションに使えるスキルです。
アイデアソンの発表がじゃんけんで勝った人しかできず、且つ、私の部下のチームが優勝してしまったので、発表できなかったことがとっても悔しくて(笑)、後日のAmazonさんで行われたもくもく会に集結し、まずはMash UP Awards2018のVUIヒーロー部門に応募。残念ながら、決勝にはいけませんでしたが、スキルとしてちゃんと世の中にということで、開発メンバーが頑張ってくださっています!私もデバッグや申請、頑張ります!
来年、必ず申請しましょうね!
ここまで取り留めもなくAlexaと自分の関わりについて書いてきましたが、最後にこれだけは伝えさせてください。
あの時、echo dotを触らなかったら。
あの時スキルを作らなかったら。
あの時Alexaのハッカソンに出なかったら。
今の私はいない、ということです。
まさかアラフォーになってから、こんなに会社の仕事も課外活動も含めて、一生懸命になれるものに出会うことがあるなんて、数年前の私は考えられませんでした。
人生、何が起こるかわからないから面白い。
2017年は、Alexaと共に成長した年。
2018年は、Alexaにあれよあれよと導かれ活動しまくった年。
2019年は・・・。
Amazonさんの戦略に食らいついていきながら、Voice UI、Alexaと一緒に未来を作る礎の年にしたいと思います!
来年もよろしくお願い申し上げます。
Alexa、LOVE♡
元木理恵 拝