ジュラシックワールドと新型コロナウイルスの世界一大雑把な現状解説

「ジュラシックワールド 炎の王国」を金曜ロードショーで観ました。
ジュラシックワールドは言わずもなが
スティーヴン・スピルバーグ監督、ジュラシックパークの続編であり
シリーズ第五作目、恐竜と人類が同時に存在する現代の話。な訳ですが、
私 初めて見ました。ジュラシックパークもジュラシックワールドも全く見たことがありません。そして観て思いました。
「あっこれ、パニックムービーなんだ」と。
恐竜と主人公が心を通わせ、困難に立ち向かうハートウォーミング系ムービーだと思っていました。「ドラえもん のび太の恐竜的」な?

全然違った。
恐竜と人、全然心通ってなかった。(一部イケメン除き)

そして、とても有名なジュラシックパークの冒頭。なぜ恐竜が復活できたかについて、「琥珀に閉じ込められた蚊の腹部の血液から恐竜のDNAを採取」というお話。(冒頭の通り、ジュラシックパークは未見です。この有名な話は知識として知っているだけですので、詳細間違ってたらすいません)
実際は不可能です。
分子生物系の大学を卒業しおよそ10年、今も遺伝子を仕事にしている私が大雑把に解説いたしましょう。(ただし、大学の偏差値は55前後。しかも学部しか卒業していない。今の仕事も最下層の研究助手。)

①DNAってそんなに長持ちしない
なんでもそうだと思うんですが、形あるものは全て壊れる。そんなに完全な状態を保ったまま物質は長持ちしません。DNAも同様です。いくら琥珀の中でも6600万年前の遺伝情報はほぼゼロ。極わずかな断片ならあるかも?とは思いますが。

②現代の遺伝子工学はそんなに進んでない
遺伝子工学ってざっくり言うと遺伝子を切り貼りしたりする分野なのですが、「ゼロからイチ」にするのはまだまだ不可能なのです。
何にもないところ「0」から恐竜「100」は厳しい。
じゃあ、似てるカエルとかワニとかの遺伝情報、切り貼りしたら恐竜できるんじゃない??って思いました?
そうはいかんのです。
遺伝情報は生き物の設計図的なものなのですが、実はまだまだわからないことだらけなのです。
これまた大雑把に言うと、だって遺伝情報っていう設計図、何がどこに書いてあるかわかんないの!
例えば、
髪の毛の作り方が設計図の5、12、19、99、1298、1312、3526ページにそれぞれ書いてあるといわれてて・・。まあでも、完全な髪の毛が作れた人間はいないのだが。しかもその設計図「A、G、C、T」という謎の言語で書かれてるんだよなー。設計図に目次ないし。・・て、なにー!?最近の研究で1298ページのは関係ないっぽいだと?1298ページより1230ページがいいだとー??!え、でも1230ページをおススメしてる人って数人しかいないや。信じていいのかな・・?
みたいな感じです。

そしてこれは
新型コロナウイルス(COVID-19)にもいえます。

②現代の遺伝子工学はそんなに進んでいない のです。
新型コロナウイルスの設計図的なもの(遺伝情報)はわかっています。人類はそこまではできる。
巷で言うPCR検査というのは、この遺伝情報を探しているのです。唾液や粘膜から新型コロナウイルスの遺伝情報が見つかれば「陽性」ということです。

そして人類はまだ、この遺伝情報を本当の意味で正しく読み解けていない。

そんな中でも、薬やワクチンを作るべく奮闘しているのです。いかに難しく、時間がかかる作業か。
一時期言われていた「アビガン」ですがこれは抗インフルエンザ薬。
要はインフルエンザウイルスに効く薬なのですが、これまたざっくり言うと新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスに似てるところあるし、効くんじゃない??!的な感じで試していたものです。
現状の経過報告だと新型コロナウイルスに対し、アビガンを飲んでも飲まなくても、治る人は治る!ただ、逆もしかり・・。って感じのようですね。残念ながら。

新型コロナウイルスに対する薬やワクチン、私は必ずできると思います。インフルエンザウイルスがそうであったように。ただ、もう少し時間はかかると思います。インフルエンザワクチンがそうであったように。
そして恐竜はできないと思います。
生存する生き物の中で最も恐竜に近縁の「鳥類」から「恐竜」を作ろうとする研究が実は数年前から行われているんですが、最近新しい情報は聞かないし・・。それに「鳥類」を遺伝子操作して作った生き物は、あくまでどんなに恐竜に似ていても「遺伝子組み換え鳥類」だしなぁ。

ま、そもそも「恐竜のつくりかた」と「薬やワクチンのつくりかた」って全く違いますので。 同じ「遺伝子」っていうキーワードだけで並列に語りましたが、ここも「大雑把」ということで。

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