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上司も大変だなーって、マジで思った心霊話

「青井田さーん!助けてー!!」
当然の上司の叫びに驚き、駆けつけると そこには4月から中途でうちにきたアラサー男(以後、狂気くん)と女上司がいました。

「青井田さん助けて、狂気くんが変なこと言う!怖い!!」
笑みと恐怖を合わせた表情で、自らを抱える仕草をしながらこちらに必死に訴えてきます。

狂気くん「自分に生き霊がついてるんですよね。なーんかここんとこ調子悪くて」
女上司「だから、待って!急になんの話し始めるの?!怖っ」

へー、狂気くんって生き霊視えるタイプの人なのねー って何々??!何で急に生き霊の話し始めた?!そして、お前にとって
調子悪い=生き霊につかれてる
なのか?!

青井田「えっ何で急に生き霊の話しに?」
女上司「わかんない、急に話しかけられて、急に始めたんだよー!!怖っ」
青井田「えっ怖っ!」

狂気くん「いやーでも、自分感じるんですよ。」

いや、私が怖がってるのは(多分、女上司も)何の脈絡もなく
突然生き霊にとりつかれてる事をカミングアウトするお前にだよ
そして、顔。
なんで「良い天気ですね」とかいいそうな顔して言ってるの?
あとさ、もう君さ。アラサーだよね?歳のこととか言いたくないけど、「実は私。幽霊がみえるの」的な話題で人の気をひくのは、教室の隅で目立たなーい感じの女子中学生だけだと思ってたよ!

狂気くん「例えば電車に乗ってて、きれいな女性を見つけて思わず凝視ちゃうこと、あるじゃないですか。そういう日はだいたい、髪の長い女が怒っている夢を見るんです」

ん?何で急に例え始めた?
そして、綺麗な人を見ちゃう気持ちは分かるが凝視しちゃうことは、ない!お前だけだ。そして、すぐやめろ。

狂気くん「前に霊能者にみてもらったことがあるんですが、これって自分についてる生き霊が自分に怒ってるみたいなんですよ」

でしょうね!その感じなら私でも察しがつくよ?その霊能者大丈夫?
てか霊能者にみてもらうって何??占い師みたいな感じ?店があるの?
もうこいつやベーやつじゃん。

狂気くん「それでその生き霊が他の女性を追い払ってるみたいなんです。」

青井田「うぅっ!!」

嘘だろ。なんでそんな「明日も良いお天気らしいですよ」みたいなこと言いそうな顔でそんなこと言えんの?
思わず変な声でたわ。自分がモテないの生き霊のせいにしちゃう?思わず吹き出して変な声でたわ。

女上司「怖っ。それが今日もってこと?」
狂気くん「今日っていうかコロナ以降、なんかただよってる気がするんですよ」
青井田「ただよってるって、飛沫と一緒に生き霊が?」
狂気くん「はい。なんか悪い感じがしてるというか」

いや待てよ。コロナの飛沫と君のこと大好きな生き霊が一緒にいるってどぉーゆぅことぉー?協定でも結んだ?霊とウイルスって仲良しなんだー。ってなるか!
てか、その生き霊ずっと君についてるんじゃないの?ただよってんの?どっぉっちー??
もう、肩がプルプルしてきました。もちろん笑いで。

狂気くん「あーもう今日はなんだか朝からスゴく調子悪くて。いくつも小さい間違いしちゃって。」

いやいやいや。今度は仕事のケアレスミスまで生き霊のせいにしちゃったよ!生き霊がもう可哀想。もう少し労ってあげたら?逆に。

狂気くん「なので今日の仕事、結局大きな間違いもしちゃって全部パーになりました」

嘘だろ?いや、もう嘘だと言ってー!
生き霊さーん!こいつ自分のミス生き霊さんのせいにしてますよー!!こんな男やめて違う男にとりついた方がいいですよー!
ってか、霊のせいにするのって小学生でもしなくない?もし、事実だとしても(狂気くんの中では、だかな)普通言い訳にしなくない?

でも私は大人ので、幽霊を信じている人の世界観を壊すようなことはしません。それは無粋ってもんです。それに、その人の中ではそれが本当に正しいのでしょう。
首根っこ捕まえて問い詰めるようなことはしない(5歳若いときはしてたが)

私が放った言葉は



青井田「あーそうなんだぁ。もし次、また生き霊いることあったら教えてね。」



女上司が放った言葉は
「仕事のミスは生き霊とか関係ないからね!?」


上司になるって大変だ、笑

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