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勝手に曲語り: Osaka Driftin’/その他諸々

恐らくWAVEATで知った・翻弄された方が多いであろうこの曲。
実はシリーズもので、Osaka Driftin’はその3作品目であることを知っている方は少ないかもしれない。

シリーズもののボス曲が作りたかった

Driftin’シリーズとでも名付けるべきこれらの曲は、当時携わっていた音楽ゲームシミュレータのパッケージ企画にて、何らかのボス曲が必要になった際に作られたものだ。
せっかくなら某PARAN○iAのように、いくつもの派生作品が作られうるものにしたいと考えた。

MAX3○○やFascinati○n MAXX等の系譜を聴いて育った身なので、ボス曲は速いのが正義だと思っていた節があった。当然いまから作るものもそうしたい、と思うことになる。
それから、異常な速さや疾走感との相性が良さそうなもの…やっぱり車とかかなぁ…みたいな単純な連想で(あとは当時プレーしていたレースゲームの影響なども大いに受けて)、最終的には違法レースをテーマにすることになる。ゲームで得た知識しかないけど。

結果、最初に Shinjuku Driftin’ という曲が作られた。
都市の名前を冠するという点では某EVOLVEDとコンセプトが思いっきり被ってしまうが、そこは気にしないことにした。あれはあれで全くの別物で、素晴らしいものなので。
なぜ新宿なのかはもはや全く覚えていないが、東京ほど大規模にはしたくなくて、もう少し絞り込んでおきたかったということは覚えている。そうすれば今後も派生作品が作りやすそうだし…。
曲はどこからどう聞いても153bpmだが、ゲーム中では倍の306bpmである。おそらく今後どこかでお目見えする時も、まったく同じだろう。

シリーズものにしたいのであれば、まずはそれを自分の手で示すべきだろうということで、同じ年に早速2作品目となる Vancouver Driftin' を作った。

前作Shinjuku Driftin’とは全く異なる曲調で、bpmは280。
後述のコンセプトさえ合っていれば、元の曲のリミックスである必要は無いと思っていたので、それを作品で具体的に示した形となる。


Driftin’シリーズのコンセプト(制作ルール)

昔はこれを明記している場所があったが、今は見れなくなってしまったので再掲。

  1. 曲名を「(都市名) Driftin’」にする

  2. 曲毎に異なる名義(偽名)を使用する

  3. 基本BPMを250以上にする

  4. ドリフトのような効果音を入れる

1.と4.はまあ説明するまでもなく…。
2.は単純に某氏への憧れとリスペクトから。あと一応テーマが違法レースなので、悪いことをするなら名前を隠すよね、的な理由付けも。
3.は前述の通り、ボス曲は速くあるほうがイイと思っていたから。

これらだけ守れば、そこの貴方もDriftin’シリーズの新作を作ってもいいのです!許可なんて要りません!
とか言っていたら実際に作ってくれた方もいるようだ。ありがたいね。

もちろん今後も自由にやってもらって構わないし、許可取りも必要ない。
違法レースなんて、許可取ってやるものじゃないだろうから。


そしてOsakaへ

ShinjukuやVancouverがお披露目された場とは別の企画向けに、ボス曲の制作依頼が飛び込んできた。シリーズものにしたい作品を、他の企画に持ち込む絶好のチャンスである。
その企画は、関係者に関西の方が多かったので、じゃあタイトルはOsaka Driftin’にしようかな、なんて理由であっさり曲名が決まった。

この曲には複数のパターンが存在する。
当時は、選曲したらROUTE A・ROUTE B・ROUTE Cの3パターンいずれかにランダム分岐するという構成だった。これはEVOLVEDとか言われてしまっても仕方ない。本家様には遠く及ばないが。
当時どうしてこの曲を分岐させる流れになったのかは覚えていないが、これのせいでプログラムを担当されていた方には様々な我儘を押し付けてしまったと思う。最終的に動作したものを見たときは感動した。
(本当にありがとうございました)

楽曲制作はROUTE Aから順当に進められていき、ROUTE Bまでは特に迷いなく順調に制作が完了した。あと1つの曲構成がどうしても決まらないよ~と後の相方(当時はotheroutes未結成)に相談したところ「音頭っしょ」という一言が返ってきたので、ROUTE Cはそのままそういう感じになった。

でもやっぱり、個人的にはROUTE Aがお気に入りだ。
Aは順当にレースを楽しんでる感じ、Bはサツに見つかり追われてそのまま闇夜に逃げ切る感じ、Cは…何だこれ?盛大にヤ(物損事故)ってないか?

ここには貼らないけども、AからCまで繋げてキメラ音源&キメラ譜面を錬成してるfanmade動画があって笑った。やってんねェ~。


第4のルート

それから数年後、Osaka Driftin'は、ありがたいことにWAVEAT(初代)に収録されることになる。この時はROUTE Aのみの収録だった。
その後、続編であるWAVEAT ReLIGHTがリリースされるにあたり、ROUTE BROUTE Cも仕込んでおき、選曲時に分岐する仕組みを復活させることになった。
この時「どうせなら新作を仕込んで分岐に忍ばせよう!」という声が某氏から挙がり、その結果作られたのがOsaka Driftin' (ROUTE D)である。楽曲面からもサプライズ感を出したかったので、途中まではROUTE Cと思わせといてからの…なにこれ知らない道!という感じの曲構成にした。
まさかあそこまで難しくなるとは思っていなかったが…。

WAVEAT ReLIGHT v2では、ランダム分岐は廃止され、最初からA~Dまでそれぞれ自由に選曲できるようになっている。
この機会に是非遊んでみてほしい。

それと、分岐する曲は恐らく今後そうそう作らないと思う。
結構大変なのよこれ…。


余談:4作品目の存在

自身で制作した作品はここまでに書いたShinjuku、Vancouver、Osakaの3つのみだが、自身が携わった作品としてはもう一つ Majuro Driftin’ という作品が存在する。
前述のコンセプトに則りその正体は明かせないが、謎のレーサーことコンポーザーであるill-natured Twins氏に、私から依頼して制作してもらった、正真正銘のシリーズ4作品目である。

ただし、色々と複雑な事情があり、その音源の入手方法は極めて限定的だった。この336bpmを駆け抜けたことのある者は数少ないだろう。
今は正規の方法で入手できる場所は無いので、文字通り伝説の1曲となっている。

ちなみにMajuro(マユロ)というのはこんな場所らしい。
ほえー。


諸事情により最近ill-natured Twins氏と久々に連絡を取ったが、お元気そうで何よりだった。


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