M3(同人音楽即売会)でCD以外の媒体(ダウンロードコード)を頒布した話
この記事は個人サイト(tumblr)に掲載していた内容を転記したものです。また、実際に頒布して元記事を書いたのは4年ほど前のことになります。
はじめに
2020年3月1日に開催されたM3(2020春)に参加していました。
COVID-19の影響で、全体的に参加者少なめという印象を受けましたが、そんな中でもブースにお立ち寄りいただき、新譜を手にとってくださった方々には感謝しております。
会場に来れなかった方はBandcampやBOOTHで販売中のデジタル版をご利用ください。今後の活動のためにも、ご支援のほどよろしくお願いします。(ド直球宣伝)
この記事は、初めてCD以外の媒体での頒布を行ってみた時の記録です。その媒体とは、ダウンロードコードを記載したカードです。
CDという媒体に拘る必要はあるのか?という疑問を解消するために、試験的に頒布してみたので、準備・手順等を書き記しておきたいと思います。
(2020年3月時点の情報)
今回の配り方の、ざっくりとした手順は以下の通り。
Bandcampのアーティストページを開設する
新譜をBandcamp上に登録し、ダウンロードコードを生成する
コードを頒布作品別にラベルシール用紙に転記して印刷
イベント当日、ブースで対象作品のシールをカードに貼り付けてお渡し
詳細は後述しますが、最大2作品(合計200個分)までは材料費のみで作成可能です。ただし、それ以上の個数を用意する場合は、ダウンロードコードの生成料金が発生してしまいます。
とはいえ、実物のCDを作るよりかは遥かに安価で済ませられました。
データ配布場所の準備
Bandcampのアーティストページを開設する
今回はBandcampのダウンロードコード生成機能を用いるので、Bandcampのアカウントを新設します。規模にもよりますが、無料プランで十分問題ないです。
Bandcamp上で作品の販売を行う場合は、売上の送金先としてPayPalのビジネスアカウント(金銭授受が可能なアカウント)の登録が必要です。
ただし、作品を非公開登録にしておき、Bandcamp上では購入できないようにしておく(対象作品がが非公開でも、コード引き換えは可能)ことも可能なので、使い方次第では、PayPalアカウントは必須ではないかもしれません。
アルバムをBandcampに登録する
アカウントの開設や各種設定が済んだら、作品を登録しましょう。
Bandcampには次の3種類の商品が登録できます。
アルバム
シングル
グッズ(merch)
今回はデジタルデータ(アルバム)の頒布を行いたいので、アルバムを追加します。
Bandcampは、音楽作品を登録すると、Webページ上でその音楽がフル尺で再生できるようになります。(未購入の場合は再生回数に制限あり)
もしサイト上で音楽を聴かせたくない場合はBonus Trackにチェックを入れればOKです。
ただし、アルバムの販売ページを開いた際に、収録曲の一覧が見えなくなってしまうので、そういった情報はアルバムの説明欄などに別途書いておくようにしましょう。
試聴音源を別のサイトで公開している場合は、そこへのURLを記載しておくと良いかも。
アルバムをprivateで登録したら完了です。
Bandcamp上ですぐにデータの販売を開始したい場合はpublicで。
ダウンロードコードを生成する
BandcampのメニューからToolsを開くと、Redeem Codeの欄があると思います。ここから、全作品合わせて200セット分のダウンロードコードを生成可能です。 1アルバムにつき200枚ではない ので気を付けましょう。
1回の操作につき100個のコードから生成可能
(1個とか10個とか、少数個だけ生成することはできない)201個目以降のコードは有料。
当時は100コードあたり3ドル程度のレートだった気がします。コードを追加購入する場合は、支払い情報の登録が必要。
コードはCSVでダウンロードすることができます。
また、いつ誰がコードを引き換えたのかという情報も、別のCSVで確認することができます。
印刷物の準備
配布用カードの作成
ここからは印刷物の作成に移ります。
今回はBandcampで生成したコードを小さいサイズのステッカーに印字し、それをカードに貼り付けて頒布する形態をとることにしました。
カードの要件として
できるだけコンパクトに済ませる
次のイベント以降も、長期間使用できるものにする
の2点を挙げた結果、今回は2つ折りの名刺サイズが良いと判断。
出来上がったのがこちら。
コードを記載したシールを貼り付けるためのスペースの他に、URLや二次元バーコードなど、Bandcampの引き換え用ページへの導線を書いておくと良いでしょう。(下に写真あり)
コードの印刷
生成しておいたダウンロードコードは、何かに印刷してカードに同封する必要があります。そこで今回はこちらのラベルシールを購入しまして、シール上にコードを印字しました。これなら自宅のインクジェットプリンターで作れます。1シートあたり95面なので、100個のコードがあれば5個は手元に残ります。
シールのデザインですが、コードだけではなく、それが何と引き換えられるのかという情報を併記しておくことをおすすめします。
また、引き換えコードは英数字4桁×2で生成されますが、中には「1」と「l」のような、判別が難しい文字が普通に含まれています。手入力による転記は行わずに、必ずコピー&ペーストで台紙への転記を行うことをお勧めします。
我々otheroutesで用意したシールは、こんな感じ。
()
これを、台紙に印刷してみました。
会場には、カードと印刷済シールだけを持っていけば良いわけです。
CDやケースを持ち込むよりも軽くて快適!
これで準備は整いました。あとは会場に持ち込んで頒布するだけ!
当日、会場にて
頒布方法
まだシールが貼られていないカードと、コードを印刷済みのシールを会場に持ち込みます。
そしてお客さんには、2つ折りのカードの内側に、コードを記載したシールを貼り付けたものをお渡しします。
otheroutesでは6種類のCDを頒布しました。 1枚お買い上げいただいた場合には、カードにCD1枚ぶんのコード(シール1枚)を貼り付けてお渡しします。
もし一気に全作品(6枚分)お買い上げいただいた場合には、カードにCD6枚分のコード(シール6枚)を貼り付けてお渡しします。ただしカード1枚にはシール4枚分程度の余白しか設けていませんでしたので、その場合はカードを2つにわけてお渡しします。
otheroutesでは旧譜など複数タイトルの頒布を行っていたので、今回のような手順を撮りました。
もしも頒布したい作品が1つだけである場合は、あらかじめカードにステッカーを貼ってから会場入りしても良いかも。
以上、作ってからお配りするまではこんな感じでした。
CD、本当に要る?
本来知りたかった「CD本当に要るの?」という問題。
あくまでも当時の我々の結果ですが、この時は
CDを選ばれる方のほうが圧倒的に多かった です。
CDを選ばれた方の理由としては
「せっかくここまで来たから」
「紙ジャケットがあるから」などを挙げていただきました。
逆に、カードを選ばれた方の理由としては
「楽曲情報を入力する手間が省けるから」という意見が伺えました。
(理由をお聞かせくださった方々、ありがとうございました。)
実際に会場まで足を運ばれる方にとっては、配布形式は大きな問題ではないのかもしれません。
今回紹介したのはあくまでも一例ではあるものの、どこか一部分だけでも、イベントでデータ販売を検討されている方の参考になれば幸いです。
ちなみに我々otheroutesは、7thアルバム"Solidity"以降、物理CDの扱いをやめてしまいました。こうやってカード作って配るほうが遥かに低コストで便利で…。
旧譜の物理CDは在庫限りで終了・再生産予定無しなので、もし機会があれば手に取っていただければと思います。
otheroutesについては、以下の記事をご覧ください。
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