Project-L7 開発記 #5
現在鋭意制作中の音楽ゲーム Project-L7(仮称)の開発過程のメモ。
他に書くネタが尽きるとこの記事を書くようになりつつある気がします。いいのかそれで?
事前準備
音楽ゲームを開発しよう!と決めたのは2020年くらいの出来事でしたが、思えば開発に向けての事前準備は数年前から進めていたような気がします。
主力コンテンツが音楽なのは間違いないので、音楽をたくさん作る…というのは当然のこととして、その他にチマチマ進めていたことをいくつか列挙してみます。
1/3:全ての楽曲にアートワークを
otheroutesは、2014年からアルバム作品を制作・頒布しており、そのつど試聴用のクロスフェード動画を作成して公開していました。一部例外はあるものの、ほとんどの楽曲に、楽曲別のアートワークをつけるようにしていました。
これを行った背景としては、
楽曲とアートワークが"何らかの用途"に向けて必要となった時に、そのまま使用できるようにするため
新規アートワークを作成する必要が生じた時のために、その作り方を忘れないようにするため
作風を広げるため
クロスフェード動画を彩るため
他所がやっていなさそうなことをやるため
等々が挙げられるかなと思います。
当時は"何らかの用途"があるかどうかなんて知る由もなかったのですが、これらの理由は全て後付けではありません。
もちろん、動画に含まれるアートワークは全て自前です。
(※アートワーク制作のご依頼ご相談も承っております!)
ちなみに、昨今はAIに何か描かせるのが流行しているようで、私も話題のサービス等をいくつか使用してみたのですが、曲名などの文字入れは流石にまだ難しいかな〜という感じでした。まだやれるぞ、ニンゲン。
2/3:ショートバージョンの音源公開
2020年頃からYouTubeチャンネルにて、これまでに制作してきた音源のショートバージョンを随時公開してきました。これも事前準備に含まれます。
公開の主な背景としては次の通り。
シンプルに、作品のPRとして
既に公開が終了されている楽曲を、公式的に聴ける手段を用意するため
制作当時のミキシングを見直すため
一部の作品において、制作当時と現在とでは制作環境が異なっていることから、現在の制作環境に移植する作業をついでに行うため
各種音源データの整理を行うため
データに破損が無いか確認するため
アートワークが付与されていなかった楽曲について、そのアートワークを新規に補完するため
音楽ゲーム向けの曲尺バージョンを事前に用意しておくため
商用作品等で二次利用するうえでの各種権利の精査を改めて行うため
更新開始当時、裏では既にProject-L7の制作が決定していたので、これらは最初から音楽ゲームに使用する前提で準備していました。
otheroutesの他メンバーにも上述の背景をざっくり(全部ではなかったかも…)説明したうえで協力を依頼し、結果として100曲分のアップロードができました。
ご協力いただいた各位にはこの場にて改めて御礼申し上げます。
既に他のゲームタイトルに収録されている楽曲や、ショート化が困難な楽曲を除いて、ほぼ全てが現在開発中の「Project-L7」(仮)への収録を前提としています。
つまり最終的には、未公開分や書き下ろし曲、そしてゲスト作品も含めると…全部で何曲になるんだコレ??
なお、YouTubeにアップロード済みの楽曲はその後全て改めてリマスター作業を行っています。
そのため、現在公開されているものはいわばベータ版です。どこかのタイミングで形を変えて公開し直す可能性が高いので、この点はご了承ください。より聴きやすくなる&URLが変わる、くらいの変更に留まるかと思います。
さらに、ここ最近は更新を休止中でしたが、近いうちに5〜10曲ほどの追加公開を計画しています。今まで以上に不定期更新にはなるかと思いますが、是非チャンネル登録のうえお待ちください。
3/3:楽曲試聴システムの試作
初回の記事でも書きましたが、ゲーム制作自体が未経験の状態からのスタートです。まずは作る手段やツール…具体的にはUnityに慣れないと何もできない。
そこで、いきなり本番に臨んで大量の壁にブチ当たる前に、練習として他のアプリケーションを作ってみました。それが、オフラインイベントのブースでの使用を想定した楽曲試聴システム(Project-MTP2)です。
概要(仕様)としては、
音楽ゲームの選曲画面のようなUI
各種頒布作品の収録曲が並んでいる
曲を選択すると、曲全体ではなくランダムに選出された数十秒が再生されて"試聴"できる
作者が特に聞かせたい場所がある場合は、開始位置や長さの指定もできる
曲を選択すると、画面内の別の場所に楽曲タイトル以外の詳細情報が表示される
ジャンル
尺
収録アルバム情報
収録アルバムのアートワーク
楽曲専用のアートワークがあれば、それを優先して表示して、アルバムアートワークは隅に小さく表示する
タッチパネル操作もキーボード操作もできる
無操作状態が続くと、スクリーンセーバー(クロスフェード動画など任意の動画のループ再生)が始まる
というものです。要するに楽曲全体が聴けない音楽プレーヤーという感じで、SNSで公表した際には特許取れそうなんて声も上がってました。そこまでは考えてなかったな~。
管理のしやすさも重視したかったポイントです。
Webアルバムで配布中の音源(wav)と、各種アートワーク画像と、それらの関連性をまとめたjsonを突っ込めば、その通りに表示してくれるような構造にしました。つまり今後のイベントでも半永久的に使えます。
スペックが高くないPC環境で三日三晩の連続運転を行ってみたり、それなりに準備をしたうえで、2021年の春M3に出展した際に実際に使用しました。
しかしこの時は残念ながら、ご自身でイヤホンを所持している方にしか利用いただけない状況でした。もっと多くの方に使っていただけるような世の中になるといいですね…。
せっかくアプリを作ったものの、最近は諸々の事情によりリアルイベントへの出展を見送っているので、次はいつ活用できるのやら。
少なくともUnityに多少慣れることはできましたし、この時制作したPrefabが現在も役立っている部分があったりしますので、作った意味は思っていたよりもあったし、有意義だったと感じています。
余談ですが、こちらのツールの公開や配布などは現在のところ計画しておりません。
他にもあったかもしれませんが、思いつく限りでは主にこのようなことを事前に進めていました。
この甲斐あってか、初回の記事で「既にテストプレーだけならできる状況」と書きましたが、そのテストプレー環境は既に楽曲数が大変なことになっています。
今後も先手が打てる物事には積極的に取り組んでいきたいものです。
収録楽曲紹介 #5
開発記恒例の新曲紹介コーナーです。
…1回くらい休んでもいい?ダメ?そうですか。
otheroutesの相方である"tpplssive"による新曲が収録されます!
彼自身が音楽ゲームのプレイヤーということもあり、攻略し甲斐のある作品に仕上がりました。
更に、これまでの作品では実現できなかった、ちょっとした仕掛けも盛り込んでみました。他の曲とは異なる特徴があります。
真相は公開されてからのお楽しみ。
ここまで5曲を紹介しましたが、書き下ろし新曲はもちろんまだまだあります。早く全てお披露目したい…!
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