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【論文】Agentless

カテゴリ:テクノロジー・AI・LLM
読む時間:約5分

以下の論文が気になったので簡単にまとめてみました
内容に誤りがあるようならご指摘ください


概要

近年、ソフトウェア開発における生成AIの活用が進んでいます。その中で、「Agentless(エージェントレス)」という新たな手法が提案されました。これは、AIエージェントを用いずに、LLM(大規模言語モデル)を特定の用途に特化させて活用するアプローチです。本記事では、Agentlessの概要とその利点について解説します。

内容の要約

AIエージェントの課題

従来、ソフトウェア開発の自動化にはAIエージェントが利用されてきました。しかし、複数の複雑なツールを組み合わせると、出力の安定性に欠けたり、無駄なAPIコストが発生するなどの問題が指摘されています。これらの課題を解決するため、新たな手法が求められていました。

Agentlessの手法

Agentlessは、LLMを特定のフローに組み込むことで、ソフトウェア開発の自動化を図ります。具体的には、以下の3つのフェーズで構成されています:

  1. 絞り込みフェーズ: レポジトリ内のファイルをツリー構造で表現し、LLMと埋め込み検索を組み合わせて、関係のあるファイルや修正が必要なクラス・関数を特定します。

  2. 修正フェーズ: 特定した箇所に対して、修正パッチの候補を複数生成し、効率的に修正を行います。

  3. 検証フェーズ: 自動生成されたテストで修正の妥当性を確認し、最適なパッチを選択します。

この手法の特徴は、LLMに次のアクションを決定させない点であり、エージェントベースのアプローチとは異なります。これにより、簡単な問題を迅速かつ低コストで解決し、難しい問題は適切に対処することが可能となります。

Agentlessの成果

Agentlessは、SWE-bench Liteベンチマーク(300問)において、オープンソースの手法の中で最高性能を達成し、32.00%の修正に成功しました。さらに、1件あたりのコストも$0.70と低く、効率的な手法であることが示されています。

まとめ

Agentlessは、AIエージェントを用いずにLLMを活用する新たな手法として、ソフトウェア開発の自動化において注目されています。その利点として、迅速で安定した動作や低コストが挙げられます。今後、業務で生成AIシステムを構築する際の選択肢として、Agentlessの活用が期待されます。

#生成AI #Agentless #ソフトウェア開発 #LLM #AIエージェント

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