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人生を変えた3時間。【午後の部】【司法書士試験当日体験談②】

みなさんはじめまして。

大学生活、サークル幹事長、バイト、受験生活すべてを鼎立させながら…

宅建試験に18歳の時に1か月の勉強で合格
司法書士試験に20歳の時に受験回数1回で令和6年度単独最年少合格
を達成した、かいしゅうです!

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泣きそうになりながらも「やるしかなかった」、午後の部の話。


今回は前回記事に続いて、「司法書士試験当日譚」の続きとなります。
ぜひ前回記事を先に読んでください!

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頭から抜けない午前の部

戸山キャンパスのトイレで私はうなだれていました。
前回の記事で書きました通り、うどんがまだ胃袋で暴れまわっています。食べ慣れないご飯を最悪のコンディション(心身ともに)で食べたせいでまだ気分は最悪です。相変わらず午前の部の出来のことだけを考え続けていました。

「たぶん26、7問くらいかな。もしかしたら基準点引っかかるかも。引っかかってなくても確実に上乗せはない。厳しい戦い過ぎる。午前の部の方が得意なのに…。」


そうです。私は午前の部の科目の方が得意だったのです。なぜか。時間をゆっくり使いながら考えれば解ける思考問題が多いからです。
午後の部は試験科目が手続法メインであり主に暗記が重視されます。一方で午前の部は実体法メインであり圧倒的な暗記はもちろん前提として必要な一方で万が一知らない論点が出てきても考えればわかるかもしれない問題が出ることがあるので、その点で得意意識がありました。

その得意なはずの午前の部でこの出来様。午前でこれなら午後の部は尚更大崩れだな。としか思えなかったのです。
しかも、私が受験した令和6年度司法書士試験は記述の配点が合計35点から70点に変更になった司法書士試験の歴史的大転換の年だったので、記述式の問題がどのような問題になるのか全受験生が検討もつかない状態でした。予備校の先生によれば突飛なことは出題してこないだろうと予想されてはいましたが、それでも一発で受かることしか考えていない私にとっては「なぜ私が受ける令和6年度にそんなことをするのか」という気持ちでいっぱいです。

決意の午後といつものルーティン

試練の午後の部開始時間が近づき、通いなれたキャンパスのトイレを後にします。早稲田通りを試験会場側に渡り、大学近くのいつものファミリーマートに寄り道。そこでレットブルを一本購入します。私は模試の時から「午後の部が始まるまでにレットブルを一本飲み切る」というルーティーンを実践していました。

一般的にエナジードリンクの一気に寄る急激な血糖値の上昇はそれに対抗しようとする体の作用によりインスリンの過剰放出を招き、結果として低血糖を起こし頭が回らなくなる。という話はよく聞きますよね。
しかし、私は司法書士試験に学生生活をかけている崖っぷち受験生。午後の部、特に記述式を解いている間はアドレナリンがドバドバ出ています。低血糖になんかなりようがなかったのです。急激な血糖値上昇とアドレナリンのシナジー、そしてカフェインの集中作用とルーティンの精神的効果によって試験そのもの以外何も考えられない脳にすり替えてしまうのがいつもやっている戦略でした。

試験当日もその通りにすることを決めていた私は、試験会場に着くころまでには購入したレットブル一本を飲み切っていました。もう午前の部の出来のことは考え過ぎていて、もはやこれ以上考えることもありません。今向き合うべきは午後の部、そして記述式だと気づいた私は気持ちを午後の部に切り替えます。

「自分は午後の部で受かりに来た。」

そう自分に言い聞かせた私は午後の部の試験開始の声とともに、人生を確実に変えた3時間に突入するのでした。

人生を変えた3時間

試験前最後の3週間で過去問30年分を2周している不動産登記法が早々に終了し、気づいたら記述式に手をかけています。現在、経過時間は45分。模試でもこんなにいいペースはありません。
本番はいつもと違って不安になるものです。今までしたことのない見直しに5分を投資しました。(この記事を読んでいる受験生の皆さんにはこのような土壇場での時間配分の変更はお勧めしません。いつもより時間が10分以上余ったので「5分だけ」と心に決めて見直しをしました。)

記述式に入り、まずは問題のアウトラインを確認します。謎の解答欄と文章穴埋め問題がある以外特に新しいことはなさそうです。しかも謎の文章穴埋め問題もそこまで配点が大きそうではなさそう。ここで一つ胸をなでおろし、いつも通り解くことを自分にもう一度言い聞かせます。
午前の部ができていないという焦り、この試験で落ちたら自分のこれまで勉強のために費やした青春の日々が無駄になるという緊張感、そしてカフェインが脳を突く感覚。すべてが合わさった私にはもう周りの音なんて、周りの受験生の存在なんで、無いも等しい感覚。目の前には記述回答用紙と受験期間ずっと使い続けたボールペンのみ。「手が頭に追いつかない」とはこのことという状態です。

不動産登記法を颯爽と終えて商業登記法にとりかかりますが、商業登記はもっと簡単そうな感覚を受けます。ヤマ張りで捨てていた設立登記は出ず、予備校の先生の予想通りの平易な論点に終始しています。記述問題を解き終えた時には「100点はいったかな。」という感想でした。余った時間でまずマークミスの確認。続けて誤字脱字を確認し終え、少し時間を余らせて試験を終了させました。

試験終わった!

試験終了の合図がかかってから正直記憶があまりありません笑。
午前の部の感触の悪さと午後の部、特に記述式の会心の出来という感覚が混ざり、試験全体として自信を持つには至らず、はたまたもう落ちたと吹っ切れることもできず。アドレナリンとカフェインが切れた私の脳はもう何も考えられませんでした。

ということで記憶が本当にありません。試験後親戚のご飯会の予定があったので、家族に試験が終わった旨の連絡をしたこと、お疲れ様と言ってもらったこと以外の記憶はすべてが空白地帯でした。

試験後回答速報と照らし合わせながら見直してみて、正直、午後の部も手ごたえを感じたわけではありませんでした。不動産登記法と商業登記法は試験当日までに比較的仕上げられた感覚があった一方で、民訴3法や供託法は点数が安定せず、満点の時もあれば半分も正解できないときもありました。実際問題、試験本番も供託法は一問しか正解できませんでした。
ただ、記述式がやはり会心の出来でした。想定以上の点数をたたき出し、まさか全体2桁順位でのゴールとは夢のまた夢でした。(具体的な点数はまたの機会に…)

ただ、人生を変えた3時間を終え茫然自失として早稲田駅まで歩き、中野駅で東西線から中央線特快に乗り換える私はそんなことを知る由もなく、試験から解放されたことと留学までの残り2か月を全力で楽しもうと思う以外に頭に思い浮かぶものはなく、その日は親戚とお酒を酌み交わし試験で疲れた頭を癒すのでした。


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