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100年ライフのキャリア開発~R60-SETAGAYA-セミナーの現場から

はじめに

R60-SETAGAYA-運営オフィスの市川望美です。
シニアの幅広い就労ニーズと、地域事業者の業務ニーズをつなぎ、新しい地域の仕事や働き方を生み出すための事業として2020年度からスタートしたこの「R60-SETAGAYA-」も、3年目が終わろうとしています。沢山の方に事業へご参加、ご協力いただきまして、本当にありがとうございました。まずは御礼申し上げます。

3年間の節目として、事業開始以来ずっと、セミナー講師を担当させていただいた私から、セミナーを通して見えてきた課題や可能性のようなことをお伝えできれば・・と思います。

R60-SETAGAYA-経験を活かして地域で働く!
セミナー資料の一部

まずは、私たちを取り巻く社会を知る。

R60-SETAGAYA-は、シニアの多様な就労ニーズにフィットするよう、あえて雇用に限らず、業務委託による短時間や単発の業務も、地域の中で創り出しています。

多様な就労ニーズ:

  • 今もまだ仕事は続けているけれど、もう一つくらい増やしたい

  • 今はもう仕事はリタイアしたけれど、自分に何かできることがあればやってみたい

  • 健康維持のためにも、定期的に外に出たり刺激を受けられるような機会が欲しい

という方もいれば、

  • 今までとは違う働き方を通して、新しい経験を開拓したい

  • 定年再雇用でなるべく長く働く予定だけれど、会社だけではない選択肢を知りたい

という方もいましたし、

  • 結婚が遅かったので、まだまだ教育費がかかる。引退なんて考えていない。ずっと現役で働きつづけられるような基盤をつくりたい

というような方もいらっしゃいました。ライフイベントを迎える年齢や、家族の形も多様になっていることを改めて感じました。

いざとなると、踏み出し方がわからない。

でも、いざその多様なニーズを元に仕事を探そうとしてみても、何をどうしたらいいのか分からない、気持ちはあるけど一歩具体的な行動に踏み出せないという方が多いことも見えてきました。

セミナーではある程度納得した感じで聞いてくださっているし、アンケート結果もそうみえるけれど、行動につながらないのはなぜか。セミナーの内容をブラッシュアップしていく中で、いろいろ検討した結果、そもそもみなさん、多様な働き方があることを知らなかったり、自分から仕事を探す経験をしたことがない方が多くいらっしゃることが分かりました。

コロナなどもあり、思っている以上に私たちの働き方に関する社会環境は大きく変わっている。「100年ライフ」という言葉もだいぶ浸透し、今までのような「学習し、働き、隠居する」といった3つのステージを順に迎えていく時代ではなくなってきているけれど、そういった知識や情報に触れる機会がない。

選択できる多様な働き方があるけれど、考え方や気持ち、発想が追い付いていない、なかなか行動に結びつかないというのはとてももったいないので、セミナーの中で、社会の変化について知ったり、発想を変えていけるようなワークをしようということで、セミナーのスタイルを変えていきました。

「100年ライフ」
スキルや経験はキャリアに

自分自身に新しい可能性を発見する:『スキルと経験の棚卸し』ワークショップ


環境の変化、時代の変化、働き方に関する多様な選択肢を知ることに加えて、もう一つ大切なことは、「自分自身に対するとらえ方のアップデート」です。いままで人事の仕事をしていたから人事の仕事、エンジニアだったから技術職というような発想ではなく、趣味を含めた経験だったり、個性やキャラクターを含めて、自分自身が持っているものを棚卸し、自分にはこんな可能性があるかもしれない、新しい可能性を開拓するのいいかもしれない・・と、前向きにな気もちになっていただくことも大切です。

そのために、「ジョハリの窓」という心理モデルと、「ライフチャート」とを応用した私たちオリジナルのワークを通して、履歴書に書くような内容だけでない、新しいスキルや経験値を言語化しました。


ジョハリの窓もしくはライフチャートを使いワークを行いました。

セミナー参加者の声

アンケートでは、このようなご意見をいただきました。

  • 週2~3日の仕事をと思い探していたが、雇用契約ではなくもう少し自由に仕事をしていくという考え方もあるのだと思った。

  • シルバー人材センターとも、ハローワー クとも違う、もっと 特性や求人を充実させたら魅力的になると思う。

  • 介護をしているので長時間労働は難しくマッチできるものがあればありがたい。 ぜひ業種内容を拡大して欲しい。

  • R60という事業や求人サイトがあることは全く知らなかったので、興味深い。一方で募集職種に関しては二極化している感じで、もう少し平準な普通の仕事の募集があると良い。西南部(東玉川、奥沢、尾山台等)の案件イベントが少ないので、中央部以外にも開拓に力を入れてほしい。

  • 今後どういう働き方をしていけば自分自身に適合するのか少々悩んでいたが、働き方の道が少し見えたように思う。

  • ジョハリの窓とライフチャートをマッチングしての自己診断が参考になった。

  • 自分を知り、仕事をみつける考え方を教えていただいたことが役に立った。少し前向きになれた。

  • 自分が役立つスキルについて改めて詳細を洗い出す機会となった。

  • 練り上げられたコンテンツは今後のライフプランの中で活きてくると思う。

  • 自分では40代の頃のような仕事の見つけ方とは異なると理解していたが、セミナーを受講し働き方の視野が狭いと気付かされた。自分のキャリアを分解し直し、柔軟性を持っていかなければならないと学べた。

皆さんの声や行動から試行錯誤してきたセミナーですが、少しづつ、新しい可能性を知り、新しい可能性に踏み出す機会になっていれば幸いです。

仕事を作ること、その情報を届けることだけでなく、どのようなニーズがあるのか、そのニーズを実現するには、どんなハードルがあるのか。そもそもどんな経験をされてきて、どんな考えが元にあるのか。未来をどう考えているのか。

対話をする機会などはなかなか持てないのですが、セミナーはこれからも皆さんとの大切な接点です。よりよい事業にしていけるよう来年度も頑張っていきたいと思います。



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