【9/24(火)セミナー開催レポ】経験を活かして地域で働いてみよう-R60-SETAGAYA-セミナー(介護事業者編)
これからの100年ライフに向けて、地域での新しい働き方を世田谷から創り出していく事業「R60-SETAGAYA-」。9月24日(火)に世田谷産業プラザ2階 三茶おしごとカフェ セミナールームにて、55歳以上の世田谷区民を対象に利用者セミナーを実施しました。
自分の資産を再確認することで100年ライフを捉え直す
セミナーの第一部では、参加者のみなさんとともに「これまでの経験を活かして地域で働くには」について考えました。
はじめに、これまでのR60-SETAGAYA-のマッチング事例や、うまくいかなかった事例をご紹介しながら、仕事やキャリアのとらえ方を少しずらすことで選択肢が増える可能性についてご紹介。資格だけでなく、活力や新しいことにチャレンジする心の持ち様も「資産」になりうると再確認しました。
年齢を重ねたら「引退して余生を過ごす」というこれまでのスタイルではなく、新しい100年ライフキャリアを見据えて「働く」を捉え直すには、自分をよりよく知り、他者と円滑なコミュニケーションを図ることが鍵になります。自身のスキルや経験の棚卸しをするヒントとして、ミニワークを実施しました。
「自分も周囲も知っている自分」
「自分は知っているが周囲が知らない自分」
「自分は知らないが周囲が知っている自分」
「自分も周囲も知らない自分」
それぞれについて思い当たることを書き出していただきました。
名もなきスキルがたくさんあることに気づくと、新しい一歩を踏み出すきっかけになることがあります。これまで無理だと思っていたことに、許可を出せるようになることも。今回はお互いに意見交換をする時間は設けませんでしたが、皆さんワークシートに真剣に向き合っていて、自分自身のとらえ直しをする貴重な時間になりました。
新しい視点を持つと、選択肢が広がる
第二部は、登録している事業者の声をご紹介。今回は株式会社moreから渡辺将広さんと働いているHさんにご登壇いただき、事業の説明と実際に働いてみて思うことなどを聞いてみました。
株式会社moreは世田谷区内で介護事業を営む事業者で、今年創業13年。おもに通所介護(デイサービス)と訪問介護のサービスを提供しています。会社に資格取得の支援制度があるため、120名いる従業員の7割が、入職当初は介護未経験で無資格だったといいます。「資格よりも、長年生きてこられたからこそ培われた経験や空気感を大切にしたい」とH&Cブランドマネジメント部の渡辺将広さん。それぞれの従業員を尊重し、敬意を持って接するmoreの企業風土は、社内コミュニティ内に従業員個々の行動を称賛する場を設けているところにも表れています。今回、渡辺さんも社内コミュニティでHさんの活躍を知り、いっしょに登壇することにしたそうです。
Hさんは現在50代半ば。3年前からmoreで働き始め、現在は在宅介護のお仕事をされています。
ーーどのようなきっかけで介護業界に入られたのですか?
Hさん:もともと宝飾品を製作する仕事をしていましたが、新しいキャリアについて考えるようになったのは、新型コロナウイルスが蔓延し、お客さまへの直接販売が難しくなったことがきっかけでした。
長いお付き合いのお客様の中には、年齢を重ねて身体が不自由になり、宝飾品をこれまでのような形で身に付けることが困難になった方などがいらっしゃいます。都度、留め具の位置を変更して使いやすい形に作り変えるなど、相談にのりながら仕事をしていました。実は20代後半に自宅で祖父母の在宅介護をした経験があり、お客様の変化に寄り添って工夫することは介護の経験に近いのでは、と思ったのです。
ーー介護職ではなかったけれども、経験値があったので不安はなかった?
Hさん:いえ、100%不安でした!自宅のときはひとり仕事でしたが、会社となるとチームで動くことになりますし、初めての利用者さんとは関係性をつくるのにとても時間がかかると思いました。でも、先輩方に同行してもらいながら一緒に経験を重ねていくうちに、不安は少しずつなくなっていきました。
moreで働く仲間は世代もさまざまで、見てきた世界も違いますが、若い世代の仲間ともお互いにコミュニケーションをとりながら成長しようとする雰囲気があるのが良いところだと思います。
実際に働いているHさんの率直なお話に、参加された皆さんはとても刺激を受けている様子で、話の後も質問が飛び交いました。
介護と聞くと、キツい部分がクローズアップされがちなため、実際働いている方の正直な感想が聞きたいと思われた方が多かったようです。Hさんからは、利用者のひとことに救われるというエピソードや、対応に困ったときは会社がチームとして対応してくれるので安心感があるといったお話がありました。また、moreで働く20代の女性、Oさんも飛び入りで参加。大柄な利用者でも、最新の技術を利用しながら介助するため体格差はあまり気にならない、と話してくれました。
体力に自信がないから介護職は自分にマッチしていない、と選択肢から外していた方もいらっしゃると思いますが、今回の事例はそのような方はもちろん、これから求職活動をしていく方にとっても「介護」を新しい視点から検討するきっかけになるお話でした。
(ワークショップを受けて)
今回より1セミナー1事業者に登壇事業者を絞って開催していくR60-SETAGAYA-セミナー。会社の雰囲気をお伝えしたり、これまで持ってきた業界へのイメージを刷新してもらいたい、という想いがありました。
参加された方からも「事業者の雰囲気は紙面だけではわからないし、一人で見学に行くのもハードルが高い。この様な場を作っていただけてとても良かった」というコメントをいただきました。このセミナーをきっかけに、色々なセミナーなどに参加していきたいと意気込みを示してくれた方もいて、皆さんの一歩を踏み出すきっかけになればと思います。
R60-SETAGAYA-について
R60-SETAGAYA-では、ミドルシニアが「自分らしい働き方に出会う」ための仕事作りを行っています。
これまで暮らしてきた身近な地域・世田谷で、ミドルシニアからの新しい働き方をはじめてみませんか?
三茶おしごとカフェ(世田谷区三軒茶屋就労センター)
世田谷区太子堂2-16-7 世田谷産業プラザ2F
Tel:03-3411-6604
Mail: oshigoto2@setagaya-icl.or.jp
※R60-SETAGAYA-への登録を希望する場合は三茶おしごとカフェの受付にてお知らせください。