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【現在進行形就活体験記】興味を持つことをやめないで

興味を持つことをやめないでね、と言われた。
その言葉が、ずんずんと心に入ってきて、私はすこし戸惑っている。

就活をしていると、どうしても企業に合わせてしまう自分がいて、だけれど私はそれに気づけない。
私から出てきた言葉は私の本心だと、そう信じこんでいるところがあるからだ。
だから私は、ジェンダーに関することは今すぐやりたいわけではありません、と、面接で言っている私が、本当の私だと思っていた。

私が今受けている数少ない企業のうちの1つは、その企業のことは置いておいて、やりたいことを述べてください、というスタンスを取ってくれて、私は心置きなく自分のやりたいことを語っていた。
就活を初めたばかりの頃は、ジェンダーに関する人の意識を変えたい!と息巻いていた。
もちろんその言葉は企業の人事の方が記録をするわけで、そして当然次回以降の面談の際に参考にされるわけで。
その日の面談の時も、資料を見てくれていたんだろう、「(私)さんはジェンダーに関することがやりたいんだよね!」と言ってくれた。
私は少し驚いて、一拍置いた後、こうすらすらと話していた。

「ジェンダーに関することは、今すぐにやらなくてもいいかなって思っています。というのも、今やるには経験も能力も足りないですし、まずは社会に出て問題意識を持つところかなって思っているので。」

そう言った私を、怪訝そうに見る人事の方。
なんで?と、そしてこんなことを言われた。

(私)さんが、ジェンダーに関することに興味を持った理由、問題意識、そして様々な行動を起こしてきたこと。
それはすべて、(私)さんだからこそできたことだと思う。
(私)さんだからこその視点で持てた問いを、生涯忘れないでほしい。
興味を持ち続けてね、興味を持つことをやめたらだめだよ。
(私)さんだからこその問いが、社会を変えていくだろうし、新しい仕事を作っていくだろうし、仕事って、そういうものを持てなくなったら味のないものになっていくと思うよ。

私はなんだか、泣きそうになってしまった。
他の企業で「ジェンダーに関することは今すぐやりたいですか?だとしたらうちではできないです。」と少し迷惑そうに言われたことを思い出して。
そうか、興味を持ち続けていいのか、諦める必要なんかないんだ、と、自分を認めてもらえたような気がして。

嘘をつかない就活は、難しいだろう。
時には、言葉を借りて自分を表現することもあるだろう。
でも、想いの根幹、人生の問いだけは、自分で設定しなければ、自分の人生なんだから。
仕事はあくまで、その私オリジナルな問いを検証するための手段でしかない、そう思いながら就活をしたい。
そんな新たな思いにさせてくれる面談だった。

御社ラブ。

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