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呪霊を生み出さないために〜未消化の感情が自分を傷つける

タイトルから禍々しいですが…
霊的な話ではありません…悪しからず。

最近、遅ればせながら『呪術廻戦』にハマっていて、
ちょっとそれっぽいタイトルにすれば、注目されるかなという下心まみれのセコい気持ちからつけたタイトルです。

で、『呪術廻戦』における呪いとは、
人間から無意識のうちに漏れている、負の感情から生まれるもののことを言います。 そして負の感情は呪力というエネルギーになります。

だそうです。

まぁ呪いなんて大げさな…とか
そんな少年ジャンプ的な発想、知らねえよ!
という方もいらっしゃるかと思いますが、

なかなか呪いという感覚、
自分の中で呪霊が蠢いている、と想定することで色々と機能してくることもあるのです。

そもそも未消化の感情とは何なのか?

我々は産まれてこのかた様々な感情が脈々と出現し続けています。

幼い頃は思いっきり泣いて消化していました。

ところが、だんだんと成長していくにつれて
「泣いたらダメ」
「それくらいで泣くな」
「我慢しなさい」
と周囲から言われるようになるのです。

そしてそれはいつしか内在化していき、
「これくらい大丈夫」
「悲しくなんかない」「寂しくなんかない」
となり、見事に『我慢の男』一之倉聡が出来上がっていくのです。
※スラムダンクネタですみません。

いやぁ良かった、良かった。
これで立派な大人、社会生活を営む上で我を押し殺した立派な社会人の出来上がりですね。

でもね、これは感情に蓋をして、何も感じないように感覚を麻痺させただけで、
感情は決して消えたわけではないんですよ。

むしろ、ちゃんと向き合ってもらえなかった感情は、呪霊となり、無意識下に押し込まれ、
自分の見えないところでゆっくりと蝕んでいくのです。

しかもそれは呪霊なので見えません、感じられません。
悪さをしてても気づきません。

でもそこにいるので、何かの拍子に形を変えて溢れ出すのです。

ある時は泣いている子どもへの苛立ちであったり、
ある時は自由に生きている(ように見える)他者への怒りだったり、
時に自分でも理解できない止まらない怒りであったり…

大抵の場合、その溢れ出る感情がなぜ起こっているのか理解できず、

ある人は、自分にそのような気持ちにさせる他者を呪ったり、
ある人は、感情をコントロールできない自分を卑下したりするのです。

でもそれは相手が悪いわけでも、自分がポンコツなわけでもありません。
※本当に相手が悪い場合もあります。相手は悪くない、自分が我慢しろという話ではありませんので悪しからず。

幼い頃から注目してもらえなかった、蓋をして無きものとして扱われてきた未消化の感情が時を経て熟成され、特級呪霊となった結果なのです。

という『呪術廻戦』人気に便乗した、とんでも理論ですが、
そのような想定をすることで見えてくるものがあります。

人は見えている事象から理論ができあがるのではなく、
理論があるから見える事象もあるのです。

まずは自分の中に未消化の感情がずっと残っていて、それが特級呪霊となって、自分の心身を支配していく
と想定することで、見えてくることもあるのです。

ではそんな特級呪霊もとい未消化の感情をどうすれば良いのか?

呪術師に頼る?
そんなツテがある人はめったにいないですよね。

カウンセラーにお願いする?
良い方法だと思います。
ただ呪霊とか言うと怪訝な顔されるので気をつけてくださいね。
特に過去何年にも渡って溜まり続けた未消化の感情は、専門家に時間をかけて解きほぐしてもらう必要がありますね。

ただ、いきなりカウンセラーを探すのも大変ですよね。
なので、まずは今後生じる感情を認めてあげることから始めていきましょう。

「こんなこと感じてしまってはダメだ」とか「こんな風に思ってしまう自分はなんて残酷なのか」とか

そういった”大人な価値観”は脇に置いておいて
まずは生じた感情を素直に認めていくことで、産まれたての可愛い感情を特級呪霊に成長していくことを防いでいきましょう。

別に感情のままに行動しろ、というわけではないのです。
そんなことしたら社会生活送れないですもんね。

でも自分の中ではちゃんと感じた思い、生じた心の機微を認めてあげることが大事なのです。

我々は幼い頃から感情に蓋をすることに関してエリート教育を受けているので、
最初はそう簡単には自分の感情を認められないかもしれません。

時に「俺ってここまでヘタレだったの?」とか「私ってなんて残酷な人間なの」とか思ってしまうこともあるかもしれません。

でも表に出さなければ、誰かから悪く言われることはありませんので、
そんなどこまでもヘタレでどこまでも残酷な自分さえも受け入れていくことで、少しずつ自分の感情と良いお付き合いができるようになっていくのです。

といっても毎日、毎秒あふれ出す感情に生身で向き合い続けることは大変です。
術式や呪具なしで呪霊と相対するようなものです。

術式や呪具を伝授することはできませんが、例えばリラクゼーションであったり、例えば呼吸法であったり、そうした方法を取り入れていくことで、
きっともっと生きやすくなってきます。

そしてそもそもリラクゼーションや呼吸法といったものは、自分の感情を認識できていないと効果も発揮できません。
呪霊も見えずに術式発動や呪具で闘うことはできませんよね・・・

我々は感情に蓋をするエリートなので、急には自分の感情を認めることはできないかもしれませんが、
毎日少しずつ、大切に自分の感情と向き合っていくことで、少しずつ、でも確実に変わっていきます。

最後に、尾崎豊のあまり知られていない名曲『理由』より

さみしさは 誰もかくせない

君のやさしさの 嘘が繰り返してる

尾崎豊 アルバム『街路樹』より

君の優しさが バランスにかくれて
涙はこぼれて 愛に溺れてく

この傷の上に 生きて欲しい
傷を癒すように

僕は君を 守るのに
僕は君の 理由を奪う

尾崎豊 アルバム『街路樹』より

尾崎豊の中でも屈指の迷作?アルバム『街路樹』の収録曲なので、歌詞もまた謎に満ちているのですが、
勝手な無理くりな解釈が許されるなら、

寂しさや怒りといった負の感情は誰も隠せない
大人として、周囲に対して優しく生きようとすれば、うまくバランス良く振る舞っていかなければいけない
うまく生きていくためには、ネガティブな感情の理由を自分で奪って蓋をしていかなければいけない
でも傷を癒やしていくためには、その傷を認めていかなければ・・・

みたいなことを歌っていたのだと都合良く引用させていただきました。

とまぁいろんな方向にとっちらかった内容ではありましたが、
これからの時代、
みんな自分自身に優しく生きられる時代になっていけばいいなぁと思っています。


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