アーユルヴェーダを巡る旅、その3

開始前、徐々に集まってきた人たちのゆるゆるとおしゃべりが続く中、各自が調べてきた太陽星座、月の星座、アセンダントハウスを見てもらう。

「ああ、これは頑固だよね。全部固着宮だし」
「火と火と風でバランスいい。おもてうらないよね」

など、各星座が示す属性や特徴を見てどういった行動様式だとか、どういったタイプなのかを解説する。ドーシャというその人が生まれ持ってきた個性とほぼほぼ一致するという。それは、プラクリティという生まれ持ったクオリティ、本来のバランスともいい、それからあまりにも外れるとヴィクリティとなり苦しくなるのだ。

人はアンバランスな生き物であり、だからこそ、この世に存在しそれがドーシャとなって現れている。世界は不均衡であるため完璧なバランスというのはないのだが、自分が楽になるように調和を取っていけば自然と物事がうまく進むのだ。

どうしてもエゴという自分にとらわれすぎると、宇宙と切り離されてしまうので、そのあたりをいい塩梅で過ごすこと。

なんだか、よくわらかないようなことだが、世の中なんでもOKというのだ。
ますますカオスなのだが、この世は混沌としているので、それでいいのだということ。

だいたい話すことは二日間で終わってしまったので、復習がてらもう一度はじめのほうからやり直すことになった。

とはいえ、全く同じかというとそうでもなく、その場にいる人たちが今日はじめてさんもいれば、昨日お休みの人もいるのと、先生の状態によって降りてくるものが違うということで、同じ趣旨のことをその場その場にふさわしいアプローチで話始めるのだ。

アーユルヴェーダにおける健康の指針についておさらいをする。
カパ、ピッタ、ヴァータがそれぞれ1日に当てはめるとどうなるといった新しい内容も入ってくる。午前、午後を三分割して、スタートのカパ、消化のピッタ、非物質(思考)のヴァータ、それぞれどういった活動をしたほうがよいかを示す。午前と午後でも役割が異なっていて、外側に働きかけるのが午前中で、内側に注意を向けるのが午後の役割だ。

できればご飯は陽が出ているうちに食べたほうがよく、寝る前に食べると消化のためのエネルギーが動きだし、消耗してしまうという。しかも夜中2時を過ぎてもまだ起きていると悪いことに思考がヒートアップしてとっちらかってしまうのだ。夜中書いたラブレターは朝もう一度見直せとはこのことだろう。

どうしても現代の社会生活を送っていると夜中に物を食べたりすることが多くなるが、あまり身体にはよくないようだ。そうしてカーマが暴走しているのも現代という。

この1日に当てはめたものを、人生にも当てはめることもできる。世界の雛形といっている所以だ。生まれてから20歳中盤ぐらいまでが、スタートでありインプットのカパ、そこから5、60歳ぐらいまでがアウトプットのピッタ、そこから死へ向かう悟りの時間のヴァータである。

本来は、欲を達成したら手放してモクシャというものを目指すのだが、どうしてカーマ中毒になってしまって、もっともっとと求めすぎてしまう。そうすると、悟りの時間を迎えているにも関わらず、生に執着してしまうあまり、死の前にぶり返しを受けてしまう。これが浄化されずに輪廻転生することで、過去のカルマというものになるのだ。

そういった考え方をクリーニングするのに、ヨガニードラや瞑想といった類が非常に役にたつのだ。

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