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INGRESS 2023年6月上田アノマリーのあれこれ

◽️ご挨拶

皆さんこんにちは、お久しぶりです。お世話になっております。
INGRESSでは大阪エリアを中心に日本全国どこにでも現れるENLエージェント kizokuchan でございます。

今回は2023年6月17日(土)に行われた、INGRESS Echoアノマリーin上田、および翌18日(日)のMISSION DAYを軸に、私kizokuchanが当日や前後をどう動いたのか、そして久しぶりの大型イベントに参加して何を感じたのか、等について書き記しておきたいと思います。

主にINGRESSにおけるアノマリー、MISSION DAY、移動に次ぐ移動、そしてグルメの数々、ライフワークである廃線探索あたりがごった煮になった感じの文章になると思います。よろしければお付き合い下さい。

◽️アノマリーって何?

まず、INGRESSにおけるアノマリーの位置付けについて簡単に触れておきます。

アノマリーというのは、INGRESSにおけるストーリーの展開を左右するでっかいイベントだと思って下さい。INGRESSのストーリー的には、謎の物質であるXM(Exotic Matter)を積極的に受け入れて「人類を覚醒に導こうぜ!」とするEnlightened(ENL、緑)と、「そんな得体の知れない危ねえやつはダメに決まってんだろ」とするResistance(RES、青)の二勢力に分かれて日々戦っているということになっておりまして、アノマリーにおいて行われる特別なルール下の各種バトルの勝敗結果によって、その先のストーリーの分岐が勝った勢力がより優勢になるような展開に持って行きやすくなる、という感じのイベントなのです。

アノマリーには毎回特別なネーミングが付けられています。開催地も世界各国色々ありました。過去には東京で「Darsana」、京都で「Shonin」、大阪で「EXO5」などのアノマリーが開催されました。また、最近では3ヶ月を区切りとしてシリーズが設定され、毎月世界のどこかでプライマリーサイト1ヶ所とサテライト数ヶ所によるアノマリーが開催され、各都市の勝敗結果を総合してそのシリーズの勝敗が決まるような流れになってきています。今回の長野県上田市は「Echo」というアノマリーシリーズのPhase3のサテライト都市、という位置付けになっています。

Echoシリーズにおいて、4月のPhase1ではプライマリーがアメリカのフロリダ州ジャクソンビル、サテライトがフィリピンのバギオと南アフリカのピーターマリッツバーグとかいう聞いたことのない都市で開催されました。

5月のPhase2ではプライマリーがオーストラリアのブリスベン、サテライトがウルグアイのモンテビデオとイギリスのブライトンで開催されました。私はこのことを知った時に「ブライトンは三苫がいるから分かる」ということと、「モンテビデオってルーマニアじゃなかったんだ」という2つのことを思いました。

そして6月のPhase3では、プライマリーがギリシャのアテネ、サテライトがカナダのウィニペグと日本の長野県上田市に決まりました。つまり、上田への参戦がEchoアノマリーというシリーズにおいて日本国内での参加が可能な唯一のチャンスです。そうなると血気盛んでフットワークの軽い日本国内のエージェント諸氏が「上田でやるらしい、行くか」と決起して移動手段の検討や宿の手配を次々と始め、かくして上田市内のお宿はかなり早い段階で嵐のコンサートか羽生君のアイスショーでもあるのかという程の埋まり具合を見せました。

ちなみに日本でのアノマリーの開催がある場合、もちろん日本国内だけでなく近隣アジア圏はおろか遠くヨーロッパやアメリカから日本にやってくるエージェントもいます。逆に日本でアノマリーの開催がない場合でも東南アジアやアメリカへすっ飛んでいく日本のエージェントも数多く居ます。

アノマリーに参加して条件を満たすと、アノマリー参加記念メダルがゲーム内で付与されます。過去には「参加登録をして、当日現地の特定のポータルをハックする」とか、参加記念キットの中にパスコード入りの参加記念メダルカードが入っている」などの条件がありました。今回の条件は特に事前の手続きは必要なく、「NIAが設置したバトルビーコンに5回以上参加する」ことでした。これについては後の項で詳しく説明します。

今回の長野県上田市では、アノマリーの翌日に「MISSION DAY」も開催されました。
これはアノマリー開催地域で今回のために作られた特別なミッションを6個以上クリアすることでMISSION DAY参加実績を1つ増やすことができるというものです。基本的にミッションは18〜24個設定され、都市の中心駅周辺で簡単に完了できるものや、市街地の観光名所を巡るもの、郊外のスポットを回るハードなもの等が揃えられることが多いです。最低限の条件を満たすのであれば簡単で移動範囲の小さい6個だけ完了すればOKですし、コンプリート欲が出てしまって全て回り切る方も多いです。MISSIONを通してその街の魅力を発見して欲しいという狙いもあります。

アノマリーの開催地には国内外からたくさんのエージェントが訪れます。彼らは交通機関や車を使ってやってきますし、ほとんどの人間が宿泊をします。当然、街の各地で食事をしますし祝勝会や反省会なども催されるでしょう。MISSION DAYでは歩きの他に交通機関を使って移動したり、街の魅力を発見したり観光したりグルメに舌鼓を打ったりします。そしてお土産を買って方々へ帰っていくわけです。普段距離があってなかなか会えないエージェントの再会や、名前は知っているけど会ったことのない人との邂逅、それに新しい知り合いができることも多くあります。

すなわち、INGRESSにおけるアノマリーとは
•ゲーム上の一大イベントである
•国内外から沢山の参加者が集まる
•参加するだけで記念メダルが貰える
•普段の雰囲気とは違う興奮のゲームプレイができる
•MISSION DAYでは街の魅力やグルメを楽しむことができる
•エージェント同士の同窓会や、新しい出会いの場でもある
•開催地はかなりの経済効果が期待できる

といった感じで捉えておけば良いと思います。

ここまで読んで「なんだか面白そうだな」と思われた方に耳寄り情報なのですが、来たる2023年9月16日(土)に兵庫県神戸市でアノマリーが開催されます。神戸市は7〜9月で行われる「Ctrl」シリーズPhase3のプライマリーサイトとなっています。かなりすごいことになると思うので興味を持たれた方は是非参加をご検討下さい。

◽️じゃあ上田に行くことにしましょう

さて、「簡単に説明する」と書いておきながらガッツリやってしまったところで、私kizokuchanが今回の上田アノマリーに参加するところを詳しく書いていこうと思います。

アノマリーに参加すると決めたエージェントが最初に検討するのは、「移動手段」「宿の確保」です。まず兎にも角にも宿の確保を最優先しなければなりません。昔から「メシより宿」の格言があるように、宿を押さえることで出撃も移動も休養もできる拠点が保証されることになります。

上田駅周辺にはおよそ10ほどのビジネスホテルがあります。そこそこ多いように思えますが、このくらいだとアノマリー開催が発表されたあたりで気の早い人たちによって次々と埋まっていきます。また当然ながらINGRESSに一切関係なく、通常の観光客や仕事で訪れる人もいますので出遅れるとかなり面倒です。現地の手頃な宿が埋まってしまって予約ができない場合は次善の策があり、「周辺に泊まる」という方法があります。例えば上田なら、新幹線を使えば10分程度で移動できる長野市内も十分選択肢に入ります。また、上田市には「別所温泉」という由緒正しい立派な温泉郷があります。電車一本で上田駅に出られますので羽を伸ばす意味でこちらもアリでしょう。私は色々考えているうちに上田市内の宿確保を逃してしまったので、長野駅前のホテルを金〜日の2泊分押さえました。

続いて現地までの行き帰りの移動経路の検討に入ります。車で行くのは柔軟性があって楽なのですが、疲れ切った日曜日中に帰ることを考えて今回は除外します。東京から上田に行くのは大変にイージーで、北陸新幹線乗り換えなし一発で行けます。では大阪からはどうかというと、乗り換えなしで真っ直ぐすんなりというわけには行きません。考えられるメジャーな経路は以下の通りです。

①新大阪→新幹線→名古屋→特急しなの→篠ノ井→しなの鉄道→上田
②新大阪→特急サンダーバード→金沢→新幹線→上田

②北陸回りルート、そこそこ安く乗り換えも楽

上記2ルートは所要時間もお値段も殆ど変わりありません、強いていうなら②の方が若干お値段が張り、その分乗り換えが楽で少しだけ所要時間が短いです。その他、

③新大阪→新幹線→東京→新幹線→上田

③東京ルート、全行程新幹線なので高い

というルートもあるのですが、全行程新幹線だけあって乗り換えもシンプルで早い分、先述の2ルートより遠回りで5,000円ほど高いです。安くあげようと思えば一応、大阪から上田へ向かう夜行バスもありますが、着いてからフル稼働で動くことを考えると今回は避けた方が良さそうです。また変化球として、松本空港へ飛行機で向かい、一度松本駅へ出てから上田へ直通しているバスで現地入りする方法もあります。北海道や九州から上田に入る場合は最寄空港が松本になりますので、案外有効な手段となります。

ひとまず、帰りはクタクタになっていることを想定して、なるべく乗り換えが少なく、それでいてお値段も中くらいの②番の逆ルートで切符をネット予約。あとは行きのルートなのですが、金曜日にまるまる有休をとってその日のうちに長野駅へつけば良いわけですからそんなに難しくはありません、早速JRの駅へ切符を購入しに行きました。

「すみませ〜ん、大阪市内→横川(信)の片道乗車券をこんな感じの経路でください」
こんな感じ=新大阪→東海道新幹線→新横浜→横浜線→八王子→八高線→高麗川→川越線→大宮→高崎線→高崎→信越線→横川

金曜日がまる1日フリーでその日は長野に前入りして寝るだけなんだから、折角なので色々寄り道して現地入りしてもよかろう、という感じで旅程を組んだのでした。というか私のINGRESSライフ、ひいては普段の旅行や移動についてはこの「折角だから」の拡大解釈がイカれたレベルで運用されていることをたまに実感するんですよね。この後も「折角だから」が沢山出てきます楽しみにしていてください。

◽️まずは長野に行きましょう


2023年6月16日金曜日午前6時00分。
新大阪駅からゆっくりと動き出した始発の東海道新幹線のぞみ200号の車内に私はいました。「休日の移動は始発から、そうすればめいっぱい楽しめる」プロスペラがスレッタに繰り返し刷り込んでいた言葉ですね。

その後は東海道新幹線で新横浜へ向かい、横浜線で八王子へ。八王子から八高線で高麗川経由川越、川越線で大宮へ出て駅の立ち食い蕎麦をかっ込み、大宮から高崎線で高崎へ。高崎からは信越線横川行きに乗って終点の横川へ向かいます。目的は駅に停まった際にユニークポータルを回収したいからです。

高崎からの信越線は全て横川行

信越線は従来、起点の高崎から横川へ向かい、碓氷峠を越えて軽井沢、上田、長野を通り日本海側の直江津へ抜け、新潟までを結ぶ長大路線でしたが、長野行新幹線の開業に伴い横川〜軽井沢が廃止になりバス転換、軽井沢〜篠ノ井はしなの鉄道に移管されました。さらに北陸新幹線の金沢延伸によって長野から直江津までの区間も各県主体の第3セクターに経営分離され、結果3つの区間に分断された状態で残っています。

上野〜長野•直江津を結んでいた特急あさま

横川に着いたら列車の到着時刻にうまく接続するようにJRバスが軽井沢駅行きのバスを運行していますが、急ぐ旅ではないので折角だから「碓氷峠鉄道文化むら」に寄ることにします。ここは前述の横川〜軽井沢間の廃止に伴い、碓氷峠と鉄道の歴史と文化を多彩な展示車両や資料と共に学べる場所です。碓氷峠を実際に列車を牽引して走っていた電気機関車の運転体験ができる有料の特別プログラムも人気です。それとは別に、「本物の電気機関車の運転台使ったシミュレーターで操作もガチリアルで途中失格もあるから素人は手出すんじゃねえぞ」的なことが注意書きに書いてある、電車でGOエクストラハードモードのようなアトラクションもあります。初回プレイ料は2,000円です、こわい。入場料自体は大人700円で、園内にも10以上のポータルがあるので見学ついでに全部触っていきます。

横川〜軽井沢のJRバス。ICカード不可で現金先払い

小一時間で見学とユニークポータル回収を終えて横川駅に戻り、JRバスの軽井沢駅行きに乗車します。廃止区間の代行バスともいえる設定ですが、廃線区間に沿う旧碓氷峠の道路は通らず、カーブ半径や線形が改良された碓氷バイパスの方を走行します。ただし休日など特定日に1往復だけ旧碓氷峠の方を走行する便が設定されることがあります。

軽井沢駅構内に横軽廃止前の駅名標が

軽井沢駅に着いたら、ここからは再び鉄道旅。しなの鉄道に乗って長野へ向かいます。乗り換えまで少し時間があったので、以前軽井沢に泊まった時以降に新しく生えた駅周辺のポータルを触ってから電車に乗ります。軽井沢を出て小諸で一旦乗り換え、途中に明日戦場になる上田駅を通って篠ノ井からJRに乗り入れ、18時前に長野に到着しました。上田駅停車時には既に明日のアノマリーを待ちきれない人たちが駅前のポータル群を舞台にドンパチ始めているようでした。長野到着時も、おそらく同じ考えで長野駅近辺に宿をとっていると思しきエージェントのログが多数出ていました。こういう時地元の人の名前を見かけるとワクワクしちゃいますね。

とりあえず蕎麦

長野駅に着いたら早速ホテルにチェックインし、着替えなどを取り出してリュックを軽くします。時刻は18時を少し回ったところ。ここからやるべきことは晩飯を食べることと、明日に向けたインベントリの最終調整、そして観光です。ちょうどホテルの建物地下に美味しそうなお蕎麦屋さんがあったのですが、金曜の夕方ということもあってかなり混み合っており断念しました。結局長野駅前にある「信州十割蕎麦 てん」という店に入り、地酒と天ぷらをいくつか注文し、景気づけに一杯やってから肉蕎麦を食べました。「挽きぐるみ」とは蕎麦の実の皮ごと粉に挽く製法で、蕎麦の香りと歯応えが強く感じられるのが特徴です。長野に来たからには3食蕎麦でもいいと思っているだけに幸先の良いスタートとなりました。

お腹を満たしたところで時刻は18時30分、まだまだホテルに帰って落ち着くには早すぎます。折角なので公共交通機関を使って少し周辺を回ってみることにします。
長野駅にはJR、しなの鉄道の他に「長野電鉄」という私鉄の駅があります。金沢駅の北陸鉄道のように、長野駅自体は地下化されていて郊外に出たあたりで地上に顔を出します。以前はいくつか分岐もあったのですが現在は長野〜湯田中の本線のみが残っています。時刻表を調べた上で行けると判断し、湯田中まで行って帰ってくることにします。
目的はもちろんユニーク回収です。

長野電鉄のターミナルは地下駅

長野電鉄にはフリー乗車券(1日券、2日券)があります。1日券だけでも全区間往復より安くなるのでこれを使用することにします。しかもフリー乗車券は通常なら追加で100円払う必要がある特急にも乗車することができます。長野駅の窓口へ行って1日フリー乗車券の購入を申し出たところ、駅員さんから「今日ですか?」と尋ねられます。普通に考えれば18時回った時間からフリー乗車券を使用する奇特な客はそうそう居ないでしょうから当然です。「今日使います」と答え日付印を捺してもらい購入完了。

長野電鉄の運行形態では、1時間に2本程度の普通と1時間に1本程度の特急が走っています。普通電車は途中の信州中野という駅止まりで、そこから乗り換えて湯田中へ向かうことになります。特急だと湯田中へ直通するものと信州中野止まりがあります。車両については普通電車は東急のお古と日比谷線のお古、特急はロマンスカーと成田エクスプレスを3〜4両に短くしたものが使用されています。地方鉄道に行くとこういうJRや大手私鉄からのお下がりが見られるのは面白いですね。

金曜の夕方だけあって、長野駅を出た3両編成の普通電車はかなりの混雑を見せました。しかし途中の駅で学生やサラリーマンが次々と降りていき、終点の信州中野駅までは約20名ほどが乗車していました。信州中野から終点の湯田中までは人口も希薄で、加えて上り勾配もキツめになり山岳路線のようになります。長野を出発して乗り換え含め約65分で終点の湯田中駅に到着しました。最後まで乗っていた乗客は私を含め7人でした。

温泉街の玄関口、湯田中駅

湯田中は地名が示す通り温泉地で、しかし全体的に少し鄙びた感じもあるところでした。温泉宿は十数軒ほど、公衆浴場が数軒ほど川に沿って建っており、あとはスナックや土産物屋が並んでいます。先ほど駅で降りた客のうち4人は駅前で旅館の送迎車に乗って宿へ向かったようでした。帰りの電車まで1時間ほどあるので、折角だからこの温泉地をぐるりと回ってみることにしました。

なんでわざわざ長野から1時間もかけてこの鄙びた温泉地に来たかと言いますと、みなさん記憶に新しい「赤ポータル」ことMACHINAがこの辺に少し蔓延っているのが事前に確認できたからなんですね。赤ポータルを焼いた後の中立ポータルをキャプチャすると実績になる仕様が実装されたので、行ける時は積極的に行くようにしています。MACHINAについては完全な過疎地にはあまり発生せず、中立ポータルである期間が長い、かつある程度の人通り(INGRESSエージェントに限らない)が活発にある箇所に多く発生している印象があります。そうするとこういう少し都市部からアクセスに難のある温泉地あたりは丁度いい具合ということになりますね。

ただ残念ながらタッチの差で先客がいたようで、目星をつけていたポータル群があらかたキャプチャされていました。赤ポ狩りは早い者勝ちなのでしょうがないと割り切り、ユニーク回収を主眼に置いて歩き回ることにします。時折枝道に入ると、メインルートからバースターの余波で白くなったポータルがあり、それをキャプチャすると1,331APのボーナスが入って直前が赤ポであったことがわかります。途中で「湯田中プリン」なる名物の無人販売所があったので温玉プリンという一押しを買って行きました。

そうこうしているうちに帰りの電車の時間になったので湯田中駅に戻ります。ちなみに湯田中駅には隣接して公衆の足湯が設置されています。20時を回っていましたが足湯には5、6人ほどの湯治客が足を浸していました。

ここが特等席

湯田中からの帰りは成田エクスプレスを3両にして再改造した「特急スノーモンキー」に乗車します。湯田中からさらに山奥へ向かうと志賀高原があり、そこにニホンザルが温泉に入ることで有名な地獄谷野猿公苑があって、そこからの命名です。 湯田中に来る客は基本的に温泉旅館への宿泊をメインとしているため、この時間から特急に乗って長野市内へ戻る人間は皆無でした。特急の座席にゆったりと座り長野市内へ向かいます。途中で先ほど買った温玉プリンを食べてみましたが、温玉のほのかな塩味とバニラビーンズの効いたプリンの甘味がベストマッチで、大変美味しかったです。

湯田中をでた特急は山岳路線を滑り降りるように走行し、信州中野までノンストップで走ります、その後幾つかの主要停車駅に停まったあと、長野市内の地下路線へ入っていきます。私は長野駅の一つ手前の「市役所前」で下車し、地上に出ました。大通りの交差点付近に長野最大の映画館と併設のゲームセンターがあります。軽く遊んでから再び市役所前駅に向かい、後続の普通に乗って長野駅へ向かいます。市役所前〜長野間は電車でも3分で歩けなくはない距離ですが、折角フリー乗車券を買ったので極力鉄道を使いたいと思い再乗車しました。

長野駅前のお手軽6連、長野の名物がモチーフ

そうやって22時前に長野へ戻ってきたわけですが、「まだ」22時前です。駅前で手頃なミッションでもないかと探したところ、長野駅前から繁華街を通って先ほどの市役所前まで歩くセカンドサンデー用6連ミッションを見つけたので、これをやることにします。直線ルートより多少遠回りはするものの、特に問題なく6連ミッションを完了し再び市役所前近辺に到着。時刻表を確認したところ、長野電鉄の長野行き最終電車があと20分くらいで来るとわかり、周辺の脇道にあるポータルを触って回ったり、対象ポータルで「夜でもオーバークロックは可能なのか」を検証したりして時間を潰し、最終長野行きに乗って再び長野駅に到着しました。長野駅では有人改札をでフリー乗車券を提示しながら出場するわけですが、つい先ほど湯田中からの戻りで通った時の駅員さんと同じ方だったので、「さっきフリー乗車券を提示して改札を出た客が、1時間後にまたフリー乗車券を提示して改札を出た」という感じになり奇妙なことになりました。

朝5時台から移動しっぱなしでいい加減疲れてきたので、コンビニで飲み物だけ購入してホテルに戻り、シャワーを浴びて明日の準備をして寝ることにします。

なお、エージェント諸氏には理解いただけると思うのですが、「ホテル内からレンジインするポータルが複数あると嬉しい」という感覚があり、逆にそれ狙いで宿を選定することもあります。今回はギリギリ2箇所入ってました。おやすみなさい。夜中の1時とか2時にホテルから触れるポータルに攻撃通知が来ているのを見ると、開戦前夜だなって感じがして楽しくなります。はよ寝た方がええで。

◽️お待たせしました、アノマリー当日です


タマはいくらあっても良い


2023年6月17日(土)、いよいよ決戦の日がやってきました。
アノマリーの時間帯は14〜17時となっていますが、折角だから上田市内を楽しもうということで早めに現地へ向かうことにします。念のため予備インベントリの扱いでロードアウトカードを大量持参。コードを全てメモ帳に書き出し、リュックに大容量モバイルバッテリーを詰め、顔面と首周りに日焼け止めをベットリ塗りたくって準備完了。ホテルを出て長野駅9時台の新幹線で上田へ。しなの鉄道なら長野から上田へ大体40分ほどかかるのですが、ちょっとお金をはずむだけでこれが11〜2分に短縮できます、新幹線ってすごい。

というわけで9時過ぎに上田駅に到着。改札を出たあたりから既にどう考えてもエージェントでしょって感じの雰囲気の人がいるわいるわ。「今日この街は戦場と化すんだからよ」的な空気の駅前からバスに乗り郊外へ向かいます。なぜ郊外に向かうか、それは「アノマリー開始までまだ時間があり、郊外に魅力的な廃線跡があるとわかり、ついでにその辺のポータルも舐めて市内に戻っても間に合うから、折角だから」という理由です。

樋ノ沢バス停

上田駅から「真田」行きのバスに乗ること15分、樋ノ沢というバス停で下車します。ちょうどこの真田行きのバスが通るルートに近似して、約50年前まで鉄道が走っていました。真田とはその名の通り、真田氏の発祥とされている地域です。「真田傍陽(そえひ)線」は上田駅から真田地区と傍陽地区を結んでおり、真田からは菅平高原行きのバスが出ていました。また地域で獲れたリンゴなどの特産物を上田へ貨物輸送していましたが、トラックの台頭などにより1972年に廃止されました。

真田傍陽線の目立つ遺構は上田駅近辺とこの樋之沢に遺っていて、他はほとんど道路に転用されたり農地整理で跡形もなく消えてしまいました。上田駅周辺は翌日の探索で十分と考え、午前中のうちに郊外の廃線跡を探しに行くことにしたのでした。

樋之沢駅ホーム跡

国道上に移された樋之沢のバス停から少し南下して上信越道の下をくぐると、ほどなく樋之沢駅跡に辿り着きます。50年前に廃止になった駅の行き違いホームがほぼ完全な形で遺っています。マップで航空写真を確認すると、鉄道らしい緩やかなカーブの跡も確認できました。何枚か写真を撮って満足し、再び国道に戻ります。

野菜天がデカい

上田駅へ向かうバスはおよそ1時間に1〜2本あることがわかったので、どうせ市内のメシ時は混んでいるだろうと思い、戦の前の腹ごしらえも郊外で済ませてから戻ることにしました。ちょうど国道沿いにJA直営の販売所と食堂があったので入店。メニューにまたしても十割蕎麦があったのでこれはしめたと思い、野菜天ざるの大盛りを注文。地場産野菜の揚げたて天ぷらと十割蕎麦のハーモニーは絶品でした。蕎麦湯も濃いめでGood。

食べ終わってもバスまで時間があったので、隣の食彩館で少し買い物をしてから近くにある「玄蕃山公園」に登ってポータル回収。小高い丘の上からは上田市街が見渡せて風が気持ちよく、しばらく居たい気持ちを堪えてせっせと下山。ちょうどやってきたバスに乗って上田市内へ戻りました。時刻は正午を少し回ったところ、既に太陽はかなり強めの陽射しで地上の我々を灼き始めており、これから始まる過酷な戦いを予感させるものでした。

アノマリー18連、手頃でいい記念になります

アノマリー本戦は14時からなので都合あと2時間弱あります。市内のポータルは既に有志によって厳重な免疫管理が始まっていました。いやおそらくその数時間前から、あるいは数日前やひと月以上前から広義の意味での戦いは始まっていたのでしょう。毎回作戦的な動きやチームを組んで参加、それに現場判断で指示を出せる人達にはただただ感服の念しかありません。そんな開戦前の空気を感じながら、折角なので上田駅前から今回のアノマリー記念で作られた18連ミッションをやることにします。実績メダルとしてはちゃんと後で付与されますが、ミッションで記念を残すのもなかなか楽しいものです。記念ミッションは上田駅前を出て市街地を通り、また上田駅前に戻ってくるルートで全体は5km程度とお手軽でした。距離的にはお手軽に見えるのですが、既に太陽は手持ちのiPadの画面をガンガン加熱していてグリフハックをする指先から端末にこもった熱を感じるほどです。ある意味これは別の戦いも発生しそうなだという気持ちになりました。ともかくも無事に18連ミッションを完了し、上田駅から少し歩いて上田城址の中に陣取って開戦の時を待つことにしました。いよいよ「その時」がやってくるのです。

◽️The gloves are off!!

2023年6月17日(土) 14:00JSTー
いよいよ「その時」がやってきました。
令和の上田合戦、赤備えの城と周辺を埋め尽くす緑と青の武者の大群。
上田アノマリー本戦の開幕です。

カオスを楽しめ

と、ここで「結局アノマリーってどういう勝負になってんの?」と疑問の方もいらっしゃるでしょうから、ちょっと説明してみますね。
アノマリーのルールは時期によって異なりますが、今回のEchoでは大きく分けて2つのバトルが発生し、その結果による獲得ポイントで勝者が決まります。ややこしいように見えますが理解してしまえばそんなに難しくはありません。

①バトルビーコンによるバトル


事前点灯で「この辺が戦場になりますよ」が分かる


事前にNIAによって上田市内の「対象ポータル」にマーキングが点灯します。
アノマリー当日の14〜17時の間で、対象ポータルにNIAがバトルビーコンを設置します。どの対象ポータルにいつバトルビーコンが入るかはわかりません。点灯箇所は主に上田駅周辺、上田市街地、上田城周辺と信濃国分寺周辺で、およそ150〜200個くらいのポータルが対象となっていました。

バトルビーコンはwave1から7までの7回に分けて設置されます。一つのポータルが複数回対象になることもあります。

バトルビーコンが設置されたら、各陣営が全力で奪い合いをします。1度のバトルビーコン設置でフェーズが3つあり、各フェーズの制限時間終了時にキャプチャしている側の得点になります。フェーズ1〜3の点数は2、3、4点となっています。通常はこの3フェーズ終了時での獲得点数の多い方が勝ちとなりますが、アノマリールールでは各フェーズで獲得した点数がそのまま陣営の点数としてwaveごとに集計されます。フェーズ1、2で2+3点取ったからフェーズ3は放っておいてもいいや‥というわけにはいかず、フェーズ3の4点もかなり大きいので守り切る必要が出てきます。また、「ボラタイル」マークが付いた特定のポータルでは獲得点数がそのまま3倍される箇所があります(6、9、12点)。このバトルビーコン戦がインターバルを挟んで7回行われます。

7回あるwaveごとに陣営ごとの獲得点数が集計されます。そして7回のwaveのうち、各陣営の最高得点同士の比率で100(プライマリーは300)ポイントを分配します。
例:7回のうちENL最高得点はwave3の1,200点、RES最高得点はwave5の1,800点
→1200:1800=4:6なのでENL40ポイント、RES60ポイント

このルールですと、7回のwaveのうちコンスタントに平均点を稼ぐより、どこかで瞬間風速を出した方が有利ということになりますが、だからといって瞬間風速を出すwave以外で手を抜くと相手方の圧勝で逆に瞬間風速を出されてしまうので、結局「ずっと手を抜いてはいけない」ということになります。

では瞬間風速をどうやって出すかと言いますと、それには「1つのwaveの間、相手方より圧倒的な割合で対象ポータルを支配する」ことが必要になります。そのためにはどうすれば良いか。上田市内で広範囲に渡って150箇所以上の対象ポータルでバトルビーコンがランダムに勃発するわけですから、乱戦になったらコントロールのしようがありません。唯一コントロールできるとすれば、「最初の最初、wave1が始まる時」となります。つまり初回のバトルビーコンが複数の対象ポータルに配置され戦いが始まった時、それらのポータルに防衛を集中してフェーズ3まで守り切れば大量得点の可能性が出てきます。

その実現手段というのが、上田駅到着時あたりで少し触れた「免疫管理」という方法なんです。INGRESSにはどれだけシールドが入っていようがわんこレゾが続こうが、問答無用で緑を青に、青を緑にそのままひっくり返す「ウィルス」と呼ばれるアイテムが存在します。ADA Refactorは緑を青に、JARVIS Virusは青を緑に反転します。ただし一つだけ制約があり、「あるポータルに対して、前回のウィルス使用時から1時間は再度ウィルスによる反転は出来ない」という仕様になっています。これを便宜的に「免疫」と呼びます。

例えば自軍が緑の場合で考えてみましょう。上田市内のあるポータルがアノマリーの対象ポータルになっているとします。バトルビーコン戦のwave1は14時8分頃から始まることが告知されています。このwave1の時点で確実に緑ポータルとして保持したいという目的がある場合、どうすれば良いでしょうか。言い換えれば「14時8分の時点でウィルスを使用して青を緑にひっくり返し、その後ウィルス反転を受け付けないようにして一定時間守り切りたい」という事象を達成するためには…?

その場合は「1時間前の13時8分に反転ウィルスを使って緑を青にしておけば良い」ということになります。そして味方にはその青ポータルを攻撃して取り返さないよう徹底するのです。基本的に緑は緑ポータルに、青は青ポータルに対して敵の色に変える行動はウィルス使用以外になく、手出しができません。13時8分に敵の色に反転しておいて味方は攻撃を控え、そして14時8分になったら再度反転して必死で守り切れば良い。各陣営がしきりに「ポータルオーナー名がADA/JARVISとなっているものは攻撃しないでください」とアナウンスしていたのはこれら「免疫管理」による計画を壊されないようにお願いしているものなのです。場合によってはこの免疫管理を1時間ではなく2時間3時間前から計画的に行なっている場合もあります。

ちなみに「敵の色に変える行動」には例外的にもう一つ方法がありまして、それが「ベリーレアバトルビーコンの設置」となります。今回アノマリーにてNIAが使用したバトルビーコンは「レア」仕様で、3フェーズ反転なしとなっていますが、それより前に実装された「ベリーレア」仕様では、5フェーズ制である上に、フェーズ終了時に強制的にポータルの反転を実行します。この反転は前述の「免疫」の影響を受けません。ですので適正な免疫管理が行われているポータルにベリーレアバトルビーコンを設置すると計画がぶっ壊れます。

そうすると「免疫管理中のポータルにベリーレアバトルビーコンを設置される」ことを防ぐ必要が出てくるわけですが、この方法も確立されていまして、それは「何らかのビーコンを先に設置してしまう」というものです。

ビーコンとはポータルの直上に表示されるバルーンのようなもので、各陣営のマークであったり、イベント記念マークであったり、打ち上げ花火のようなエフェクトであったり様々なものが用意されています。ビーコンは一度設置すると4時間の間そのポータル上に表示され続けます(花火のみ10分)。そしてビーコンは一つのポータルに重複して設置することはできません。バトルビーコンもビーコンの一種とみなされますので、先に他のビーコンが設置されている場合はバトルビーコンを設置できないわけです。ちなみにアノマリーにおいてNIAが設置するバトルビーコンは、エージェントが設置したビーコンの残り有効時間を無視して上書きされます。

つまり、「反転したいポータルを決行時のn時間前から免疫管理しておき、さらに4時間持続する適当なビーコンを設置しておく」ことにより、ベリーレアバトルビーコンの介入もできず、予定通りwave1開始時に確実に自陣営色に反転してあとは数人でひたすらレゾ、シールドを絶えず投入して守り切る…という行動がほぼ最適解になります。

問題はこの管理を多くの対象ポータルに対して行わなければいけないこと、それにwave1対象ポータルが判明した時点で選択と集中の判断をして守るべきポータルを守るべく動かなければいけないこと、そのためには絶対的な「参戦者の数」「即時判断ができるチームリーダー」が多く必要になります。もちろん、免疫管理が完璧であっても数で押されたりサーバーの遅延などでポータルを取り返されてしまうこともありますし、逆にまた取り返せる可能性だってあります。各陣営が「とにかく現地に来てください、一緒に戦ってください」としきりにPRしているのは、戦略はともかく「戦いは数だ」という側面も確かにあることをよく知っているからなんだと思います。

そして、アノマリーに参加した記念メダルがもらえる条件がこの「バトルビーコン戦に5回参加すること」となっています。ではどうすれば参加したことになるのかというと、NIAがアノマリーエリア内の対象ポータルに設置したバトルビーコンのバトル発生中に、

•レゾネーターを挿す
•他人のレゾネーターをアップグレードする(自分のはダメ)
•敵のレゾネーターを攻撃、もしくは破壊する
•敵のMODを破壊する
•リンクを破壊する
•ポータルをリチャージする


といった行動のいずれかを達成すれば1回参加したことになります。ですから、現地参戦さえすればバトルビーコン発生中のポータルに適当にレゾ挿しをしたり、ポータル密集地で何も考えずバースターをバシバシ撃っているだけでまず間違いなくメダル付与の条件を満たすことが出来ます。

例外的に、「ポータルへのリチャージ」だけは現地でなくとも遠隔リチャージも含め有効と判定されます。ですので、アノマリー開催地にバトルビーコン設置対象ポータルのマーキングが出た時点で事前にそれらポータルのキーをたくさん集め、アノマリー当日にバトルビーコンが発生しているポータルをキー経由で参照してうまいことリチャージが通り、それがのべ5ヶ所のバトルビーコン戦で成功すれば参加扱いになります。遠隔リチャージはおよそ自分の位置から4,000kmの距離にあるポータルに対して可能となっていますので、日本国内同士なら大体どこにいても遠隔リチャージが可能ですし、韓国台湾などの近隣諸国くらいなら相互に遠隔リチャージが可能です。この仕様を利用して、

•アノマリー当日は予定があって現地参加はできないので、事前に現地へ行ってキーを大量に仕入れ、アノマリー当日はリチャージのみで参加する
•現地エージェントや知人の伝手でキーを分けてもらい、遠隔リチャージで参加する
•国内や近隣外国のアノマリーにおいて、組織的に現地のキーを大量に仕入れて有志複数名に配り、全員で遠隔リチャージする

などの方法で遠隔地からアノマリーに間接的に参加することが出来ます。特に3番目の手法は「リチャ会」と呼ばれていて、現地で戦っている味方の支援になりますし、国内や近隣アジア各国で行われるアノマリーに行けないけどメダルが欲しい人への救済策のような位置付けになっています。

②シャード戦によるバトル

俗に「玉入れ」とか「玉転がし」とか呼ばれるものです。
アノマリー開始後、段階的に「シャード」と呼ばれるオブジェクトがどこかのポータル上に登場します。その後、特定のポータルが「ターゲットポータル」に段階的に指定されます。
ターゲットポータルはENLとRESで別々のポータルが指定されます。ポータル同士のリンクをうまく繋いでシャードを自陣営のターゲットポータルまで連れてこよう、という競技です。

今回のアノマリーでは一定時間ごとに①シャードが4つ出現→②ターゲットポータルが1つずつ出現→③シャード4→④タゲポ1→⑤シャード4→⑥タゲポ1→⑦シャード4→⑧タゲポ1→⑨シャード4 の順で出現し、最終的には都合20個のシャードと各陣営4つずつのターゲットポータルが指定されました。プライマリーサイトではシャードが一度に12個、ターゲットポータルは3つ出現しました。3倍だぞ3倍。

シャードがリンクを介して移動するにはいくつか法則がありまして、
•シャードはレベル4以上のポータル同士を繋ぐリンクのみを有効として移動する
•移動できる有効なリンクが2つ以上ある場合、ランダムでどれかへ移動する
•シャードの移動判定は5分に1回である
•シャードは過去25分以内にいたことがあるポータルへは飛ばない
•シャードがあるポータルから25分以内に動かなかった場合、次の移動判定タイミングで他へワープする

というのが主なものになります。

シャード(右側中段)のあるポータルからターゲット(左上)へリンクが開通。
このまま次のジャンプタイミングまで守ればゴールする。

このような条件でシャードからリンクをターゲットポータルまで導いてうまいことゴールさせたら、1つのシャードにつき5ポイントもらえます。ただし、1つのターゲットポータルにゴールしてポイントが加算されるシャードは5つまでで、6つ目以降がゴールしてもポイントが加算されません。また一度ゴールしたシャードはそのあとポータルから動くことはありません。従って、自陣営の4つあるターゲットポータルに5つずつ均等にシャードを誘導できれば100ポイントとなります。これが20個出現するシャードを全て自陣のゴールへ導いた場合の理論値です。実際には奪い合いになりますし、時間内にゴールできなかったシャードの分の得点は双方加算なしとなります。

プライマリーサイトではアノマリー前日に「GORUCK」という結構ハードワークな行軍イベントが行われることがあり、その勝者側の陣営に事前に「ここにシャード出るよ」とか「ここお前側のタゲポになるよ」とかの事前情報がご褒美として提供され、この情報を活用してシャード戦を有利に進めることができるようになることがあります。あらかじめゴールになるポータルが分かっていれば、リンク生成用に大量のキー掘りをやっておくとか防衛部隊を配置しておく等が格段にやり易くなりますからね。

シャード戦のキモは「ターゲットポータルの死守」および「適切なリンクのみの構築」、それに「相手ターゲットへのガードリンク」となります。自陣営側のターゲットポータルが敵陣営の色になっていると、相手がアホでない限り永遠にシャードがゴールにやってくることはありません。また複数リンクがある場合ランダムで飛んでしまうので、ゴールに向けて有効な1本だけを繋いでいくことが大事になります。この辺は正直熟練者がうまいことコントロールしてると思いますので、「シャードがいる自色ポータルは死守する」「自軍のターゲットポータルは死守する」「ターゲットポータルに直結するリンクのみ張ってあとは詳しいヤツに任せる、自信がなければリンクは張らない」くらいを意識してやればいいと思います。

というかこのシャード戦はバトルビーコン戦と並行して行われますので、ひとたび戦いが始まると100人単位の人間がポータル密集地でバースターを撃ちまくりレゾを挿しまくりでメチャクチャな状況に陥ります。そんな中相手のターゲットポータルを妨げるようなガードリンクが飛んだり、それが一瞬でぶっ壊されたりします。しかもたくさん人がいてたくさんのアクションを起こしているせいで、キャリアが輻輳してるのかゲームのサーバ自体が貧者なのかものすごい遅延が起きます。これは前回のエピファニードーン横浜の時から改善されてないです。8レゾが6本挿さっている自色ポータルに8レゾを追加しようとしたら敵色の8ポになってた。バースター発射を15回くらい押したのに何も起きず全部空振りして消費された、なんてことはよくあります。基本的に密集地でのゴールは非常に難易度が高く、郊外でなんとかゴールまで持っていく方が比較的現実性が高いです。

以上2つのルールによるバトルが同時に発生しておりまして、まとめますと
①バトルビーコン戦の最高得点比率で100ポイントを分配
②シャード戦最大20個のうち1ゴールにつき5ポイント獲得

の合計ポイントでその都市の勝敗が決まります。つまりサテライト2カ所ではそれぞれ最大200ポイント分、プライマリーサイトでは600ポイント分の獲得を争います。それが3ヶ月にわたり全3Phase行われますので、シリーズ通して合計3,000ポイントの配分を争い、ポイントの多かった方の勢力がそのアノマリーシリーズを制したことになります。

◽️野良には野良の戦い方がある

と、いうわけでこれまた長々と今回の上田アノマリーにおけるバトルの詳細を書いたんですけど、「じゃあ一体何をすればいいんだ」ってなっちゃう方も多いと思います。
私kizokuchanはこれまで何度も日本各地のアノマリーに参加してきましたが、基本的に陣営のチームには入らず、ほぼほぼソロで参加してきました。なにしろ自作のbioカードに「旅が好き、廃線が好き、構築より破壊が好き、つるむのキライ!」と書いてしまうくらいにはソロプレイ志向でして、そんな私が言うのもアレなんですが「よくわからない場合はとりあえず陣営受付に行って、チームに入れてもらう」というのがおそらく一番手堅い行動なんじゃないかと思います。

チームに入ればリーダーが何をすべきか教えてくれますし、要所要所で具体的に今どうして欲しいか指示はしてくれると思います。具体的には「このポータル死守して!」とか「このポータル焼いて!」といった行動がほとんどになるかと思いますので、たっぷりのレゾネーターとバースターを持っていくのが良いでしょう。たっぷり持って行ったつもりでもあっという間に消費し切ってしまって、後半は息切れになることが多いです。この辺りもまた、普段とは違う戦い方を実感できる要素になっていると思います。

「ポータルを死守する」「ポータルを焼く」そんなの普段からやってることだし、別にチームに入らなくても出来るでしょ、と思うかもしれません。しかしアノマリーにおいては「どの」ポータルを守り、「どの」ポータルを奪取しなければならないかという選択がかなり明暗を分けることになります。チームに入れば、その選択と決断をチーム内で共有して目標に向かって行動ができるわけですね。

逆に言えば、自分がいる位置の周りのポータル状況などを見て、「今はこのポータル防衛に加勢した方が良さそうだな」とか、「このポータルは奪取した方が良さそうだな」と判断がつくなら必ずしもチーム参加する必要はないと思うんですよ。おそらく今回のアノマリーでも臨機応変にソロで動き回っていたエージェントは多数居るはずです。綿密な作成計画によるチームプレイでの勝利というのは間違いなくアノマリーの醍醐味の一つなのですが、そこに自己判断で飛び回るソロプレイヤーというのはある意味「不確定要素」となり得ます。この不確定要素による勝敗の左右というのは案外バカにできなくて、それは作戦やチームプレイや数による戦力差を飛び越えて作用することがあるんですよ。なんかそういう「不確定要素」によって戦局が左右されるということが「INGRESSらしさ」っぽくてイイんじゃないかな、というのが私が複数回アノマリーに参加して感じたことです。

具体例を挙げますと、今回の上田アノマリーにおけるバトルビーコン戦で、自分がいる位置から少しレンジ外のところのポータルがバトルビーコン発動中でPhase1は自色、Phase2は相手がキャプチャして2:3でPhase3を迎えていました。そうなるとPhase3の4点は何としても欲しい。今自分がレゾで防衛しているポータルはPhase1、2ともにキャプチャできており、現在も優勢。8レゾの挿さり具合からして6人以上の味方が守っているようだ。対してそっちのポータルは3〜4人で守っていて、たまにレゾが残り1〜2本まで飛んでしまうこともあり押されている様子。そうなるとそっちのポータルに移動して防衛を助太刀した方が良さそうだ、という判断になります。

そういう場合は実際に移動してレゾ挿しや高レアシールドの投入による防衛を手伝うことになります。敵の猛攻に耐えながらなんとか制限時間が消化されるのを待つ。そうすると、レゾネーターのデプロイ画面で自分以外のAG名のレゾが挿さっているのが見えて、これはもう「仲間」なんですよね。会話も交わさない、顔も知らないし示し合わせもしてないのに、今この瞬間同じポータルを守っている、同じ塹壕で砲弾に耐えている仲間なんです。やがてPhase3が終了し、なんとかポータルを守り切れた時に「俺たちで守ったんだ」という謎の連帯感と達成感を顔も知らないどこかの仲間と無言で分かち合い、そして浸る間もなく次の行動に移る…みたいな、そんなことの繰り返しです。

上田城内で乱戦に身を投じていると、アノマリー終了まであと30分くらいになったところで自分たちのすぐ近くのポータルまでシャードが飛んできました。そしてほんの目と鼻の先の北にあるポータルは自軍のゴール。激しくなる攻防、集まってくる敵味方。そんな中、ついにシャードのいるポータルからターゲットポータルに向けてリンクが開通。いわゆる「リーチ」という状況になり、おそらくジャンプの判定が行われるあと数分の間だけこの2つのポータルを守り切ればシャードがゴールするという場面に出くわします。こうなると出来ることは一つ、「シャードのいるポータルを死守(=リンクを切らせない)」ということになります。しかしそこは敵も必死、ゴールさせてなるものかと今までより激しい攻撃を浴びせてきます。結果、あと数分のところでポータルが焼かれてしまいリンクが消滅。ギリギリでゴールへのジャンプが阻止された形となりました。

とまあ、これはかなり煮詰まった場面の一例なのですが、単純にポータル密集地に次々とバトルビーコン戦が勃発して大乱戦になる様はとてもエキサイティングで、ただそこにいてバースターをブッ放しているだけでも十分な非日常感が味わえますので、まずは何も難しいことは考えず、野良でもチームでもいいので参戦してみることをオススメします。

アノマリー中だけやってくるエグいセット

ちなみに最近はアノマリーの期間中だけの限定販売で、手持ちアイテムの枯渇に対する解決策としてバースターやレゾや高レアシールドなどの詰め合わせが回数限定で購入できる「武器Shoninセット」がストアに並んでおります。「ホレホレ、これが欲しいんだろ?ん?」ってな感じの売り方で実にいやらしいんですけど、実際に参加中だと喉から手が出るほど欲しいお得な詰め合わせであることは間違いないもんですから、サブスクの月次支給で貰って貯まっていたCMUを消費してつい購入してしまいました。ただ、あまりこういう商売をやり過ぎるとPay to Winの性格が色濃くなってしまいますから難しいところですね。

上田アノマリー最終結果、お疲れ様でした

などと死力を尽くしてエリア内を飛び回っていたらあっという間に3時間。17時に上田アノマリーは終了しました。10分ほどしてNIA公式から結果が発表され、ENL120:65RESでENLの勝利となりました。内訳はバトルビーコン戦が65(wave3最高値1,269):35(wave1最高値689)、シャード戦が55(11ゴール):30(6ゴール)でした。回線も暑さもポータル密度も激ヤバだった令和の上田合戦はここに幕を閉じました、ひとまず参加された皆様、お疲れ様でした。

念のためもう一回宣伝しておきますが、次に日本で行われるアノマリーは9月16日(土)の神戸です。坂と海の街で思いっきり手持ちのバースターを撃ちまくってみませんか、お待ちしています。

◽️勝って飲む酒は美味いか

アノマリー終了後に地元エージェントと合流し、彼も長野市内に宿をとっているというので一緒に戻ることにします。そうなると自然に「祝勝会やりますか!」って流れに当然なり、長野駅前で一杯やることにします。一応、昨日断念した戸隠そばの名店に行ってみたのですが昼のうちに蕎麦が売り切れたらしく既に営業終了していました。蕎麦はこれがあるから怖いです。

美味い

そこで、以前何度か利用したことのある長野駅前の「そば亭 油や」へ入店。昼間の暑さを吹き飛ばすべくキンキンに冷えたクラフトビールと地酒で乾杯し、喉を潤します。
油やでは野沢菜や天ぷらなどの定番メニューはもちろん、季節の地のものや〆のそばのメニューも充実していて、それでいてお値段は手頃な価格帯、お一人様のちょい飲みから複数名の宴会まで対応できる便利で美味い店です。オススメは「信州の味3点盛り」で、蕗味噌、野沢菜の油炒め、伽羅蕗が少量の盛り合わせで提供されます。呑兵衛なら最初のアテはこれで決まりです。季節限定では「焼き根曲がり竹」があったので注文。高地にのみ生える細いタケノコで、甘みのある味わいと歯触りの良さが特徴です。締めはもちろん蕎麦。今日の感想や神戸への展望の話で盛り上がりながら楽しい時間は過ぎて行きました。

◽️赤狩リノ•時間ダ

祝勝会ですっかり盛り上がったあと知人エージェントと長野駅で解散して時刻は21時前。いい感じにお酒も飲みましたし、ホテルへ戻って勝利の余韻に浸りながら明日に備えてぐっすり眠る…とはならないのが移動ジャンキーの恐ろしいところでございます。

金どころか銀が遠い

時は1ヶ月ほど前に遡りますが、白くなっている中立ポータルを勝手に乗っ取って勝手にリンクを飛ばし始める謎の第三勢力「MACHINA」による通称「赤ポータル」を焼いて中立化し、キャプチャすることにより「Reclaimer」の実績と1,331APのボーナス付加が実装されました。Reclaimerの実績は階層型メダルになっていて、100→1,000→5,000→15,000→40,000でそれぞれメダルの色が変わります。

MACHINAが中立ポータルを乗っ取るのはいくつか条件があるようではっきりしていませんが、経験上「一定期間白ポであったポータルが狙われる」「完全な過疎地の白ポには来ない」「ある程度人の行き来があるような場所が狙われる」という傾向が分かっています。そうすると必然的に、大通りや鉄道路線からは届かない少し奥まった道の上や、幹線道路から狙って入り込まないと到達できない住宅街などに多く発生することになります。MACHINAについては色々分かってきたところで別記事にしようと思っています。

大体奥まったところにある

そんなMACHINAちゃんを見つけて焼いて挿してってな感じで得られるReclaimerの実績は都会だけで活動していては増やしにくく、言い方はアレかもしれませんが「ちょうどいい感じの田舎」へ来ると狙いやすくなります。前日の湯田中と同じく、長野駅から電車で一駅南下した安茂里駅から少し離れたエリアに赤ポータルが繁殖しているのを確認した私は「ひと狩り行くか」とばかりにそのまま切符を買って長野駅の改札へ進んでいったのでした。

緑が徒歩のログ、ガッツリ歩いてます

当初は、21時22分の列車に乗って4分ほどで安茂里に着き、周辺の赤ポを狩って小一時間で駅へ戻り、長野行きに乗ってホテルへ戻るつもりでした。しかし安茂里に降り立って赤ポの多い方へ多い方へ歩き進めた結果、気がつけば安茂里から長野のほぼ中間くらいの地点まで来てしまって、こうなったらもう歩いてホテルへ戻った方が早いだろうし、途中で脇道をつまみ食いすればユニークも増やせるだろう、という全くいつも通りの思考で約4kmを歩いて長野駅周辺まで戻ってきたのでした。

現存する会社です

歩いてみると意外な発見や出会いもあるもので、期せずして趣味である廃線跡探索を少し兼ねたような結果を得ることができました。ホテルへの帰路の途中で「善光寺白馬電鉄」という会社を見つけてここだったのかとビックリ。この会社は電鉄を名乗っているものの、既に鉄道事業は廃業していて現在は物流業が中心の会社です。鉄道自体は1936〜44年に運営していて、JR長野駅から少し安茂里寄りにある「南長野駅」を起点としていました。この南長野駅に本社があり、そこが今でも本社のまま残っています。

みすず橋の下、右側の閉じたゲートが廃線跡

南長野駅を出た路線はJRを南北に跨ぐ国道117号線の「みすず橋」の下をトンネルで抜けていて、そのトンネル出口はシャッターで塞がれたまま遺っています。そのあと急カーブで北に向きを変え、裾花川沿いに路線を伸ばして今はなき善光寺温泉の少し先までの約7kmを運行していました。最終的には社名の通り白馬までの延伸を狙っていましたが、資金難と峠越えができないまま戦時中の休止を経てそのまま廃止となりました。電鉄を名乗っておきながら最後まで非電化でガソリンカーの運行でした。

歩きに歩いて23時過ぎにホテルへ戻り、モバイルバッテリー類を充電にかけて程なく眠りにつきました。明日はアノマリーとセットのMISSION DAYと有志による頒布会があります。上田の郊外でキャプチャしたポータルへの攻撃通知が夜中の1時とか2時に飛んできているのを見て、自分含めみんな狂ってやがると思いました。早う寝た方がええって。

◽️MISSION DAYは魅力発見のチャンス

6月18日(日)、興奮と混沌のアノマリー本戦から一夜明けて、本日はMISSION DAYと頒布会の開催日です。

MISSION DAYではその街に関するテーマに基づいたミッションがNIA公式として18〜24個ほど作成され、エージェントはその中から任意のミッションをプレイします。クリアしたミッションが6つを超えた時点で「MISSION DAY」の実績が1増えます。ミッション自体は残りますが、実績を増やす対象になるのはMISSION DAY当日に完了したものだけのカウントになります。日付の変わった0時から行動開始する猛者もいますが、今回は公式より「街の魅力に触れて欲しいので、できれば日の出以降にやってね」というお願いが出ていました。その通りだと思いますので私は基本的に朝からやるようにしています。

頒布会は有志が出展している、INGRESSに関する自作グッズや研究本などを頒布しているちょっとした同人イベントみたいな催しで、併せてエージェント同士の交流の場であったり、NIAのスタッフが顔を出してくれることもあるので日頃の想いを伝えられたりする場でもあります。私もいずれ、以前したためたキネティックカプセルに関する研究結果を本にまとめて出してみたいな‥なんて思っています。

アノマリー当日の日中が炎天下でキツかったこともあり、なるべく朝の涼しいうちに多くミッションを完了したいと考え、早朝にホテルをチェックアウトして長野駅に向かい、朝イチの新幹線で上田へ向かいます。上田駅に着いたら駅周りで完了する2つのミッションを早歩きでクリア。基本的にどの都市のミッションでも、比較的簡単でルートに連続性のあるミッションが6つ用意されており、最低限そこさえ回れば実績を獲得できるように配慮されていることが多いです。

別所線上田駅、まんま東急です

再び上田駅へ戻って「上田電鉄別所線」の乗り場へ向かいます。今回の上田MISSIONDAYでは大きく分けて「上田駅•市街地•上田城エリア」と「信濃国分寺エリア」それに「上田電鉄沿線エリア」にミッションが点在していました。駅前のミッションは少し歩き回れば簡単にクリア、郊外や遠くへ行くほどハードになる傾向があります。過去に東大阪でMISSION DAYが開催された時は、東花園のラグビー場付近で完了するものから、とんでもない急勾配急カーブの「暗峠」を走破させるハードなミッションまで用意されていました。今回は先に別所線の終点である別所温泉駅周辺にある4つのミッションをやることにしました。そうして一旦上田駅へ戻って、10時からスタートの頒布会に行ってみることにしました。

別所線の途中駅にもミッションが設定されているので、上田から別所温泉の往復と途中駅までの往復が発生することになり、こうなるとお得な1日乗車券とか無いのかな、と探したところ、1日フリー乗車券は上田駅と途中の下之郷駅の窓口で販売、上田駅では自動券売機でも購入できるということがわかり、上田駅の自動券売機へ行ってみたのですが、早朝で稼働効率の関係からか2台中1台が販売休止中、しかもその販売休止中の方の台でしか一日乗車券が買えない設定になっていて少し残念でした。

気を取り直して別所温泉行きの電車に乗車、別所線の車両は東急で使われていた車両が第2の人生を送っています。全国のローカル私鉄でよく見られる「東急のお古」ですね。鉄道部門が分社化される前の母体である「上田交通」は東急の系列であり、その東急の創業者である五島慶太も上田交通の沿線出身で何かと縁が深いんですね。

別所温泉駅全景

途中の下之郷駅で列車行き違いをして、上田から約30分で終点の別所温泉駅に到着します。別所温泉を含む塩田平は歴史の深い神社仏閣が多く点在することから「信州の鎌倉」と呼ばれています。今回の別所温泉付近のミッションも、そういった神社仏閣をめぐるコースが設定されています。早速、駅周辺のポータルから歩き始めてミッションを消化していきます。

常楽寺本堂
多宝塔 厳かな雰囲気

駅周辺のミッションが完了したら次は「常楽寺」に関するミッションです。常楽寺は後で訪れる「北向観音」の本坊で、825年に創建されたお寺です。茅葺の本堂は厳かな雰囲気で、その手前には御舟の松という樹齢350年を超える立派な松がありました。今回のミッションはすべて時限ポータル、有料エリア内ポータルは無いのですが、寺の入り口に拝観料100円の受け箱があったので折角だからお参りして行こうと思い本堂へお邪魔しました。御本尊は「妙観察智弥陀如来」というそうです。本堂の裏手の階段を登っていくと国重文指定の石造多宝塔があります。静かな森の中に鎮座しており、朝の静けさと相まって神々しい感じがしました。

常楽寺の次は「安楽寺」です。MISSION DAYともなると皆考えることは同じで、同じルートを辿る御一行様にはかなり遭遇します。それが相手陣営の団体ともなるとしめたもので、ちょっと遅れて後ろを付いて行くと行く先々のポータルをちゃんとキャプチャしてくれますので、それを焼き直せばユニークキャプチャの取りっぱぐれが無いといった寸法になっております。もちろん私がそうやった後の稼ぎを狙っている相手陣営の方もいました。この辺りも普段にはない不思議な空間が形成されます。

安楽寺境内案内図

安楽寺は常楽寺と同時期に創建されたとされています。長野県で最古の禅寺としても有名で、本尊は釈迦如来です。それより何より必見すべきは、国内で唯一の「木造八角三重塔」です。安楽寺の本堂付近の拝観は無料ですが、八角三重塔へ続くエリアのみ拝観料300円で有料となっています。従って八角塔のポータルは今回のミッション対象にはなっていません。無料エリアから触れるところだけ触って次へ向かうエージェントも散見されましたが、折角来たのですから国宝を拝んで行こうじゃありませんかということで拝観料を払って奥へ進むことにしました。

木造八角三重塔、存在感に圧倒される

す…すごい…こりゃ国宝だ……!
この木造八角等は禅宗様の造形も美しく、その存在感もさることながら「今日までその姿を留めている」ということが何物にも代え難い価値があると感じました。通常、昔作られた木造建築物はたいてい戦火や落雷などによって火災に遭い、全部又は一部が後の時代に再建されたものがほとんどです。その点、こちらの三重塔は使われている部材の調査結果で1200年代の木材が使用されていることが判明していますので、正真正銘最古クラスの禅宗様建築であるというわけです。あまりの美しさと荘厳さに、しばしその場でただ眺めることになりました、その後ポータルスキャンしてその場でアップロードまでしてしまいました。300円でこんな美しい国宝を間近で見られるなんて実質タダですよこれは。

北向観音

安楽寺の興奮を抑えきれぬまま、我に帰っていそいそと次のミッションに向かいます。次は「北向観音」です。北向観音は現在は先ほど回った常楽寺の一部ということになっていますが、当初は常楽寺•安楽寺と一緒に創建された長楽寺の一部でした。江戸時代の火災で長楽寺が廃絶されたため常楽寺の直轄になりました。北向観音の名前の通り本堂が北を向いていて、その方向には善光寺があります。善光寺とセットお参りするのが作法になっているようです。

別所温泉周辺の4つのミッションを完了し、上田駅周辺で先に完了した2つと合わせて6個になりましたので、MISSION DAYの実績が1つ増えたことを確認しました。一旦上田駅に戻って頒布会を覗くために別所温泉駅から上田駅へ戻ります。別所線はだいたい1時間に1本の運行ですので、乗車時刻は計画的に決め打ちしておいた方が良さそうです。別所温泉駅では大正ロマン風の和装をした女性観光駅長が列車を迎え、折り返して発車していく上田行きの列車を見送りしていました。

◽️頒布会で交流しちゃおう


他の利用目的の方が気になる


上田駅に着いたら早速頒布会の会場へ向かいます。駅から徒歩10分くらいの海野町会館というホールの1階が会場になっています。他の使用予定を見たら「忍の会」とか「ジャザサイズ」とかいう興味を惹かれる怪しい文字列が踊っていましたがひとまず中へ入ります。

自分のbioカードを入れていくコーナーもあった

入口を入ってすぐのテーブルはMD上田公式のスペースになっていて、MD上田開催記念のカードとSBULカードが貰えました。その先は各テーブルごとに出展者のAGが頒布物を並べていたり、RedFactionと呼ばれる献血のプロモーションコーナーがあったりします。ぐるっと会場内を回ってまた入口付近に来ると、世界地図が貼ってあって、そこに用意されたシールを貼ることで「Youはどこから上田に?」をやることが出来ます。

MD上田記念カードとポータルキー型キーホルダー、センスがいい

頒布会のカタログをあらかじめ見ていて気になっていたものが一つありまして、INGRESSにおけるポータルキーの形を模したキーホルダーを作られてる方がいたんですね。なかなかおしゃれでセンスがいいなあと思い、多分人気ですぐ売り切れそうな予感がしたのでなるべくオープンと同時に会場には行きたいと思っていました。10時20分頃会場入りした際には、案の定ENLの刻印が入ったバージョンは残り2つになっていたので、知人の分も含めて2つ購入してギリギリセーフという感じでした。その他、自作のアクセサリーや研究本などが出展されていて、会場内は多数のエージェントで盛り上がっていました。

ほどなくして、頒布会会場にナイアンティックの村井社長と中島氏が来場。会場にいるエージェント達とbioカードを交換したり、挨拶を交わしたりしていました。私もカード交換し挨拶、お話を少し伺うことができました。会場で見る様々な頒布物やエージェントとの交流、それに「どこから来たの?」マップを見るのが毎回楽しみなんだそう。
地図上の北海道の上のあたりを眺めながら村井社長が「INGRESSは平和なのにな…」と呟いていたのが印象的でした。

会場内で嬉しい出会いもありました。私はINGRESSにおいて、ユニークポータルを回った数、すなわち「Explorer」の実績を伸ばすことを意識して日々の活動をやっているんですが、同じくExplorerをとんでもない勢いで伸ばしているエージェントに会うことができました。お互いに日本国内の行く先々で相手の名前は見かけるものの、今まで顔も見たことがない間柄でしたが、頒布会をきっかけに挨拶してお互いの苦労や実績の伸ばし方などの話に花を咲かせることができました。

◽️追加でミッション、廃線そして蕎麦

ひとしきり会場内を見てそこそこの交流を済ませたら、引き続きMISSION DAYの対象ミッションを継続することにします。すでに6つ終わっていますのでここから先は趣味の領域です。基本的にミッションメダルは6個1列で並びますので、6の倍数でクリアすると収まりが良くなります。アートミッションと呼ばれるメダルを並べて大きな一枚絵を作る連作ミッションも、だいたい6の倍数で作成されています。

このカーブ、廃線跡です


上田駅周辺、画面上部で中央から右にそれていくカーブが廃線跡


まずは一旦上田駅に向かい、そこから線路に沿いに上田城の方へ歩いて行きます。そうすると、しなの鉄道の路線から斜めに緩やかなカーブを描いて上田城のお堀の方向へ伸びていく細長いスペースを見つけることができます。現在は駐車場になっていますが、ここがまさに「真田傍陽線」の廃線跡です。

公園前駅跡、ホームとトンネル設備が遺る

上田城内のミッションを開始しつつ、廃線跡に沿ってお堀の方へ向かいます。お堀は現在遊歩道になっていますが、昔はそこに線路が通っていました。二の丸橋のちょうど真下に「公園前」駅があり、ホームの跡と橋をくぐるトンネルに架線を固定する設備の跡が遺っています。

発芽蕎麦挽きぐるみ、荒々しさが個性

その後は上田城内のミッションを順調に4つこなし、古い街並の残る柳町まで歩いてきました。時刻は13時を回り小腹も空いてきたので、蕎麦屋を探したところ「おお西」という蕎麦屋さんを発見したので入店。長野に来たら3食蕎麦でいいというのは間違い無いです。ここでは「発芽そば」の挽きぐるみをいただきました。その名の通り発芽した蕎麦の実を皮ごと挽いたもので、力強い味わいが感じられます。お値段はもりそばで1,650円と強めの設定。ただ説得力はあり、食べて良かったと思える味でした。

生島足島神社大鳥居

柳町のミッションを終えたら再び上田駅に戻り、これまた再び上田電鉄のホームへ向かい電車に乗車します。途中の中之郷駅で降りて駅周辺のミッション2つに取り掛かります。ここでやるミッションは「まるまど電車」「生島足島神社」。基本的に駅前と神社の往復で完了できるのでそんなに難しくはありません。上田電鉄ではその名の通り側面窓が丸い形をした可愛い電車が昔走っていました。今はその車両は終点の別所温泉駅に静態保存されています。生島足島神社は、万物に生命力を与える「生島大神」と国中を満ち足らしめる「足島大神」の二柱を主祭神とする神社です。まずは参拝して手を合わせ、神社内のユニークハックとユニークキャプチャを取り切ってから駅へ戻ります。

旧西丸子線ホーム、右奥に駅名標がある

下之郷駅には現在使われている島式1面2線ホームの少し離れたところにもう1つのホームがあります。今は留置線に面していますが、これはかつて下之郷駅から分岐していた「西丸子線」の専用ホームでした。よく見ると昔の駅名標も残っています。西丸子線には下之郷を出てすぐに「宮前」という駅があり、これが生島足島神社に隣接していました。今は線路跡は道路になっていて痕跡はありません。

◽️サンキュー上田、フォーエバー上田

無事12個のミッションを完了

下之郷から上田行きの電車に乗って15分、上田駅に戻ってきました。18個の特別ミッションのうち12個を完了し、体力的にも気温的にもそろそろ引き上げ時かと思い、上田駅で地酒とお土産、それに帰りの列車内用の飲み物などを購入して帰り支度を始めます。当初は上田を17時55分に出る北陸新幹線スタートの予約をとっていましたが、まだ発券していなかったので予約サイト内で早い便への変更をすることが出来ました。

帰りの列車の予約変更を行い無事発券も済ませて、発車まであと50分、時刻は15時半を回ったところ。こうなるともうそろそろアルコールを入れてもいいんじゃないかという考えが頭をよぎってきます。そして同時に、街中でしきりに見かけた上田名物を食べていないことにも気付きます。

飲み比べセット1,200円、精米歩合も50%台で惜しみない

で、「やきとり番長 上田駅ナカ店」に入店。上田電鉄の改札前に店舗があり、まさかの駅徒歩0分を実現している実にありがたいお店です。入店して真っ先に目に入ったのが「地酒飲み比べセット1,200円」これはどう考えてもマスト。そして焼き鳥を中心に何を食べようかメニューを眺めていたら「半セット900円」なる記載を見つけます。要するにコース料理めいたものの半分量という設定で、①季節の小鉢、②馬刺し、③手羽先の唐揚げ、④⑤⑥上田焼き鳥3本、の計6品が出てくるというのです。もうこれじゃん、これしかないじゃんと思い即注文。季節の小鉢としてモツ煮が早速登場。そして店主が自らお猪口に注いでくれた地酒飲み比べ5種…5種!?5種も!!?

最後まで上田を堪能

そして次々と出てくる馬刺し、野沢菜、手羽先、焼き鳥。すみません野沢菜は隣の人が食べてて美味そうだったんで追加注文しました。上田の焼き鳥はニンニクが入った特製ダレに串を一回だけドボンとディップして食べるスタイル。これがまたピリッとして美味いしお酒が進む。今度来たら焼き鳥をメインにじっくり食べてみたいと思いました。

サンキュー上田

そうこうしているうちに乗る列車の発車10分前。お会計を済ませ、新幹線の改札を通っていよいよ上田に別れを告げます。サンキュー上田、フォーエバー上田。アノマリーをきっかけに訪れた信州の由緒ある城下町は、また新しい発見と興奮と出会いと美味しい体験を私に与えてくれたのでした。

◽️まとめ そして神戸に向けて

こんな感じで、私の上田アノマリー参加記録を締めたいと思います。最後にアノマリーの楽しさについて簡単にまとめておきます。

•アノマリーはINGRESSのストーリーの方向性を決める一大イベント、個人でもチームプレイでもそれなりに楽しめる、迷ったら陣営受付でチーム参加をお勧め、仲間は1人でも多い方がいい。武器とレゾたくさん持っていこう。現行ルールではバトルビーコン戦に積極的に参加すればメダル入手は容易。非日常感を楽しもう。

•MISSION DAYは街の魅力を発見するチャンス。歴史や文化やグルメに触れながら時間の許す限り動き回ろう。

•頒布会会場に行くと記念カードが貰えたり、エージェントの作ったグッズを買えたり、色々な場所から集まったエージェントたちと交流ができる。

そして最後の最後にもう一回だけ、9月16日(土)に神戸でアノマリー開催が予定されています。基本的には今回のEchoアノマリーのルールとほぼ似通った内容になっていますが、競技の細部で変更があること、神戸はプライマリーサイトであること、GORUCKが行われること、世界各地からアノマリーの勝敗に影響する項目が追加されること、などが相違点となります。詳しくはまた別記事にてまとめてみたいと思います。

私kizokuchanは大阪在住ですのでもちろん参加するつもりです。自分はENL所属なので緑の方たくさん来てください‥と言いたいところですが、緑の方も青の方も1人でも多くの方が神戸に来て、いつもと違う「非日常」のINGRESSを味わい、街の魅力に触れ、美味しいものを食べ、そしてたくさんの仲間とイベントの空気を楽しみ、満足して帰られることを願っております。

それではまた、何処かでお会いしましょう。
今後とも良きINGRESSライフを!

[最終更新:2023-06-23 23:30]










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