来世は猫になりたい。
産まれた時、私は刺されかけたらしい。
らしいというのはもちろん覚えていないからだ。
私の種であった人が、私を疎ましがったからだと聞かされた。
記憶にないこのことも原因か、私は血を愛せない。
母親も、兄弟も、祖父母も。
皆疎ましく、ただ血の繋がった他人。
それは腹を痛めて産んだ我が子にも言えて、我が子が高熱で寝込んだとしても「かわってやりたい」とは思わなかった。
あなたはあなた。私は私。というスタンスで共に生きてきた。
血を愛せない女が他人を愛せるはずもなく離婚を経験し、いまこうしてゆらゆらと生きている。
あてもなく、目的もなく。
来世はぜひ猫として生まれてきたい。
これはそんな私の、頭の中の雑記帳である。