中小企業診断士一次試験に挑む人へ ①参考書選び

診断士一次試験を突破したようだとグループラインに報告したところ、メンバーの一人から自分も受験を考えているからオススメの参考書を教えて欲しいと連絡が来た。そこで私なりに教材の特徴を整理してみようと思う。

なお、筆者はTACのテキスト・問題集・過去問を利用して令和元年の試験で449点(自己採点)で一次試験合格の目算である。大原やLECの教材は利用していないため、「TACを代表とした参考書を利用した独学スタイル」と「動画や音声を利用した通信講座スタイル」の比較という形式で進めたい。

1.受験生の属性

参考書の精度や密度よりも、その受験生のライフスタイルに合致しているか否かという点で比較を行いたい。そのためこれから勉強を開始する受験生をモデル化してみたい。

同居の家族がいる40歳の会社員
日頃から勉強する習慣あり
日商簿記2級所持

特別不利な条件は無い。勉強の習慣と簿記2級の分だけ他の受験志望者よりアドバンテージがあると考えていいくらいだ。

2.勉強時間の仮定

思考実験的な仮定になるが、平日2時間、休日5時間は確保できる(土日の片方は家族サービス等で空けるものとする)との想定で週15時間をベースに考える。平日の時間が通退勤に食われるのなら、後述するStudyingが有力候補になる。
来年の試験が7月中旬なので約340日、48週間と考えると
15*48=720時間の時間を確保できる計算となる。
診断士試験一次はおおよそ600時間の勉強が合否の分水嶺になるが、これを上回る時間は十分に確保できそうだ。また、簿記2級は確実にアドバンテージとなる。時間的猶予は十分すぎるほどあると考えていい。

3.検討中の教材

情報蒐集したところ、
1.TACから発売されているスピード○○シリーズ
2.隙間時間を活用する通信講座大手Studying
を候補に考えているらしい。確かに計画的に勉強できるならば、予備校通いの必要性は薄い。この2つを比較してみることとする。

≪TACシリーズの特徴≫
○診断士受験の最大手なので大外れしない安心感がある
○問題集や過去問等、全部揃えて3万そこそこと安い
●ペースメーカーが居ないため計画的に進める必要がある
☆「全科目60点、得意科目で上積みして420点逃げ切る」が基本戦略になる

≪Studyingの特徴≫
○通勤時間などのペンを動かせない時間も有効に使える
○予備校に行くよりは大分安い、そして合格祝い金制度もある
●テキストや問題集のレベルはTACより低いかも(ブランド力、認知度の差)
☆「全科目60点、得意科目で上積みして420点逃げ切る」が基本戦略になる

Studyingを支持する層は通退勤でまとまった時間を拘束される人や、資格試験慣れして要領よく勉強できる人だと思われる。
一方でTACシリーズは蓄積されたノウハウに基づくため個々の教材の完成度が高く、タイムマネジメントができる人なら高いパフォーマンスを期待できる。老舗ゆえの強みだ。

☆については、TAC教材を使った感想とStudyingの口コミ評判から判断して、本質的には似たようなものだと思った。どちらも基礎・重要論点の徹底反復が重要との認識で教材を設計している。

4.結論

これから本番まで週に15時間程度を確保できるなら、TACをお勧めしたい。本試験まで10ヶ月以上あるので、適切にタイムマネジメントできるならStudyingのスキマ時間活用というコンセプトは相対的に魅力が落ちる。TACのテキストで正攻法で挑む時間はあるし、そうした勉強には慣れていると思うからだ。
また、Studyingを利用しても診断士の勉強がしんどいことには変わりはないので、どちらが精神的・身体的負担が軽いかという論点は無視して良いと考える。調べたら会社の休み時間にトイレで音声講義を聞いている猛者もちらほら。あくまでStudyingは「スキマ時間を有効活用せざるを得ない人向け」というのが私の考えだ。

ひとまず

HPを確認したが2020年試験対応のテキストはまだ出来ていない様子だった。推奨される順序とは前後するが、テキストが発売されるまでは経済学から勉強を始めるといいだろう。試験攻略入門塾 速習! ミクロ経済学 2nd edition (【試験攻略入門塾】) 石川 秀樹
https://www.amazon.co.jp/dp/4502290416/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_N3utDbD221J9R

基本的に診断士試験の教材はTAC一式で足りるのだが、経済学に限ってはこの石川先生のミクロとマクロを使うのが効率が良い。これと過去問5年分で80点を狙えるようになる。

個々の科目についてはまたの機会にまとめることとする。

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