イベントでもなんでもないある日のゆとりちゃん
大阪は西天満のバー、ゆとりちゃんに週2前後のペースで入り浸っている。ゆとりちゃんにはイベントスペースもあり、わたしもイベントをやらせてもらったことがある。それが先月の平成女児パーティだ。
マスターと常連たちが気心知れすぎて、イベントのない日ももはや友達の家のように好きに利用されている。もしゆとりちゃん正面にある切子ガラスのギャラリーを兼ねたオシャレ・バーでこんな振る舞いをしたら、全員一発で出禁だと思う。みんなあまりにも好き勝手すぎる。
これはイベント日でもなんでもない、ただのある日のゆとりちゃんの話である。
X(まだ納得してない)のnote記事への埋め込みができなくなってしまったので、わたしの拙い文章での説明に終始してしまうことをご容赦いただきたい。
会社でふとXを見たら、Aさんが「今日ゆとりちゃんでシュークリーム焼こうかな」と言っている。ゆとりちゃんには先日、Aさんが購入したオーブンが運び込まれたところである。お店への援助と言えば援助だし、お店の私物化と言えば私物化である。バーで客がシュークリームを生地から作るって、すごいことするな。シュークリームってお菓子の中でも難しいって聞くけど、そんなサクッと作れるものなのかな。ということでゆとりちゃんに行ってみた。
ゆとりちゃんに着くと、孔雀王さん(マスター)が米を炊いてくれた。これはBさんが先日買ってきて置いて行った米である。客は店を、店は客の買ってきたものを、同意の上とはいえ双方向の私物化が発生している。なんだこの店。
そのうちAさんが製菓道具を下げてやって来て、宣言のとおりものすごい手際でシュークリームの生地を作り始めた。
そしてそのあとやって来たCさんも、喋っているうちに「今日芋買ってきて揚げよかな、芋揚げていいですか?」と言い出し、すぐにスーパーに買い出しに出掛けて行った。そんなことをしているうちに、炊けた米は孔雀王さんとDさんEさんによってほぼ食い尽くされた。Dさん(ゆとりちゃんの元バイトというか半バイトというか、妙な立ち位置の人)はご飯のおかずにいつの間にか豚肉を炒めて食べていた。
買い出しに出たCさんと入れ替わりに、今度はBさんがスーパーのデカい袋を下げてやって来た。ゆとりちゃんが「米を炊くよ!」とSNSで宣伝していたのに、すでに食い尽くされていることに憤怒していた。まぁ、元はBさんの米だしな。ちなみにBさんは昨日もゆとりちゃんで勝手にジンギスカンを作り、米を炊き、食っていたらしい。
Aさんのシュークリームはうまく膨らみ、成功していた。焼いている間にも手際よくカスタードを炊き、生クリームを泡立てていた。さすがだ。
かわいいし、本格的に美味しくてなんかもうウケた。ここ、バーだぞ。
Cさんが芋を持って買い出しから帰って来た。Bさんと交代でキッチンに入る。
Bさんはブリのあらと豆腐、にんにくの芽(だと思う)を炊いた料理を作ってくれた。
米の第二弾も炊けたので一緒にいただいた。おいしい。
Cさんの芋の写真は撮り損ねた。みんながすごい勢いで食うから、写真を撮っている場合ではなかった。
「芋を揚げる」というからてっきりフライドポテトか何かかと思っていたら、丸っこい芋餅的なものが出てきた。わざわざ茹でてマッシュして形成したのか!どおりで長いことキッチンにこもってると思った。
ぼちぼち深い時間になり、Aさんが帰ろうとした。しかしカスタードクリームが余ってしまったらしい。そしてBさんがクリーム消費のために「今からホットケーキでもやりましょか」と言い出した。23時過ぎの話である。
わたしもこの辺で帰ったのでホットケーキを見ることはできなかったが、のちにゆとりちゃんのXを見たところマジでホットケーキを作り始めたらしい。
ゆとりちゃんって、一体なんなんだ。