あなたのために出来ないことはひとつもないと伝えたいの

クロミちゃんが好きである。

グッズを集めに集め部屋を埋め尽くしているようなガチ勢の方々には敵わないかもしれないが、それでも2005年の「おねがいマイメロディ」放送当時からのクロミ推しなので、最古参のうちの1人であるとは言っても良いだろう。

クロミは2005年放送のマイメロディのアニメ「おねがいマイメロディ」のために作られた、マイメロディのライバルキャラだ。つまりもともとアニメ出身で、そこからサンリオのキャラグッズへと逆輸入されて今に至るわけだ。ちなみに「おねがいマイメロディ」だが、作中のマイメロディの性格があまりにもあんまりなためマイメロ推しの中でもかなり評価が分かれる作品である。らしい。


最近、クロミはいわゆる「地雷系」の女性たちに迎合しようとしているのか、きらきらおめめにフリフリのお洋服やたっぷりフリルやリボンのデザインのグッズが増えた。クロミは顔がかわいいからもちろんそのデザインも似合うしかわいいのだけれど、アニメを見ていた世代としてはちょっと違和感がある。いや、クロミはもともと「実は乙女チックな一面も?」みたいなキャラクターなのでそこまで大きな違和感ではないものの、それにしたって世の中に媚びるような態度はやっぱり変な気がする。それでもかわいいけど。

クロミはここ数年、サンリオキャラクター大賞でマイメロディを抜きベスト3に君臨している。「世界クロミ化計画」という、クロミの販促企画もずっと動いている。それ自体は素晴らしいと思いつつ、しかし、いやその世界クロミ化計画どうなんそれ、という気持ちが拭えずにいる。

世界クロミ化計画の中で、新作アニメが制作された。わたしは「おねがいマイメロディ」から入った人間なので、この新作アニメに納得がいっていない。
まず、クロミとバクの居候先が柊家ではなかった。この時点でかなり解釈違いなのだが、まぁ長い時を経てクロミにもいろいろあったのだろうと考えることもできなくもない。彼女が生み出されてからなんだかんだもう20年近く経っているのだから。

しかし良くなかったのは「ロミナ」、このアニメのために新しく作られたクロミの姉の存在である。クロミはそもそも普段からバクという下僕を従え、レディースチーム「クロミーズ5」を率いるような姐さんキャラなので、そこに更に姉がいるというのはキャラクターがブレる。更に良くないことにこのロミナ、声優が本職じゃないのか新人なのか、かなり下手な人があてがわれていたのだ。クロミはCV.竹内順子なので演技も歌も抜群に上手だ。どうしても比べてしまうのは仕方がない。クロミがお姉ちゃんお姉ちゃんと慕うキャラが終始棒読みなの、本当に見てられなかった。先日会った友人が「安くないお金を払って舞台を見に行ったのに西川俊介がド下手で台無しだった」とキレていたのと似た気持ちかもしれない。(急に西川俊介を巻き込んでごめんなさい、伊賀崎天晴役はめちゃくちゃハマり役だったと思ってます)

そんな世界クロミ化計画の中でも、良かったこともあった。

クロミのキャラソン新曲の発表である。

新曲といってももう2年以上前の話なのだけれど。
しかしTV版アニメで時間が止まっていた人間にとってはこれはとんでもないことだった。それにこの曲、私の中のクロミ像と全くブレがない。そうだ、クロミはこういう女だった。曲も良い、歌詞も良い、歌声も良い、何も非の打ち所がない。


キャラソンといえば。
クロミはアニメ出身のキャラクターであるがゆえにひとつ、マイメロディにはない大きなアドバンテージがある。

公式で人間態が存在するのだ。

しかも何が良いってこの人間態、そう簡単にはなれないのだ。人間になるためには諸々のリスクを飲み込み、禁断の魔法を使う必要がある。それでも、禁断の魔法に手を出してでも、クロミは柊とダンスを踊りたかったのだ。しかし禁断の魔法に手を出したクロミは、人間の姿になっても柊に自身がクロミだと名乗り出ることが出来ず、「クルミ・ヌイ」という偽名を使う。なんて切なくロマンチックなんだろう!!!!!!

このクルミ・ヌイとしてのキャラソン「クロイヒトミ」と「クルミロンド」の2曲は本当に名曲なのでぜひ聴いてほしい。サンリオのキャラクターとしての「クロミ」しか知らない人はきっと驚くだろう、その歌詞の暗さと切なさに。竹内順子の歌唱力もとんでもない。


なぁ、世界クロミ化計画よ。
クロミの出自を理解し、おねがいマイメロディへのリスペクトを胸に刻めば、やるべきことはロミナなんて知らんキャラを作ることじゃないのは分かるよな?


クルミ・ヌイの復活です。

さぁ、今こそ動くのです。

いいなと思ったら応援しよう!