11月25日 I pray for you
11月25日
赤い公園の最新シングル 「オレンジ/pray」が発売された。めちゃくちゃ好きで、超応援してるバンドです。去年の冬に行ったライブはマジで最高だったな。
「ボーカルが変わる」って割と珍しいことだと思うけど、それさえもプラスに変えて突き進んできた4人の、新体制2枚目の音源。
ちょうど1ヶ月ぐらい前に「津野米咲 死去」のニュースを観て、正直何も手につかないぐらいの衝撃を受けて、一日中ため息しか出なかったのを覚えてる。その時はもうこのシングルの発表もされてたし、これから先の彼女たちがどうなるかわからない、というのが率直な感情だった。
先週ぐらいに、年末のCDJへの参加がアナウンスされた。津野が生前から親交があったBase Ball Baerの小出祐介を迎えて。このニュースを観て、めっちゃ安心したと同時に、ほんとに泣きそうになった。Base Ball Bearもかつてギタリスト失踪を経験しつつも、止まらずに第一線を走り続けてきたバンドで、その当時の姿を今回と重ね合わせてしまったし、何より赤い公園が前に進むという選択を取ってくれたことがめちゃくちゃ嬉しかった。感動した。
そんなこんなで、今日シングルが発売された。全3曲、どれも本当に素晴らしい。今年4月に現体制で初めてのアルバム「THE PARK」が発売され、そこからより一層4人のバンドとしての形がはっきりとしたように思う。
まず一曲目の「オレンジ」。赤い公園らしい、疾走感と切なさを兼ね備えたナンバー。ボーカルが変わる以前、はどちらかというとJ-POPよりな、華やかでキャッチーに振ったような楽曲が多かった印象だが、ボーカルが石野理子になって以来、4人の「ロックバンド」としての無骨な、力強い方向にいったような気がする。「オレンジ」もそうで、ストレートなギターロックと言える。津野のギタープレイも見事で、主張しすぎず、でも無いと困るような、気持ち良いところを攻めてくるギター。そして、なんといっても歌詞が超やばい。津野がどんなことを考えて今回制作していたのかは分からんけども、全てを重ね合わせてしまう。これ、ライブで聴いたら超カッケェよな絶対。
二曲目の「pray」。打って変わってピアノから始まる美しい曲。曲の構成もシンプル。
一番がピアノと石野の歌声とコーラスのみで構成されていて、石野の透き通るような歌声が刺さる。前ボーカルの佐藤千明と比べられることがやっぱり多いと思うけど、俺は石野の繊細な歌声が超好きだ。もちろん佐藤の力強い歌声も好きだしどっちか選べと言われるとキツい。 でも、今の赤い公園のボーカルは石野だ。メンバー3人が選んだ石野がボーカルであり、石野の歌声が今の赤い公園には不可欠である。そう確信した楽曲だった。
三曲目の「衛星」。これは「THE PARK」の初回盤Disc 2にアコースティックVer.で収録されていた分の、バンドセット版の楽曲。短い楽曲ではあるが、歌謡曲的なメロディにロックバンドらしい演奏が合わさり、唯一無二の切なさを作り出している。前に収録されていた分とほぼアレンジは変わらずにそのままの演奏だが、そもそも最初から完成度が高すぎるんだわ。
以上3曲 + instrumentalで構成される今回のシングル。はっきり言って、最高。俺は津野米咲が作る楽曲にたくさん元気をもらったし、励まされたし、救われたし、これからも俺にとって「赤い公園」の楽曲はそうであり続ける。 これからの4人の活動がどうなるかは俺にはわからんし、別に考える必要もない。俺はずっと赤い公園を聴き続けるし、ずっと好きでいることは変わらない。今回のシングルを聴いて、彼女たちの未来が良い方向に進むと確信した。
表題曲2曲のMVも素晴らしかった。 最後に津野のギターを弾いている姿が、メンバー4人の仲睦まじい様子が観られて本当に良かった。最高の作品をありがとう。