巨大化石の公園

茨城県坂東市にある、ミュージアムパーク茨城県自然博物館。都内からは近くもないが、遠くもない距離である。仕事が忙しくなってきたので、車を借りて秩父を旅するのが難しくなってしまったのもある。
職場で私が死んだ魚のような目をしていたのを見かねたのか、同僚が実際にかかる時間や現地のバス時間を教えてくれた。聞けば家がその辺りだそうで、庭同然とのこと。
情報を整理した結果、当直明けで行けば日帰りでも行ける事が分かった。

つくばエクスプレスで流山おおたかの森駅へ行き、東武線に乗り換え野田市駅を目指す。更にそこからバスに乗り、自然博物館入口というバス停へ向かう。そこからは徒歩1kmだ。職場の銀座からだと待ち時間を含めて大体片道2時間ぐらい、北千住駅からだと1時間半ぐらいか。
ただしバスの本数はかなり少ないので、帰りには注意しないといけない。

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曇り空の中、1km歩いてようやく到着。
かなり広い公園の中にある博物館だ。野鳥のスポットでもあり、双眼鏡を持った人もちらほら見かける。
中に入り入館料540円を支払い進むと、早速巨大モンスターが現れた。
松花江マンモスである。

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ここ最近小さい象ばかり見てきたせいか、最初は化物にしか見えなかった。まぁそもそも、象ではなくマンモスなのだが😅
高さは5m、体重は20tを超えると言われるこの怪物はモンゴルで発見された。約3万4000年前に生息していたらしい。
以前紹介したパラケラテリウムよりも大きいとされ、どちらがより大きいかに関して決着はついていない。別にもうどっちでもいいよ😨と言いたくなるくらい双方デカいのだ。早くも私の遠近感にダメージが入った🤣
こんなのを狩れと言われたら、私なら直ぐに逃げ出すだろうなと思ったものだ😥

ディプロドクスが葉を食べている、隣の巨大な木を見てほしい。新生代の地層でよく見つかる植物で、名をメタセコイアという。
驚く事なかれ。この木は現生しているのだ!

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1946年に中国・四川省で現生状態で発見され、当時は騒ぎとなった。アメリカが南京大学から苗を譲り受け育成、その一部が日本にも届き今日に至る。例えば滋賀県高島市のメタセコイア並木は有名だ。尚和名でアケボノスギとも呼ばれる。
高さ25m〜30mにもなるこの巨大樹は、貴重な生きた化石なのである。

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余談だが、この上には翼竜アンハングエラの全身骨格模型が展示されている。
博物館のホールは見所が細かい😊

トンネルのような展示室の左右にあるのは、古生代の海洋生物達。カンブリア紀の有名な生き物もいる。アノマロカリスだ。

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約5億年前のカンブリア紀では、海で様々な生き物が生まれた。どれも現代生物とはかけ離れた外見をしているが、生命の実験場だと思って頂ければ分かりやすいかも知れない。果たして一体どんな生き物が天下を取るのか?まだ誰にも全く読めない世界だった。
アノマロカリスはその実験場での頂点である。目と顎が彼の武器であり、エイのように泳ぎ回る。獲物を見つけると、その腕のような突起で捉えて食べるのだ。ただ口は割と小さく、硬い甲殻類はお気に召さなかった可能性もある。
とはいえ5億年前の生き物。仮説は転々と変わり、結局今なお詳細は不明だ。とはいえかつては節足動物の頂点で、その後没落し、小型化しつつも古生代を長く生きていた事は事実である。

アクロカントサウルス。
一見、ティラノサウルスの頭骨に見える。しかしこれはアロサウルスの仲間である。

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ジュラ紀に登場した肉食恐竜アロサウルス。7〜12mと推定されているそれと、ティラノサウルス科の違いは腕の長さだ。
噛む力もアロサウルス科の方が弱い。なのでこの鋭い歯で獲物の肉を裂き、失血死を狙っていたのでは?とのことだ。
アクロカントサウルスは全長11.5mとかなり巨大な白亜紀の捕食者だ。ティラノサウルスと殴り合っていたのか?と思う方もいるかもしれないが、そんな戦いは起きなかったようだ。生きていた時代が違ったからである。
アクロカントサウルスは白亜紀前期、ティラノサウルスは白亜紀後期の恐竜だ。白亜紀は中生代で最も長いのである。そしてアロサウルス系統は白亜紀の途中で原因不明の衰退を始め、空白になった頂点の座を、巨大化したティラノサウルス科が手に入れた、とのことだ。

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だが近年、白亜紀後期にシアツというアロサウルス系統を思わせる恐竜の化石が見つかっており、上記の仮説が疑われている。ティラノサウルス科なのか?それともまさかのアロサウルス科なのか?この恐竜はまさに重要参考人である。

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因みに隣には大迫力のティラノサウルス全身骨格や、巨大な白亜紀の再現ジオラマがあったりする。古生物好きには必見の価値ありだ😃

スミロドン。サーベルタイガー、といった方が分かりやすいだろうか?
有名な新生代の捕食者である。

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サーベルタイガーという異名がつくだけあって、なんと言っても特徴はその牙だ。とても鋭く出来ており、長さは何と24cmにもなるという😱
しかしこの牙、実は骨を切断・貫通するほどの威力は無かった。また顎の力は弱かったことも分かった。おまけに前足が後ろ足より太いので、走行にも向いていない。これらの点を纏めると、森で待ち伏せし、太い前足で獲物を押さえつけ急所(恐らく喉)に牙を突き刺していたのではないか?との仮説が有力になるだろう。
そんな彼らも約1万年前に絶滅した。餌がなくなったとも、人間が狩ったからだとも、ジャガーやピューマとの競争に敗れたとも言われている。

如何だっただろうか?
まだまだ巨大な化石達、現代生物の模型や剥製があり、ここは皆さんを楽しませてくれるのは間違いない。更には茨城の自然を再現したジオラマや、小さな淡水魚水族館も兼ね揃えている。野鳥を覗ける(かもしれない)望遠鏡もある。もしも普通の公園に飽きたなら、たまにはこういう散歩も悪くないと私は提案したい🤗
ただし、バスで行く際は帰りの時間をよく考えよう!うっかり夢中になって帰れなくなっても、私は責任を取れないので😅

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