国立科学博物館 地球館 1
国立科学博物館 地球館 1
日本館を見終わったなら、一息ついてから地球館へ行ってみよう。
化石巡りはここからが本番である。情報量が多くなって疲れるかもしれないが、最後までお付き合い願いたい。
地球館は日本館から進んだ奥にある。行ってみると分かるが上は3階、下は地下3階まで続いている。実際は見た目以上に巨大なのだ。
恐竜等が展示されているのは地下のエリアなので、私は下へ向かう長いエスカレーターに乗ってみた。吸い込まれるように下降していくので、何だか時代まで逆行していくような錯覚に陥りそうになった。
尚、何階に何があるのかはあえて書かない。皆さん自身で楽しみながら順番を決めて欲しいからである😄
先ずはメインから!という事で行ったエリアがここだ。最初に訪れた時は言葉が出なかった。
白亜紀の恐竜が中心のエリアである。ホールはかなり大きかった。夢と迫力満点の光景に少し惚けていたが、後ろの子供達の喧騒で現実に戻る。
さあ何から見ようか!このワニみたいな化石から・・・え?ワニ?何で?
プレストスクスである。
三畳紀後期の主竜類で、恐竜ではなくワニの仲間。足が長いイリエワニみたいなものだが、陸上に適応している。
当時はこうした陸生のワニが地上の覇者であり、彼よりさらに大型のワニも多数いた。というのも三畳紀の頃の恐竜はまだ小さかったのだ。何しろ中生代最初の時代である。
そんな陸生ワニ達も約2億100万年頃、頻発した火山の噴火(とされている)による気象変動で大半が絶滅した。その穴を埋めるように生き残った爬虫類が繁栄、巨大化する。
恐竜の時代の幕開けである。
アパトサウルス(首から上)
中生代の真ん中、ジュラ紀の草食恐竜。竜脚類という言葉がピッタリの生物だ。竜脚類だなんて名付けた人は、幻想生物の所謂ドラゴンを連想したのかもしれない。
デカイ。とにかくデカイ。それしか言葉が出てこない!しかしながら、コレより大きい怪物が沢山いるというのだ😱
これだから中生代は恐ろしい😭
(胴体の写真)
こうした首の長い竜脚類は、今までは「高い木の植物を食べる為に発達した」と思われていた。しかし実際の所、彼らは首を20°程度しか持ち上げられない事が分かった。
恐らく低地のシダなどを、動く事なく首を振りながら食べ回っていたのでは?と推測されている。
さて、恐竜といえばトリケラトプス!
いよいよ白亜紀に突入する。
三本角で有名なトリケラトプスだが、生きていた時代は白亜紀の終盤のみ。その繁栄は約1500万年と短めの期間である。まぁ、それは彼に限らない話ではあるのだが・・・
この超有名な恐竜、実際のところよく分かっていない点が多い。群れだったのか、歩くスピードはどうなのか、角は襲ってくる肉食恐竜に役立ったのか、木をなぎ倒して葉を食べていたのか、雄同士が決闘する為のものだったのか、疑問は多い。
最近までの研究で、私が最初の頃に載せた先祖の近縁種や、お互いツノを突きつけて争った形跡があったことは判明している。
石頭恐竜と聞けば彼を思い出す。
パキケファロサウルスである。
いかにも硬そうな頭部だ。コレを使って雌を巡って決闘をしたり、ラプトルのような捕食者にキツイ頭突きを喰らわせた、という説は有名だ。
しかしこの説には確証がない。そんな事をしたら首の頸椎にモロに衝撃が走るし、現にそういう構造をしている!と否定する研究者もいる。まぁその説も、首の筋肉次第では否定されるのだが😅
あとは頭骨自体、そこまで頑丈では無いとの指摘もある。だが彼らの仲間は頭骨が完全な状態で発掘されることが多く、それは頑丈さの裏付けでは?とも言える。
何にせよ謎の生物だが、間違っても頭を指差して笑ったり、からかわない方が良さそうだ。怒らせて頭突きを喰らうのも勘弁だし、最近では鋭い歯も発見され、「実は雑食だった!?」なんて話も出ているのだから😱
ちょっと変わった恐竜を紹介する。
このスリムな生き物はシチパチという。
この何となく言いにくい名前は、モンゴルのゴビ砂漠出身の恐竜だからというのもある。向こうだとキチパチと言われ、サンスクリット語で「火葬の王」を意味する。
また彼は卵泥棒の誤解で有名な、オビラプトル科の獣脚類でもある。頭のトサカと歯のない嘴はヒクイドリにも似ているが、彼は爬虫類である。
卵を守っている姿の化石が何度か見つかっており、その姿勢から恐らく羽毛があったのでは無いか?とされている。
成程。もし腕に羽毛や羽みたいなものがあれば、この姿勢で卵を温められるという訳だ🧐
最後にティラノサウルスを紹介しよう。
恐竜の代名詞、暴君竜である!
映画「ジュラシック・パーク」の顔とも言える凶暴な爬虫類である。T−REXとも言われており、レックスとはラテン語で「王」を意味する。そして実際に白亜紀後期の頂点として、恐竜絶滅まで君臨する事になった。
私個人としては、こんな暴君に仕えるのは御免蒙りたい😱
ティラノサウルスの武器といえば、何と言っても顎の力だ。当時の生物の骨をあっさりと噛み砕ける力があり、嗅覚も鋭かった。
恐らく死肉から動く獲物まで何でも食べていたのだろう。
ただ暴君竜にも謎はある。例えば前足の用途だ。一体何の為に使っていたのか、単純に退化したのか諸説はあるが、決定的な証拠はない。走る速度もハッキリしていないし、進化の流れもまだ良く分かっていない。彼らの先祖と言われているディロングは分類がコロコロ変わってきたし、これからまた変わる可能性もあるのだ。
ところでティラノサウルスについてたまに誤解している方がいるので説明すると、ティラノサウルスはティラノサウルス科の一個体に過ぎず、近縁の仲間は多数いる。
中にはティラノサウルスよりも大きい種類もいたりするのである。
そしてこれがまた分かりにくい😅例えば上のタルボサウルスと、ティラノサウルスを即座に見分ける人はまずいないだろう。
タルボサウルスはアジア最強と言われている、ティラノサウルス科の大型爬虫類だ。但し頭と体の大きさはティラノサウルスより一回り小さい。
ティラノサウルス科の仲間達は今なお世界各地で発見されている。彼らの王国がいかに恐ろしく、そして強大だったのかは想像に難くない。
長文となってしまったが、科博はまだまだ続く。
次は海の生き物を中心に取り上げようと思う。
(続きます)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?