恐竜の隠れ里 神流町 1

意気揚々と国道299号線を北上し続けていると、段々道が狭くなってくる。丁度赤谷温泉を超えた辺りから、人気の無い景色がかなり目立ってきた。雪で頂上が白くなった山々が近づいてきたので、少し速度を落として走る。
走っている途中に、山の上にガードレールらしき白色が見えた。かなり長い。
「あそこを走るのか。景色は良さそうだなぁ。いやー来てよかった!😃」
なんて能天気な事を考えていた自分は本当にバカだと思う。今なら😱

結論から言うと、山道はかなり過酷で危険だった😭道が狭い上に急カーブが多く、もしもカーブミラーを見逃したら、車種次第では激突しかねないぐらいだった。実際一度見逃しかけてヒヤリとする場面もあった。
おまけに深めの側溝のセットつきだ。寄りすぎても脱輪する。最早景色を楽しむ、なんて最初の余裕は完全に吹き飛んでいた。

幸い天気も良く、反対車線から大型車が通ることはなかったので助かった。こんな電波の悪い場所で、事故でも起こしたら途方に暮れるしかなくなってしまう。
299号線は国道ならぬ酷道であったのだ😱あの時がもしも吹雪だったら、私は本当に死んでいたかもしれない😭

酷道を何とか突破して、山の下り道に入る。ふう、ようやく一息つけそうだ。「恐竜の足跡」まで到達すれば神流町は目の前なのだ。まだ少しだけ元気があったので、写真は撮っておいた。

少し休み運転を再開。
ここからはかなり楽な道だった。げんなりした顔で車を走らせると、群馬県多野群神流町に入った。T字路を左折して少しすると、神流町恐竜センターが見えてくる。
駐車してから車を降り、深呼吸してから水を飲む。すると妙に生きてる実感が湧いてきたので、そのまま館内へ入る事にした。
昼食を事前にコンビニで済ませておいて本当によかった。あの時空腹状態だったら実際かなりキツかったと思う。

神流町は恐竜王国と言われている。しかし私は町の静かな雰囲気と合わせると、隠れ里の方がしっくり来ると思った。雄大な自然に囲まれ、下には美しい神流川が粛々と流れている。古生物達もこの雰囲気が気に入っていたのかもしれない。
そんな空気に反して、発掘実績は実に輝かしいものである。スピノサウルスの歯や恐竜の足跡、オルニトミムスの仲間である、サンチュウリュウの発掘を成功させた。更にモンゴルから化石のレプリカを多数譲り受け、センターはより大きくなり今に至る。見所満載だ👍

入館料800円を支払いドアを開ける。
するとカスモサウルスが目を引いた。何とこれ、触れるのである。

恐竜センターはとにかく説明が丁寧なので、今回はなるべく一緒に写す事にした。
白亜紀を生きたカスモサウルスはトリケラトプスと似ているが、ツノは短い。頭部の穴が開いていた部分は威嚇や求愛をする際のディスプレイと考えられている。
意外かもしれないが、トリケラトプスだけこの穴を持っていない。他の仲間たちは全て穴を持っていたそうだ。そう考えるとトリケラトプスは、同じ種の中でもかなり浮いていたのかもしれない。何だかなぁ😅

ラオポルスの足跡。
説明にある通り、ペルム紀の盤竜目ディメトロドンの祖先である。
足跡とはいえ、かなり見るのが珍しい生き物だったので思わず撮ってしまった。
これはこの後も期待できるぞ!

博物館の常連、アンハングエラ😃
説明は今更なので、気になる方は案内板を👍

キンボスポンディルス!
三畳紀の大型魚竜だが、化石を見るのは初めてである。私は非常に驚いた!

魚竜はイルカによく似た爬虫類だ。三畳紀の前半に、元々陸生だった何らかの爬虫類が海に進出したのが始まりである。そして収斂進化の結果、イルカと似たような外見となった。
とはいえキンボスポンディルスは6m〜10mの大型で、背鰭がないのでモササウルスと勘違いする人もいるかもしれない。
だが彼の歯は小さく、むしろ魚や軟体生物を捕らえるのに適していた。尾鰭も未発達なので、モササウルスとはそこが違う。
彼ら魚竜は、この後のジュラ紀で繁栄の絶頂を迎える事になる。

別館に移動するとアマルガサウルスの模型があった。見るのは初めてだったので、最初は唖然とした。理由はその外見である。

ハリネズミの真似でもしたかったのかは分からないが、首や背中の突起が何のためにあるのか?それはまだ分かっていない。
身を守る武器なのか?皮膜が張ってあって体温調節やディスプレイに使っていたのか?突起をぶつけて警告音にしていたのか?まだ真相は分からない。
全長12mで、白亜紀前期に暮らしていた。竜脚類で12m?随分小さいなぁ😃と思った方は、やはり確実にマニアへの道を歩んでいる👍

(続きます)


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