麻雀ファン側の問題点
目次
記事を書こうとした経緯
歪んだ正義感
誹謗中傷とそれに関連する犯罪
親告罪と麻雀ファンへの忠告
麻雀ファンによる批判は悪なのか?
1 記事を書こうとした経緯
つい先日、このような記事が目に飛び込んできたので読んでみた。
内容は麻雀プロに対する批評は一向に構わないが、「下手くそ」といった悪口はやめろというものであった。
一見当たり前の主張であるが、私はふと麻雀プロの打牌に対する「下手くそ」という表現がどう捉えられているのか?が気になり、以下のようなアンケートを出してみた。
無論この数字に統計的意義はない。私が単に通りすがりの608人の麻雀打ちに質問しただけに過ぎないものだ。
そうだとしても「誹謗中傷には入らない」、「自分で蒔いた種」と思う人の占める数字が半分以上である、という部分に注目したい。
それ以外に入れた人達の意見も「感想なら誹謗中傷には入らないが、本人に言うのは如何なものか🤔」という意見も何度か見た。
また先のnoteの反応を見るに、麻雀プロ及びプロ団体に対して強い不信感を持つ層がいる事も明らかである。
それらを眺めた上で私が出した結論は、麻雀ファン側にもプロ側にもそれぞれ問題点があるということである。
折角アンケートも取ったのだし、今回はこの問題に対する私見を書こうと思ったのだ。ただ実際に書いてみると長かったので、記事を三つに分けて投稿する事にした。
まず何が問題なのか?をそれぞれ挙げてから、自分の正直な意見を書くのが良いのかなと思ったからだ。
今回は麻雀ファン側の問題点を中心に書くが、全ては書けないので最低限これは気をつけた方が良さそうな部分だけを取り上げた。
2 歪んだ正義感
麻雀とはどんなゲームだろうか?
よく言われるのが運7割、実力3割というものだ。運の要素が非常に強いので初心者がプロに勝つ事もあるが、対戦数を重ねれば強い人が勝つ、という認識が一般的である。
故に上級者には選択の正しさに拘る人がとても多い。最近では麻雀AIを使って検証をする人も増えてきている。
これは圧倒的に正しい事なのだが、それが行き過ぎると変な方向に進み出す。
何故なら「正しい選択を学ぶ事が勝利に繋がる。だから不正解を選ぶ者を決して許してはならない」と考える者が出てくるからだ。
そして私もその気持ちに共感している部分があるので、歪んでいるのだろう。
謎の歪んだ正義感が蔓延し、それに駆られて行動している人が多いのも今の麻雀界隈だと私には見える。
とはいえこんな事を書くと、反感を持つ人もそれなりに出てくるだろう。
何を馬鹿なことを!💢
損な選択をする下手くそが悪いんだから、事実を指摘して何が悪い!💢
誹謗中傷と一緒にするな!💢
といった所だろうか。
それについて書く前に、まずは誹謗中傷と批判の定義の確認をしよう。
※ベリーベスト法律事務所のサイトに分かりやすいコラムがあったので、今回はそこから画像を拝借した。
3 誹謗中傷・批判の定義と名誉毀損罪への誤解
誹謗も中傷も碌でもない行為ではあるが、しかしこれだけでは犯罪にはならない。
批判との区別がつけにくいというのもあるが、そもそもある行為が犯罪とされるには構成要件該当性、違法性、有責性の三要件を充たす必要があるからである。
私は警備業に従事しているので研修で何度も聞かされるのだが、これを分かっていない人はかなり多いと思う。違法性、有責性についての説明を今回は省くが、構成要件該当性(犯罪が成立する為の条件)は今回の問題にかなり関わっている。名誉毀損罪や侮辱罪を犯す人は、恐らくこの部分を誤解している。
それでは誹謗中傷は具体的にどんな犯罪に繋がりやすいのか?ご紹介しよう。
ベリーベスト法律事務所の見解によれば、主にこの6つとのことである。
このうち麻雀ファンに特に関連しそうなものは、恐らく名誉毀損罪ではないだろうか。
それでは皆さんもう一度、名誉毀損罪の文をよーく読んで欲しい。「言いふらした内容が真実であっても、相手の社会的名誉を傷つけるものであれば罪に問われる」と書かれている。
ここを知らずに事実だからと好き勝手書いていた人は多いのではないだろうか?だからこそ最初のアンケートが、あのような結果になったのだろうと私は考えている。
しかもSNSは公の場として認識されているので、独り言だとしても言い訳は出来ない。
これは麻雀ファン側が改めるべき課題ではないだろうか?ミスをしたからと何を書いても良いとはならないのだ。法律が全否定している以上、我々に反論する権利は無い。
ただ「それなら誰の事か分からないように書けば良いのでは?」と考える人も出てくるだろう。しかしそう甘くはない。
この辺は私自身も理解しておらず、読んでから恥ずかしくなった😌
それ以外でも勘違いしていたり、知ったかぶりの部分が多くて愕然としたものである😱
因みに今回載せた文章は刑法のものだが、民法もこれがベースとなっているので殆ど内容は変わらないとのことだ。
皆さんはどうだっただろうか?
こういった法律の知識は学んだ方が絶対にマシなので、是非ともモノにして欲しい。
4 親告罪と麻雀ファンへの忠告
さて、こういった法律を知るとモヤモヤする人も出てくるのではないだろうか。
「でも○○さんはプロに散々な事を言ってるのに、何のペナルティも無いのはおかしくないか?」といったような不公平感である。
何故そうなるのか?それは名誉毀損罪や侮辱罪が親告罪だからである。
親告罪というものは、被害者が犯罪を不起訴「にも」できる制度のようなものだ。要するに告訴するしないを選べるのである。
例えば家族や仲の良い友人にイジられる度に、ムカついたからと「今すぐ訴えてやる!💢」と即訴訟を起こすような人は見ないだろう。少なくとも私は殆ど見た事がない。
しかし本来なら訴えても良いのである。単に見逃されてるだけの話なのだ。何故あまり訴訟沙汰にならないのか?は次の記事に書くが、こうなるのも親告罪があるからこそである。
因みに親告罪が適応されるのは6ヶ月だ。それが過ぎると告訴が出来なくなる。
結局私が何を言いたいかというと、こういうものは相手からの印象や、相手と築いた関係が全てなのだということだ。
もし貴方が悪く言った人とは赤の他人だったり、かつ持たれている印象が悪ければ最悪裁判沙汰にも発展しかねない。
散々麻雀ファンに対して厳しい内容を書いてきたが、仮にも麻雀のファンならそういう部分の押し引きも考えた方が良いだろう。無論私も今までを振り返って、立場を全く分かっていない発言があったなぁと猛省している。
親告罪があるから見逃されていると書いて思い出したのだが、著作権の大部分にも親告罪が適応されている。内容はこういったものだ。
この内容は原則であり、実際はコンテンツ毎により詳細なガイドラインが設けられている事が大半だ。
我々が普段見ているAbema TVやYouTubeにも存在するし、違反者には相応のペナルティが課せられる。最近増えてきたMリーグの切り抜き動画にだって、ガイドラインはある。
こちらもまた、我々は見逃されているという認識を持つ事を忘れてはならない。
向こうがその気になったが最期、一方的に叩き潰されるのがオチである。
5 麻雀ファンの批判は悪なのか?
長くなったので纏めよう。
本当は今回書きたかった事は、たったこれだけである。だが一つ一つを誤解している人が多いと思ったので、これだけの長文になってしまった。(文が稚拙で本当に申し訳ない🙇♂️)
しかしコレを見て「じゃあ麻雀ファンはプロの打牌選択に何も言うなって事か?」とか、「真っ当な批判でも、悪く受け取られて告訴されたら😨」といった憤りや恐怖感を持つ人もいるのではないだろうか?
私自身はというと、別に批判する事を怯える必要は全くないと考えている。
悪いものは悪いのだ。ただし言い方が不味ければ法廷に引き摺り出される、というだけの単純な話である。
火のないところに煙は立たない。「下手くそという表現は誹謗中傷にならない」と考える人が自然に見えてしまう現状も、麻雀プロ側に問題が無いとは言えない。
次の記事では麻雀プロ側の問題点を挙げていこうと考えている。
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