国立科学博物館 特別展 1
唐突だがARKモバイル・・・アレは古生物ファンには危険すぎるゲームだ!
夢のようなゲームに時間をごっそり奪われたが、久しぶりに筆を取ろうと思う。古生物が跋扈する世界で生活する、ARKの話はまた別の機会に。
さて。以前私は国立科学博物館には、時々貴重な特別展示が行われると書いた。今回は番外編という事でそれをお伝えしたい。尚、特別展はもう見る事ができないので、全部お伝えしようと思う。
私が行ったのは特別展の終わり頃。例によって情報弱者ぶりを発揮し、たまたまネットで見かけて衝撃を受けた。そんな面白そうなもの、行かないわけが無い!
特別展の入り口は普段のエントランスとは違う。分かりやすいので説明は不要だと思う。
もう展示期間も終了間近だというのに、人だかりはかなり凄かった。流石である。
ウキウキしつつゲートを抜けると、まずはディノニクスとテノントサウルスがいた。
ディノニクス、またはデイノニクスは白亜紀の肉食恐竜だ。全長3.5m程度でそこそこ大きい。群れで狩りを行っていたのか、一箇所から複数体の骨が発掘された事も。
彼の特徴は何といっても、足の爪である。シックル・クローと言われており、これで敵に裂傷を与え、失血死を狙う。
最近では羽毛が生えている、という説が強くなっており復元図もそのようになった。
余談だが映画ジュラシック・パークのヴェロギラプトル、実はモデルがディノニクスである。スピルバーグ監督がインスピレーションを受けたのであろう。実際のヴェロギラプトルはさらに小さいのである。
この血も涙も無いハンターに追われるテノントサウルスは、イグアノドンの遠い親戚だ。
とはいえ、イグアノドンと違って前足は長く、尾は更に長い。基本は四足歩行の生き物で草食性。化石からもディノニクスの歯跡かよく見つかっており、専ら彼らの餌だったのではないかと考えられている。
始祖鳥。
アーケオプテリクスとも。
古生物の代名詞的存在でもあるのだが、その生態は未だ謎だらけだ。
とはいえ発掘された羽毛の化石からメラニン色素を調べ上げ、現生の鳥類と照らし合わせると黒い羽が混ざっていた事、羽も左右非対称だった事は判明している。まぁ飛び方はいまだに不明なのだが、今後の研究に期待が持てる進捗ぶりである。
今の鳥類の直接の祖先ではないようだが、恐らく元を辿れば一緒だった筈だ。始祖鳥系統は果たして一体どんな生態系だったのか?実に興味深い。
マイアサウラ。
恐竜が子育てをしていた証拠として有名な、白亜紀の草食恐竜である。なので名前も「良き母のトカゲ」を意味する。
しかし、その育児のやり方自体は長年の謎でもある。母親の体格的に抱卵が難しい事と、巣の痕跡に草の痕跡があった事から、草を積み上げて発酵熱で卵を孵化させていたのは判明している。だが本当に子供に餌を与えていたのか?は不明だ。
今後の研究に注目である。
さて、特別展の主役を紹介しよう。
その名はデイノケイルス!
一見、巨大な爪と体格から肉食恐竜に見えなくもない。だが彼は雑食の獣脚類だ。魚と草を主に食べていたらしい。主に白亜紀のモンゴル・ゴビ砂漠に暮らしていた。全長約11mの巨体である。
この巨大な爪を見て、以前紹介したテリジノサウルスを連想する方もいるかもしれない。しかし彼とは系統が違う。信じられないかもしれないが、デイノケイルスはダチョウ恐竜、オルニトミモサウルスの系統に分類されているのだ!まぁ走るのは苦手だったようだが😅
胃石が発見されており、恐らくこの巨大な爪を使って木の草や魚を食べていたと推測されている。そして襲いかかって来るラプトルや、果てはタルボサウルスすら撃退していたのではないか?とされている。因みにタルボサウルスも展示されており、お互い殴り合ってる姿がCGで再現されていた。かなりの迫力である。
(続きます)
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